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ゴリデンヴェイゼルの家博物館とラフマニノフのロシア最後の家
ロシアが好きになって21年。ロシアに住んで3年。それまで、ゴリデンヴェイゼル先生のことは全く知りませんでした。おそらく、知らない人が多いと思います。
今日は、モスクワの目抜き通りであるトヴェルスカヤ通りにあり、地下鉄駅の目の前のゴリデンヴェイゼルの家博物館とその近くにあるラフマニノフのロシア最後の家を紹介します。
また、新型コロナウィルス後のモスクワの様子とトヴェルスカヤ通りで気を付けたほうがいいことも少しお知らせします。
目次
ゴリデンヴェイゼルとは?
ゴリデンヴェイゼルとは、ピアニストであり、作曲家、モスクワ音楽院の学長も務めたことがある人です。モスクワ音楽院には、ロシアピアニズムの流派が4つあります。ゲンリヒ・ネイガウス派、アレクサンドル・ゴリデンヴェイゼル派、コンスタンティン・イグムーノフ派、サムイル・フェインベルク派の4つの流派があり、そのうちの1つの流派がこのゴリデンヴェイゼル先生なのです。ゴリデンヴェイゼルは、作曲家のスクリャービンやラフマニノフと親しくしていました。また、作家のトルストイと親しくしていて、トルストイの最期を看取った人でもあります。
博物館の中
地下鉄駅から近く、建物はすぐに分かるのですが、入り口が分かりにくい上に、オートロックということで、訪れるのにややハードルが高い博物館です。
建物の裏側に入り口はあります。
看板も出ていて、警備員さんもいるため、博物館に来たことを伝えます。それで、敷地に入れますが、博物館の建物の入り口はオートロックです。博物館以外の部屋は、一般の人たちが生活しています。部屋番号の110と押せば、インターフォンにつながります。とりあえず、何か言えば、開けてくれます。何か困ったら、警備員さんに助けを求めましょう。
4階まで階段を登っていくと、博物館の部屋のドアは他の部屋と違うため、すぐに分かります。
書斎、ピアノの部屋、食堂、コンサートなどができる広間を見学することになります。
まず、ピアノの部屋ですが、グランドピアノが2台あり、壁面には、モスクワ音楽院の関係者や教え子などの写真があります。
ゴリゼンヴェイゼルは、トルストイと親しかったため、食堂の棚には、トルストイが使っていた杖などの展示があります。
<食堂>
<トルストイの杖など>
書斎ですが、ここでは、トルストイへの強い愛を感じます。
壁面にトルストイの肖像画などもあり、机上には、トルストイの銅像などがあります。
<書斎>
コンサートや講義などができる部屋もあります。
<コンサートなどができる広間>
ゴリデンヴェイゼルの家博物館
- 住所:Tverskaya St, 17, (room 110 (4F)),Moscow, 125009
- 電話番号:+7(495)605 6515
- 最寄り駅 トヴェルスカヤ駅(緑色の地下鉄)、プーシキンスカヤ駅(紫の地下鉄)、チェーホフスカヤ駅(灰色の地下鉄)
- 営業時間:火・水・土曜日 11:00-18:00、木・金曜日 12:00-21:00
- 休館日:日・月曜日
- 入館料:200ルーブル
- ホームページ:https://music-museum.ru/museums/goldenweiser
※グーグルマップでは、正しい場所が表示されません。アルメニア料理店の辺りに博物館はあります。
ヤンデックスの地図には、博物館が明記されているため、念のためにお知らせします。
https://yandex.ru/maps/-/CCQhYATxXB
ラフマニノフのゆかりの地
作曲家のラフマニノフは、ロシア革命の時に、アメリカへ亡命をしました。亡命をする前に住んでいた家が残っています。
この建物は現在、国のものとなっているため、博物館になっていなくて、中に入ることはできません。建物にラフマニノフが住んでいたというプレートはあります。
その建物を眺めるようにして、ラフマニノフの銅像も近くの遊歩道にあります。
