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フランスからスペインへ!徒歩による国境越え体験記
旅で日本では体験できないことといえば思い出すのが「陸路による国境越え」。海外へ旅すると「この体験をしてみたい!」という願望が芽生えてきますね。
自分もいくつか陸路の国境越えをやってきましたが、今回はフランスからスペインへ入国したときの体験を書こうと思います。
本来予定になかったスペインへの徒歩越境。今後旅するときの参考にしてください。
目次
まさかの電車使用不可!!
この当時、ヨーロッパを旅している時はユーレイルパス(日本で言う青春18きっぷみたいなもの)を使っていたので、電車を乗り継いで廻っていてフランスのマルセイユからスペインへ電車で入ろうと思っていたのですが、当日駅に行ってみるとスペインへ入るローカル線が軒並み運転中止。
何かおかしいと思いつつ、とりあえずスペインに近いペルピニャンという街まで行くことにしました。
ペルピニャンまで着いたところで改めて電車の運行状態を確認すると、やはりスペインへ入る電車は休止。特急は動いているがお金かかるし、何より既に満席。
どうなっているんだろうと駅の人に聞いたら、なんとフランス鉄道職員のストライキが発生していてスペインへ入るローカル線は軒並み休止とのこと。
後で知った話ですが、フランスという国はストライキが多い様で、鉄道職員のストライキなんかは日常茶飯事に行われており、その度に列車は運休。そんなに日常的な光景になってしまっているのでフランス人にしてみれば「いつもの事さ」という感覚になっている様です。
とはいえ、よそ者の私からしたらいつまで続くかわからないこのストライキ。電車は期待できないのでバスで国境を目指すことにしました。
ペルピニャンからセルベールへのバス旅
ペルピニャンで1泊して国境越えの作戦会議。
ここからですと、セルベールという街まで移動して、そこから徒歩でスペイン側の国境の街ポートボウへ抜けるルートがある様です。
ペルピニャンからセルベールへはバスが出ているので、朝一の便でセルベールへ向かいます。
乗客の少ないバスの道中は左手に青く輝く地中海を眺めながら、樹木の少ない山道をクネクネと進んで行く。
ちなみにフランスースペインの国境は巨大なピレネー山脈が鎮座していて、これを越えないとお互いの国に入れないです。自分が進むルートはそのピレネー山脈の東の端。地中海との間の低山地を抜けるルートです。ここからだと日帰りハイキング程度のレベルで山を越えられるという情報があったので行くことにしました。行ってダメだったらセルベールでゆっくりするのもよかろう!っと言った気持ちも持ちつつの国境越えです。
いよいよ峠の国境越え
セルベールは小さな街ですが、地中海の日差しが暖かい静かな街でした。
こういう観光慣れしてない、のんびりした街で過ごすのも良いかもしれない、と感じる良いところでしたね。
ここから峠頂上の国境までのルートは2つ。
- 道路に沿ってくねくね道を登るルート
- 国境付近までの真っ直ぐ直登ルート
登りが苦手な自分はさっさと終わらせたいと思い、直登ルートを選択。
Googleマップを頼りに道を探しましたが、なんということか草ぼうぼうの廃道と化していました。仕方ないので道路に沿って登っていきます。
道は街の終わりからどんどん登りになっており、ある程度登ると地中海とセルベールの街が一望できます。陽光に光る海と港町の景色に西洋画に出てきそうな美しさを感じ、晴天の日にここ来れたことを嬉しく思いました。
セルベールの風景ともお別れをして道を進みます。どうもここらへんの山はあまり樹木が生茂る様な植生ではないようなので、見通しの良い道が続きます。それと一緒に日陰がないので地味に暑い。水を用意しておいて良かった。
しばらく歩くと展望台の様な場所があります。ここから見渡す限りの地中海を一望。
「イヤー!!広いし青いですね!!地中海!!来てよかったーー!!!」
展望台には小屋があったので覗いてみるとワインを売っていました。試飲ができるということなので一杯いただくと甘い味のワイン。どうやらここセルベールで造っているワインなのだそうです。一本欲しいところですが、峠越えだし荷物が重たくなるので断念。
小屋のおじさんから国境越えのルートを聞くと、この展望台から道路を離れハイキングルートに入るそうな。距離的にはもう近い様です。
ハイキングルートの入り口に案内板発見。おじさんの言うとうりのルートが書いてありました。
ここから尾根伝いの横道に入るまでが斜度があってキツい。なぜ俺はこんな時に裸足サンダルの格好で来てしまったんだろう。そんな後悔をしながら歩いていくと横道に出てついに国境が見えてきました!
越えた先は情熱の国スペイン!!
ユーロ圏になってから国境では出入国の検査がなくなったので、国境には何があるんじゃろ?と思いながらフランスースペイン国境に辿り着きました。
峠頂上にはかつての出入国管理所が残存。無人の様だが取り壊されずに残ってるのをみると、何か利用目的でもあるのかな?ちなみにここの地名はColl dels Belitresだそうな。
国境でもある峠を越えて山の向こうへ出てみると、そこはもうスペインの大地が広がっていました。
峠を下り、ポートボウの街へ。
ポートボウもセルベールに似てゆったりとした時間が流れる静かな街。
街のパン屋でパンを買い。ポートボウ駅でバルセロナ行きの列車を待つことにした。
ストライキによって急きょ徒歩で国境を越えることになりましたが、ストライキのおかげで素晴らしい景色に出会えました。
もし、フランスースペインを歩いて越境したい方がいましたら是非ご参考にしてください。
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鈴木勝彦
- 猫と歴史好きのフリーカメラマン。自転車で日本を旅した後、18年勤めた広告制作会社を辞めて海外を旅する。歴史・文化・祭事など探求していきます。