歩くだけで楽しい!南スペイン・イスラムの残り香り漂うグラナダの町

グラナダのアルハンブラ宮殿は、バルセロナのサグラダ・ファミリアと並ぶスペインきっての観光地。人気のあまりチケット入手ができないこともあり、せっかく行ったのにアルハンブラ宮殿に入れなかったという話も聞きますが、グラナダは散策するだけでもわくわくする町です。書いているうちに長くなったので、今回と次回の2回に分け、最近の実体験をもとにした町歩きの魅力をご紹介します。

目次

バスターミナルから町の中心へは33番のバスで

先日久しぶりにグラナダに行く機会がありました。1時間ほど離れた町からバスで向かう日帰りでの訪問でした。今年6月末にスペイン版新幹線AVEがマドリード・グラナダ間の運行を開始し、約3時間20分で行けるようになりずいぶんと便利になりました。ただ、本数が少ないので、バスを利用される方も多いかと思います。

ネットで検索すると、グラナダのバスターミナルから中心地までは、市バスを乗り継がないといけないという情報が多々ヒットしました。が、2019年11月現在、バスターミナルを出て真ん前にあるバス停から33番の市バスに乗ると、15分ほどでグラン・ビア通りにある大聖堂横のバス停まで直通で行くことができます。運賃は1.40ユーロ。乗車時に運転手さんに支払います。

イスラム時代の名残を感じるエキゾチックな町

急に決めた日帰りのグラナダ訪問だったので、ひとりで好きなだけ町歩きを楽しむことが今回の目的でした。グラナダは711年から1492年の長きに渡りイスラム教徒が治めたので、今でもエキゾチックな雰囲気が漂う大好きな町なのです。

市内中心部でバスをおりて、まず向かったのがアルカイセリア。イスラム時代の市場だったここは、今はお土産屋さん街に変わりましたが、細い小道とガチャガチャした感じが中近東のバザールを彷彿させます。モロッコの伝統的な履物バブーシュやアラブグッズも売られているのはグラナダならでは。アルカイセリアを抜けるとパッと視界が開け、バルやカフェのテラス席が並ぶビブランブラ広場があります。

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<中近東のバザールのようなアルカイセリア>

そこから両脇に商店が並ぶサカティン通りを抜け、バスをおりたグラン・ビア通りを渡り、ヌエバ広場に向かいました。広場の手前で左に曲がりエルビラ通りに入ってすぐの老舗のバルCastañedaでビール休憩。グラナダのたいていのバルでは、飲み物を頼むと無料タパスがついてきます。飲むのがお好きな方へのグラナダの楽しみ方のひとつが、バルのはしごです。今回は寒い季節にぴったりのひよこ豆やムール貝の煮込みでした。美味!

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<グラナダのたいていのバルでは飲み物1杯ごとに無料タパスがつく>

世界遺産のアルバイシンの丘散策

そのまま進み3つめの角を右に曲がると、カルデリア・ヌエバ通りがあります。この細い坂道の両脇には、アラブグッズやアラビアンスイーツを売るお店、ミントのきいたモロッコティーや水タバコを楽しめるアラブ茶屋などがひしめきあい、エキゾチック指数100%!ここでミントティー休憩をしたかったのですが、ビールを飲んだばかりなので諦め、迷路のようなアルバイシン地区の細道を登りサン・ニコラス展望台を目指します。

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<カルデリア・ヌエバ通りもまたアラビアンな香りがする一画>

アルハンブラ宮殿に向き合うようなアルバイシン地区には、今からおよそ1000年前に築かれたグラナダでもっとも古い町並みが残っており、アルハンブラ宮殿、ヘネラリフェとともに世界遺産に登録されています。

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<迷路のような細道は、敵の侵入をふせぐためだったという>

サン・ニコラス展望台から眺めるシエラ・ネバタ山脈を背に立つアルハンブラ宮殿の全景は、絶景以外の何物でもありません。

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<ここから見る夜間ライトアップされたアルハンブラ宮殿もオススメ>

展望台への往復は小型の市バスも使えますが、アルバイシンを歩かないのはもったいない!というのが私の持論。絶景を眺めた後はすぐに丘を降りずに、アルバイシンの雰囲気を満喫すべくラルガ広場方向へ足を延ばしました。途中にトンネル(昔の門ですが)があるのもわくわくするんですよね。最近は観光化されたとはいえ、この辺りにはまだアルバイシンに住む人の生活臭も感じられます。台所の窓から包丁のトントンという音と何かを焼く匂いがした時は、思わず「なに作っているの?」と声をかけたくなりました。

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<ここをくぐり抜けるとラルガ広場がある>

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<ラルガ広場から一本入った道で見つけた、花で飾られたバルコニー>

ふたつの丘の間の谷間にも川沿いのステキな通りが

サルバドール教会の横からくねくねと丘をおり、ダーロ川沿いの道へ出ます。アルハンブラのある丘とアルバイシンの丘に挟まれた谷にあたります。通り沿いには古い建物が並び、飲食店やお店も多くにぎやかです。川沿いには木が生い茂り、今まで通ってきたアルバイシン地区とは違う空気が流れています。

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<アルハンブラ宮殿に向かってアルバイシンの丘をおりると、ダーロ川につきあたる>

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<ダーロ川沿いの道もぜひ歩きたいスポット>

ここ右に進むと突き当たるのがヌエバ広場。ふりだし近くに戻ってきたことになります。

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<ヌエバ広場周辺はバルやレストランが多く、夜もにぎやか>

最後に

ここから先のお話は、また次回。7年ぶりに訪れたグラナダは、前にもまして観光客が増え、観光客向けのお店も増えていることにビックリ。それでも、行くたびにますます好きになる町でした。

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田川敬子(Keiko Tagawa)

1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。

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