カンボジアは安全な国?女子旅は危険?在住者が教える治安情報と安全対策

「カンボジアの治安ってどうなの?」

はじめてカンボジアに旅行しようと思っている方が特に気になる点ではないでしょうか。在住5年目になる筆者も、カンボジアに移住する際には周囲の方達からよく聞かれたものです。

実際に現地に暮らしてみて分かったことは、トラブルはゼロではないものの、必要以上に怖がることはないということ。事前に安全情報をしっかり頭に入れておけば、女性一人でも問題なく旅行できる国だといえるでしょう。

安心してカンボジア旅行を楽しんでいただくために、筆者の実体験を踏まえつつ、現地の治安情報と安全対策をお届けします。

目次

カンボジアの治安情勢

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カンボジアといえば、1990年代初頭まで続いた内戦の影響により、未だに「地雷が埋まっているのでは?」「何かと物騒な国なのでは?」といったイメージを持っていらっしゃる方もおられるかもしれません。

2019年時点の現状をいえば、戦後の地道な復興活動のお陰で、観光地や街中で地雷を踏んでしまうことはまずありません。

政治的にも比較的安定しており、一触即発の緊張感が漂う状況はみられません。

凶器を使った重犯罪は皆無ではありませんが、安全に配慮して行動していれば、頻繁に遭遇するものではないでしょう。

ただ、外務省の「海外安全ホームページ」では危険レベル1に指定されており(2019年11月時点)、ひったくりやスリなどの軽犯罪には十分注意が必要という状況となっています。

以降では、観光客の方が訪れることが多いプノンペン・シェムリアップの状況を想定し、旅行時に注意したいポイントと対策をお伝えしたいと思います。

これだけは気をつけたい!ありがちな6つのトラブル

スリ、ひったくり

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歩行中やトゥクトゥク乗車中にハンドバッグを引っ張られたり、手に持っているスマートフォンや財布などを取られたりすることは日常茶飯事と思っておいたほうがよいでしょう。

筆者は、バイクに乗ったひったくり犯に鞄を引っ張られ、車道に引きずり出されたことがあります。荷物はもちろん、自分の身を守るための心がけが常に必要です。

置き引き

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レストランで会話に夢中になっていたら、机の上に置いてあったスマートフォンが取られてしまったという話を聞くことがあります。

繁華街のテラス席で食事をする場合などには、無防備に貴重品を机の上に出さないようにしましょう。席を立つ時はもちろん、着席時にも身の回りのものから目を離さないようにしましょう。

空き巣

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一定グレード以上のホテルについてはあまり聞きませんが、ホテル従業員が客室から貴重品を盗んでしまうケースは稀にあります。

ホテル選びは現地在住者の口コミを参考にするなどして慎重に行い、外出時には貴重品を室内に放置することはやめましょう。

いかさま賭博詐欺

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別名トランプ詐欺とも呼ばれるように、犯人は流暢な日本語を使って言葉巧みにカードゲームに誘ってきます。誘いに乗ってしまうと、最終的に負けることが仕組まれたゲームに参戦させられ、負けた時点で金品を強奪されてしまいます。暴行を加えられるケースもあるため、妙な誘いには絶対に応じてはいけません。

ドラッグ

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観光客が集まる場所では、耳元で「マリファナ吸う?」などと囁いてくる売人の姿がよくみられます。カンボジアではドラッグ所持、購入、使用、運搬などは、数年から数十年の禁固刑や罰金の対象となります。最悪の場合、カンボジアで終身刑となるケースも。ほんの少しの気の緩みで人生を棒に振ってしまわないように、心しておきましょう。

交通事故

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無免許運転、スピード違反、飲酒運転が横行しているカンボジア。さらに、信号機がない場所や、あっても機能していない場所が少なくありません。交通ルールなど存在しないに等しい状況です。

飲酒した友人の車・バイクには乗らない、ヘルメットなしでバイクタクシーに乗らないなど、便利さよりも自分の身を守ることを優先しましょう。

筆者も体験。トラブルに巻き込まれやすい注意したい場所とは? 

車の速度が出づらい細い道

バイクに乗った2人組がグルになり、バイクの上から手を伸ばしてものを奪うひったくりが多発しています。よって、街歩きをする場合には、車のスピードが出やすい大通りよりも、スピードが出づらい道の方が危険です。

特に、獲物を探すように角地で待機していたり、同じ道を不自然に何度も行き来していたりするバイクを見かけたら、要注意です。

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人が集まるところ

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市場やバスターミナル、夜の繁華街などの人が密集する場は、スリを実行するのに格好の場所です。

人混みではリュックサックは前に持つようにし、貴重品は無防備に露出しないようにしましょう。

ショッピングモール内

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意外に思われるかもしれませんが、前述のいかさま賭博詐欺は、ショッピングモール内で多発しています。

特に日系のモールは要注意。ピンポイントで日本人を狙い、流暢な日本語で話しかけてくる詐欺犯には用心しましょう。

注意したい時期は?

