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【スペイン】バレンシアに来たらやってみたいローカルっぽいこと
<©TVCB,Valencia.Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com>
スペインでは7月1日からEU域外の外国人観光客の受け入れを再開し、日本からの入国もできるようになります。観光はスペインの主要産業のひとつなので、新型コロナウイルスの感染防止につとめつつ、この数か月のロスを補っていかなければなりません。さて、今回は私の住むバレンシアにいらしたときに試していただきたい"ローカルっぽい"ことをご紹介したいと思います。
目次
- バレンシア風パエリアを鍋から直接スプーンで食べる
- 発祥地までパエリアを食べに行く
- オルチャータとファルトンでおやつにする
- バルでアルムエルソを食べてみる
- トゥリア公園でリラックスしてみる
- ローカルに混じって市場で買い物する
バレンシア風パエリアを鍋から直接スプーンで食べる
バレンシアといえばパエリアの発祥地。レストランに行くと何種類ものお米料理があります。日本の方は魚介系をお好みですが、もっともローカルなものはバレンシア風パエリアです。ウサギ肉、鶏肉、ガロフォン(バレンシア産の白いんげん豆)、平さやいんげんを使ったもので、バレンシアでパエリアと言えばこれのこと。レストランで注文すると、お皿に取り分けるかパエリア鍋を真ん中に置いて自分たちでサーブするかと聞かれることがあります。これはやっぱり後者を選びたいですね。バレンシアではもともとパエリアはお皿を使わず、直接パエリア鍋から各々がスプーンで食べていました。今でも家族や親しい仲間内ではこの食べ方をします。高級店では少々憚られますが、カジュアルなレストランやバルならこんなローカルな食べ方はいかがでしょう?
<バレンシア風パエリアの具材。これにカタツムリが入ることも>
発祥地までパエリアを食べに行く
バレンシア市中心部から車を20分ほど走らせると、アルブフェラ湖というスペインでもっとも大きな自然湖があります。まわりには稲作地帯があり、この辺りでパエリアが生まれたと言われています。湖畔にあるエル・パルマールは、小さな村にも関わらず、20数軒ものパエリアレストランがあることで知られています。基本的にパエリアは週末の家庭料理という位置付けですが、この村に食べに行くのもオプションのひとつ。バレンシア市内からは24番の市バスで行けますので、パエリアを食べに行くのはいかがでしょう? ただ、このバスは本数が少ないので、行き帰りとも時刻表を確認してくださいね。食後には、アルブフェラ湖のボートクルーズもオススメです。
<村中にパエリアレストランが軒を連ねるエル・パルマール>
<アルブフェラ湖は夕日スポットとしても有名 ©TVCB, Valencia. Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com>
オルチャータとファルトンでおやつにする
バレンシア発祥のものはほかにもあります。オルチャータという伝統的な飲み物です。チュファと呼ばれる植物の地下茎と水、砂糖でつくる冷たいオルチャータは夏の風物詩で、バレンシア市内には屋台も出ます。また、オルチャテリーアと呼ばれる自家製オルチャータを提供するお店があるのも本場ならでは。これを飲むときに一緒に食べるのがファルトンと言う名前の細長く甘いパン。このファルトンをオルチャータに浸しながら食べるのがバレンシア流なのです。ぜひおやつにどうぞ。
<ファルトンはこの3~4倍の長さがあります>
<春から秋にかけてバレンシア中心部にはオルチャータの屋台が出る ©TVCB, Valencia. Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com>
バルでアルムエルソを食べてみる
スペインのランチタイムは午後2時頃と遅いにもかかわらず、朝食は軽めなのでお昼ご飯まではお腹が持ちません。ではどうしているかというと、10時半~11時頃に軽食をとる習慣があるのです。バレンシアではこれをアルムエルソと呼びます(他地方や他国では昼食の意味)。職場から外に出てアルムエルソを食べる人も多く、多くのバルがalmuerzo popular(アルムエルソ・ポプラール)というセットメニューを提供しています。飲み物とおつまみのオリーブの実やピーナッツ、それにスペイン版バゲットサンドのボカディージョ、最後にコーヒーがつくのが基本形です。食べ終わったら職場に戻る人でも飲み物にビールやワインを頼むのはスペインならでは。バレンシアにいらしたら、バルでアルムエルソをお楽しみくださいね。
<ここのボカディージョの具は、カウンターにずらりと並ぶ中から3つまで選ぶことができます>
トゥリア公園でリラックスしてみる
バレンシア市内には20世紀半ばまでトゥリア川が流れていました。この川はたびたび氾濫をおこしたため町はずれに運河を作って水はそちらに流し、川床は全長およそ10㎞の公園に生まれ変わりました。ここは市民の憩いの場所。サッカー練習場やイベントスペースもあれば、ジョギングやサイクリング、散歩をする人、子どもを遊ばせる人、芝生に横になってくつろぐ人、それぞれが自分の好きなようにこの公園を楽しんでいます。ローカルに混じって、ぜひここでリラックスした時間をお過ごしくださいね。レンタサイクルのサービスもありますよ。なお、観光スポットの芸術科学都市は、公園の海側に位置します。
<緑にあふれたトゥリア公園は市民の憩いの場©TVCB, Valencia. Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com>
<トゥリア公園の海側には芸術科学都市があります ©TVCB, Valencia. Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com>
ローカルに混じって市場で買い物する
最後におススメするのは市場。バレンシアの旧市街に位置し、欧州で有数の規模を誇る中央市場をはじめ、市内にはいくつかの市場があります。色とりどりの野菜や果物、上からぶらさがった豚の足(生ハム)など、見ているだけで飽きません。せっかくなので市場で何か買ってみませんか? 観光客も多い中央市場にはお土産を扱うお店も入っています。野菜や果物、生ハム、チーズ、腸詰類など、量り売りのものは少量でも買うことができるので、市場で食べ物を調達してトゥリア公園に持って行って食べるのもいいですね。
<バレンシアモデルニスム様式の建物が美しい中央市場 ©TVCB, Valencia. Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com >
<旬の果物を買って食べてみるのもいいですね ©TVCB, Valencia. Todos los derechos reservados. www.visitvalencia.com >
どれかやってみたい♬と感じたことはありますか? それでは、バレンシアへのお越しをお待ちしています。
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田川敬子(Keiko Tagawa)
- 1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。