ラフマニノフは亡命した作曲家ということで、ソビエト時代にラフマニノフの曲をコンサートで演奏すると、「亡命した作曲家の曲を演奏したのは良くなかった」と批評欄に書かれることもあったようです。そんなソビエト時代に思いを馳せながら、ラフマニノフの曲をロシアで聴くと感慨深いものがあります。
基本情報
ラフマニノフのロシア最後の家のプレート
住所:Strastnoy Bul'var, 5, Moscow, 101409
ラフマニノフの銅像
住所 Strastnoy Bul'var, Moscow, 127006
モスクワの目抜き通りのトヴェルスカヤ通りで気をつけること
一人で歩いているときに、1度だけでなく複数回同じようなことがあったために念のためにお知らせしたいことがあります。
トヴェルスカヤ通りは観光客もよく行きかう大通りです。そこを歩いていると、ロシア人から英語で話しかけられることがあります。ロシアは多民族国家なので、私のようにアジア系の顔をしていても、たいていのロシア人はロシア語で話しかけてくることが多いです。それにも関わらず、ホテルや空港、観光地でない場所で、観光客でない地元の人が英語で話しかけてきたときは要注意です。
私が遭遇したときは、「銀行はどこ?」から始まりました。銀行の場所を思い出し、真面目に答えたところ、「ドル札を持っているか?俺は、ルーブル札を持っているから、両替をしたい。」と言い出します。私は、ドル札を持っていないため、そこで話が終わりますが、ちらつかせるルーブル札を見る限り、少額紙幣を山ほど持っています。おそらくドル札を持っていて、ルーブル札に替えたい人がいたら、両替をする人だと思います。この両替、正規のレートでしてくれるのかも怪しいし、少額紙幣がたくさんということは、数を数えているうちにごまかすかもしれません。また、正しくルーブル紙幣を渡されたとしても、途中に偽札を紛れ込ませているかもしれません。
トヴェルスカヤ通りに限らず、路上で「銀行」「両替」「ドル札」などのことを英語で話しかけられたら、警戒して「必要ありません」としっかり拒否してください。
モスクワの新型コロナウィルスの最新情報
ロシアは、2月の時点で、中国との国境を閉めるのが早く、3月下旬には、すべての国との国境を閉めました。早め早めに対応してきたプーチン大統領でしたが、ロックダウン後も感染者は減ることなく、増えていきました。ロシアは、新型コロナウィルスと共存する道を選び、国境の開放は、当初より早くなると思います。8月1日からの航空券はおおむね通常価格にて販売中です。
まだ、外国からの観光客を受け入れていませんが、ロシア国内の旅行もできるようになってきています。シベリア鉄道は7月1日から運行再開予定です。旅行先では、1日1回検温する義務があるようで、万が一感染が確認された場合は、その場所で隔離となるようです。
モスクワは特に感染者が多かったため、最後まで外出制限が残っていました。その外出制限も6月9日から3週間にわたって段階的に解除となりました。旅行時に関係がありそうな部分だけ抜粋します。
6月9日から
- 地下鉄やバスに乗るときに必要だったデジタルパスの廃止、外出制限の廃止
- タクシーの制限廃止
- 墓地への訪問可
6月16日から
- 美術館、展示場、動物園へのEチケットによる訪問可(一度に訪問可能な人数の制限もあり、美術館などは、一方通行などの対応をとる場合もあります。)
- スポーツ観戦可(観客はスタジアムの10%未満)
- レストランやカフェは、夏用テラスでの営業再開
6月23日から
- バーニャ・サウナの再開
- レストラン、カフェ、食堂、ビュッフェ、バーなど再開
- モスクワ川のクルーズ再開
- 運動場、外の運動施設、サッカー場、子供用の遊び場、ベンチ、戸外や公園にある公共施設の利用制限廃止
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チェブラーシカ
- 高校3年生の時に好きになったロシア。音楽、文学、歴史、美術、バレエ、料理、ロシア人気質などに興味をもちました。でも、ロシア語を専門に学んだことはありません。ロシアが好きでいろいろ知るうちに、2016年12月にロシア人男性と結婚し、2017年4月からロシアに住むことになりました。普通のガイドブックには載っていない情報をお届けします。