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タンザニアのコロナ状況 part.2(2020年6月30日現在)
コロナウィルスが確認された3月半ばから3ヶ月経ちました。今現在のタンザニアはどんな状況なのか、お伝えしたいと思います。
目次
タンザニアの現在の状況は?
タンザニアで最初にコロナ患者が確認されたのは、3月16日(月)です。それ以来5月7日(アメリカ大使館によると、4月29日)までは、感染者情報が政府から発表されていました。最後の報告では感染者509名・死亡者21名でしたが、その後は今現在まで報告されていません。
4月に入ってからは国際旅客便が全て停止され、5月初めには日本大使館が尽力してくださった帰国チャーター便が手配されました。5月18日より空港閉鎖が解除されましたが、運行している航空会社は少ないです。少しずつ観光客が戻ってきていますが、安全性が確証されていないので以前のように戻るには時間がかかりそうです。
<マスクをする人は減っています>
5月7日(4月29日)から報告がないことを受け、アメリカ大使館が5月13日にタンザニア在住のアメリカ人に向けて警告を発しました。感染者の報告はないもののダルエスサラーム市内の病院は患者で溢れ、機能しなくなって来ている。なるべく家から出ず、人との接触を最小限にするように...という内容です。
これがニュースになった次の週に、タンザニアの大統領がコロナ克服宣言を出しました。そして週末の日曜日には、各宗教指導者は集まって感謝の祈祷をするよう要請されました。ちょうどその日はイスラム教の断食明けパーティーと重なり、人々が集まって神に感謝するというイベントとなったようです。
人々の反応は?
大統領の克服宣言があるまでは、人々は何が起こっているのかよく分からず、緊張した状態でした。マスクが義務化されたり、感染者の数の発表が増えたりという情報から、外に出ないようにする人も多くいました。
<人通りがない道>
ところが大統領の宣言から2週間経って、徐々に人々の感覚が緩んでいくのが見て取れました。外出する人が増え、マスクをしている人を見かけることもまれになって来ました。ソーシャルディスタンスは0に近くなっていました。
6月30日現在では9割の人がマスクをしていない状況で、何もなかったかのようになっています。
<靴修理屋さん、通常営業中>
この気の緩みは、大統領の宣言と共に実際に亡くなる人を見ていない、という所から来ているようです。今では検査をすることすら無くなっているので、誰が風邪で誰が本当にコロナなのか、判断することができません。亡くなっていても、コロナが死因であると証明はできません。
また異議を唱える人がいない、というのも理由の1つのようです。当初は大統領の発言に対して異議を唱える人もいたのですが、その人たちは解雇または降格されてしまいました。それによって、社会は反対意見を言えない状態になっています。
<普通の生活を送る人々>
もちろんお医者さんたちは、さらに細心の注意を払うようになっているそうです。どこにコロナ患者が現れるか、しかもそれが本当にコロナなのか検査できない状況で、毎日神経を尖らせているようです。彼らの働きに、感謝せずにはいられません。
これから
まさに自分の身は自分で守らなければ、守ってくれるものは他にありません。どの情報が正しく、また間違っているのかを見極めなければならない。でもそんな状況を国民の大半が理解できていない、理解させてもらえていない。何とも歯痒い状態です。
情報がないと言うのは、こんなにも未来を読めなくするんだなぁと気づかされました。情報提供に尽力してくださっている大使館の方や、メディアの方々に改めて感謝したいと思います。
果たして本当にコロナウイルスを「克服」できる日が来るのか...。最後まで見届けていきたいと思います。
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Miyuki Meta
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