カンボジア・プノンペン1日滞在で何をする?観光モデルプランをご紹介

カンボジア旅行といえばアンコールワット。

観光客の方々の中では、偉大な世界遺産のあるシェムリアップを訪れる方が圧倒的に多くなっています。

一方、2016年に成田・プノンペン間の直行便が就航したこともあり、首都プノンペンに立ち寄る方も増えている印象があります。

そんな中、「せっかくなら首都の様子も見てみたい!でも、世界遺産があるわけでもないし、一体どこを巡ったらよいの?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、プノンペンの魅力を1日で堪能するモデルプランをご紹介。

カンボジアの歴史・文化に触れつつ、美味しい料理に舌鼓を打つ1日をどうぞ。

目次

丘上の寺院でプノンペンの起源を知る:ワットプノン

朝一で最初に訪れたいのがワットプノン。

プノンペンという都市の起源となった場所であり、地名の由来となった寺院です。

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1372年に、敬虔な仏教徒であったペン夫人という女性によって建てられたのが始まりでした。

洪水で氾濫したメコン川を流されてきた4体の仏像を拾った夫人が、仏像を祀るために丘の上に寺院を作ったというのです。

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その後、カンボジアの都がプノンペンに移されてからも、街のシンボルとしてあり続けるワットプノン。

プノンペン("ペン夫人の丘"の意)という都市名も、後にこの寺院から派生してつけられたと言われています。

仏教行事の際にはもちろん、通常時でも多くのカンボジア人が参拝に訪れる本堂の中には、堂々とした黄金の本尊が鎮座。

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本堂裏手には、寺院創建者ペン夫人の像も祀られています。

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さらに、寺院の周りを取り囲む庭園には、歴代の王や重要人物を祀った数々の仏塔も。

プノンペンの歴史に思いを馳せながら緑の中を散策し、1日をスタートさせましょう。

ワットプノン

  • 入場料:$1

カンボジアの宮廷文化と仏教に触れる:王宮・シルバーパゴダ

ワットプノンの参拝が終わったら、トンレサップ川沿いを南に向かって2kmほど進み、王宮へ。

王宮は、現国王の住まいであり、執務や王室関連行事が行われる場所です。

荘厳な雰囲気は外からでも感じ取れますが、建物の細かい装飾などを堪能したい場合は入場料を払って敷地内に入りましょう。

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もっとも圧巻なのは、戴冠式や王室行事に使用されているという即位殿。

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東洋と西洋のセンスを折衷してデザインされた広々とした空間は、扉の外からのぞいて見学することができます。

王の執務室、宝庫、宴会場などが並び、高貴な雰囲気が漂う王宮敷地内をぐるりと巡ったら、南側に併設されているシルバーパゴダにも足を伸ばしてみましょう。

シルバーパゴダは王家の仏教行事が執り行われる寺院。

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その名の通り、本堂の床には5,000枚以上もの銀のタイルが敷き詰められています。

堂内でじっくり堪能したいのは、刀、銀器、古典舞踊の衣装として使われる黄金の冠、金銀に輝く無数の仏像といった国宝級の展示品の数々。

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本堂を出たら、外周の回廊に600m以上にもわたって描かれた古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ物語」のシーン、歴代の王を祀った仏塔、巨大な仏足石なども鑑賞したいものです。

王宮・シルバーパゴダ

  • 入場料:$10

熱気みなぎるローカル市場でお土産を物色:セントラルマーケット

続いては、プノンペンの一大ローカル市場であるセントラルマーケットへ向かいましょう。

フランス植民地時代の1937年に建てられた建物は黄色を基調とし、アールデコ様式を取り入れたドーム型のデザインが特徴的。

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東南アジア特有の活気に満ちた市場の中には、Tシャツ、スカーフ、雑貨、日用品、散歩中につまめる飲食物まで何でも揃っています。

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観光客向けのお土産物屋で買うよりリーズナブルであるのも嬉しいところ。

友人・知人へのお土産物を見繕ってみては?

また、市場内を物色している間にランチタイムを迎えたら、ローカルフードを試してみてはいかがでしょう?

海鮮物の串焼きやカンボジア風混ぜそば、デザートなど盛りだくさん。

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お腹を壊すのが心配な方は火の通ったメニューを。

カンボジア風やきうどん「ローチャー」などがおすすめです。

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キンキンに冷えた、生搾りさとうきびジュースと一緒にいただくのもよいですね。

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セントラルマーケット

カンボジアの悲しい歴史と向き合う:トゥールスレン虐殺博物館

お腹を満たしたら、セントラルマーケットから車やトゥクトゥクで南へ3kmほど移動し、トゥールスレン虐殺博物館へ。

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カンボジアについて理解を深めようと思ったら避けて通れないのが、1970年から20年余り続いた内戦。

1975〜79年のポル・ポト政権時代には、原始共産主義の名の下で私有財産が禁止され、都市住民は農村に集められ強制労働に従事させられました。

政策実行を阻む可能性がある知識人・文明人とみなされた人々は一様に粛清され、人口の3分の1近くにおよぶ罪なき人々が命を落としたと言われています。

トゥールスレン虐殺博物館は、虐殺対象となった一般の人々が集められた収容所であり、現在は博物館として公開されています。

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ここで命を奪われた数多くの人々の写真が展示されているほか、人々が拘束されていた鎖やベッドなどが当時のまま残されており、今からそう遠くない昔に起こった凄惨な出来事が鋭く胸に突き刺さります。

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美しいアンコールワットがカンボジアのすべてではありません。

歴史の陰の部分にもぜひ目を向けてみたいものです。

トゥールスレン虐殺博物館

  • 入場料:大人 $8(オーディオガイドなし $5)、10〜18歳の子供 $6(オーディオガイドなし $3)、10歳未満の子供 無料
    ※子供の年齢確認にはパスポート提示のこと

マッサージで旅の疲れを癒してリラックス:スパ「Let's Relax Spa」

重い歴史と向き合った後は、心身のリフレッシュにマッサージはいかがでしょう?