大型連休の前後

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カンボジアには、クメール正月(4月中旬)、"プチュンバン"と呼ばれるお盆(9月下旬〜10月)、水祭り(11月)といった大型連休があります。

田舎への帰省費が必要になる連休前後には、スリやひったくりを働いて金目のものを入手しようとする人が増える傾向にあります。

旅行期間が大型連休前後に被っていないかを事前にチェックし、該当時期に旅行することになった場合には、特に注意した方がよいでしょう。

政情不安時

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カンボジアに限った話ではありませんが、選挙の前後などにはデモや暴動に巻き込まれるリスクが高くなります。

外務省から発表される安全情報を随時チェックし、政情不安時の渡航は極力避けましょう。万が一、現地滞在中に暴動が起こった場合には、不必要に人混みや危険な場所に近づかないようにしましょう。

カンボジア旅行時の安全対策8点

外出時はできるだけ物を持たない

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必要最低限のお金や携帯電話などは、ズボンやスカートのサイドポケットに入れ、極力手ぶらで歩くのがよいでしょう。

カンボジアのひったくり犯は、ボトムスのサイドポケットの中にまで手を突っ込んでくることは稀です。ただし、後ろのポケットに貴重品を入れるのは「取ってください」と言っているようなもの。確実に狙われますので、やめましょう。

鞄を持つ場合は、リュックか斜めがけバッグ推奨。ショルダーバッグはNG

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できる限り手ぶらがよいといっても、どうしても鞄に荷物を入れて歩かなければいけないシーンはありますよね。

その場合、ひったくられやすいショルダーバッグは避け、リュックサックか斜めがけバッグを使うようにしましょう。リュックサックは、人が密集するところでは前に抱えるようにし、斜めがけバッグは必ず車道と反対側に持って歩くようにしましょう。

歩行時にスマートフォンは極力出さない

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地図で目的地を確認しながら歩いている途中や写真撮影中に、脇からスマートフォンをひったくられることがよくあります。

路上でスマートフォンを使う際には、背後やサイドに人が侵入できないような場所に身を移してからにするなど、安全に配慮しながら使用しましょう。

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ひったくりの標的になりやすい金目のもの。特に、引っ張れば簡単に取れそうな大きなネックレスやペンダントは狙われます。バイクやトゥクトゥク乗車中にネックレスを引っ張られる被害に遭ったという声は、カンボジア人女性からも聞きます。

大事な装飾品はできるだけ身につけずに歩くことをおすすめします。

トゥクトゥク乗車時には荷物を抱えて持つ

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歩行時と同じくらいひったくり被害に遭いやすいのがトゥクトゥク乗車時。料金支払いなどのために停車したタイミングや、減速したタイミングで、横から手が伸びてくる場合があります。

鞄は膝の上に抱えるようにして持ち、財布やスマートフォンを取り出す時には周囲を警戒しましょう。乗車中のスマートフォン使用や写真撮影は極力やめましょう。

強盗犯には抵抗しない

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万が一強引にものを取られそうになっても、決して抵抗してはいけません。過去には、日本人観光客がハンドバッグを取られて抵抗したところ、銃で打たれるという事件もありました。

命より大切な貴重品はありません。とっさに抵抗してしまいそうになってもグっとこらえ、命を守ることを最優先にしたいものです。

流暢な日本語で話しかけられても、安易についていかない

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フレンドリーな笑顔で近づき流暢な日本語で声をかけるのは、いかさま賭博詐欺の常套手段(じょうとうしゅだん)です。旅先で聞きなれた日本語を耳にすると、つい気を許してしまいそうになるかもしれませんが、見知らぬ人の誘いに安易に乗ることは絶対にやめましょう。

よくある誘い文句は、

「いい靴を履いているね。どこで買ったの?」

「僕の娘が日本語を勉強しているんだ。うちにお茶しにきて娘と日本語でおしゃべりしていかないか?」

など。

身元の分からない人にはついていかない。それさえ守っていれば、大きなトラブルに巻き込まれることはまずないでしょう。

夜間は1人で歩かない

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人気のない夜道を1人で歩くことは、女性に限らず男性でも安全ではありません。ひったくりのターゲットにされると、尾行される可能性もあります。

夜間外出する際には、トゥクトゥクやタクシーを利用し、乗り降りの際には周囲の安全を十分に確認して行動するようにしましょう。

おわりに

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以上、筆者の実体験や在住者の声を踏まえ、カンボジアの治安情報と安全対策をお伝えしました。

中には不安になるような内容もあったかもしれませんが、注意していれば防げることがほとんど。

予備知識を頭に入れて行動すれば、カンボジアは極端に治安が悪い国とはいえないでしょう。

油断禁物なのは、どこの国でも同じ。

最新の治安情報をチェックし、しっかり対策をした上で、安心してカンボジア旅行をお楽しみください!

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HARU

カンボジア・プノンペン在住のフリーランスライター。カンボジアの観光、アート、カルチャー関連の記事を各種メディアに寄稿中。取材・インタビューを交えながら、現地在住者ならではの視点で旅行に役立つ情報を発信していきます!

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