市内にスパやマッサージ店はたくさんありますが、筆者のおすすめは「Let's Relax Spa(レッツリラックススパ)」。

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プノンペン市内に3店舗展開しており、サービス・技術ともに一推しのスパです。

タイ発祥のブランドですが、オイルを使わず全身をじっくりほぐすカンボジア式マッサージを受けることもできます。

患部を温め、皮膚からハーブエキスを浸透させるハーブボールを使ったオプションメニューなどもあり、旅の疲れをじっくりと癒してもらうことができるでしょう。

居心地抜群の待合スペースはカフェのよう。

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丁寧に足を洗ってもらった後、プライベートルームで施術が始まります。

さりげないヒーリングミュージックを耳にしながらリラックスモードへ。

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こちらのスパの一番のおすすめ理由は、技術レベルにムラがないこと。

予約・指名なしで入店しても、100時間以上の専門トレーニングを受けたセラピストたちが、一定水準の施術を提供してくれます。

マッサージ後にはお茶とお茶菓子のサービスまで。

天然ハーブを使用したスパオリジナルの石鹸やクリームなどをお土産に購入するのもよいですね。

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※写真はPreah Norodom Blvd店の店内

Let's Relax Spa

国内最大のショッピングモールで消費の今を感じる:イオンモール

マッサージでパワーチャージの後は、プノンペンの「今」を感じにショッピングモールへ。

日本でもおなじみのイオンモールは、プノンペンに2店舗(2020年1月時点)あり、国内最大規模の商業施設となっています。

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1号店は主要観光スポットからも近いトンレバサック地区に位置しており、食品・日用品・服飾品などが一通り揃うほか、レストラン、フードコーナー、ゲームセンター・映画館・ボーリング場といったエンターテインメント施設も充実。

レジャースポット感覚で訪れる若者や家族連れの姿も多くみられます。

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ローカル市場の探索もよいですが、ショッピングモールはカンボジア人中間層の消費トレンドを垣間見るのに最適なスポット。

GFと1Fには、カンボジア各地の名産品を集めた日系のお土産物屋「NyoNyum Shop」「Amazing Cambodia」もあり、贈り物探しにもぴったりの場所です。

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GFにあるスーパーマーケットの食品コーナーに行けば、お手頃価格のばらまき土産も見つかるでしょう。

連日賑わいを見せるイオンモールは、今やカンボジアの熱気を感じられる観光名所と言ってもよいかもしれません。

※写真は1号店の店内

イオンモール

1号店

絶品クメール料理で締めのディナー:レストラン「Kravanh」

プノンペン1日旅の締めくくりには、現地の料理でディナーを。

ランチに市場のローカルフードを試したなら、夜は本格クメール料理を味わってみるのはいかがでしょうか?

「Kravanh(クラバン)」は、カンボジアの宮廷のレシピを再現したメニューを楽しめるレストラン。

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辛すぎず日本人の口に合うメニューが多いクメール料理ですが、「Kravanh(クラバン)」のメニューは特にハズレなし。

現地で働く駐在員の方々が会食で使うことも多い、日本人にも大人気のお店です。

定番のアモック(白身魚のココナッツミルク煮)、ロックラック(カンボジア風サイコロステーキ)、クメールカレーなどが揃っているほか、他店ではなかなか食べられないメニューも。

筆者のおすすめは、グリーンパパイヤサラダ、カンボジア風豚の角煮、ナスとカンボジア風納豆の煮浸し。

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カンボジアのビールをお供にいただきましょう。

付け合わせのライスは別途オーダーでき、白米とブラウンライスの2種類から選べます。

日替わりデザートのサービスもついてお得感もたっぷり。

プノンペン市内に2店舗あるため、宿泊先に近い店舗を選ぶとよいでしょう。

※混雑が予想されるため、事前予約をおすすめします。

Kravanh

Sothearos Blvd店

・Toul Tom Poung店

おわりに

アンコールワットのような派手な観光名所はないものの、カンボジアの歴史と今を肌で感じられるスポットが満載のプノンペン。

1日滞在できれば、のどかなシェムリアップとは一味違ったカンボジアの魅力を発見できることでしょう。

シェムリアップでの遺跡観光の前後に、ぜひプノンペンにもお立ち寄りください。 

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HARU

カンボジア・プノンペン在住のフリーランスライター。カンボジアの観光、アート、カルチャー関連の記事を各種メディアに寄稿中。取材・インタビューを交えながら、現地在住者ならではの視点で旅行に役立つ情報を発信していきます!

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