近郊電車の国鉄に乗ってロシアの作家村にあるパステルナークの博物館へ出かけてみよう。

今回は、せっかくロシアへ来たのだから、電車に乗って郊外へ出かけてみたいとか、大都会の喧騒を離れて、緑豊かな所へ行きたいなどと思っている人におすすめの場所を紹介します。

モスクワ郊外に別名作家村と言われるくらい作家のダーチャ(別荘)が立ち並ぶ地域があります。それが、モスクワ市西部のペレジェルキノです。

ソビエト時代には、詩人・小説家のパステルナーク、児童文学作家のチュコフスキー、詩人のオクジャワなどの作家の別荘地帯となっていました。今でも、木々が生い茂った別荘地帯となっており、土日に出かけるとダーチャでくつろぐロシア人たちにたくさん出会います。作家たちは、この木々が生い茂ったところを散歩して作品を生み出しました。

今回は、そのうちのパステルナークの別荘を紹介します。この別荘は現在、博物館になっています。パステルナークは、1936年から、亡くなった年の1960年までここに住んでいました。

目次

どうやって行くの?

モスクワのキエフ駅から国鉄に20分ほど乗って、ペレジェルキノ駅で下車します。

まず、キエフ駅で国鉄の切符を買います。

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国鉄の切符は、こんな感じのレシートみたいなものです。ここにあるQRコードを乗車駅と下車駅の改札でかざすため無くさないようにしっかり持っておきましょう。

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切符は券売機でも買えます。この券売機は切符を買うと、最後の画面に乗るべき電車の時刻とホーム番号が出てくる優れものです。ロシア語表記が心配な人は、英語表記にも切り替わります。

乗るべき電車の時刻とホームが画面に出てくるなんて素敵!と思って切符を買った日もありましたが、運が悪いと、お金を入れたのに切符が出てこないとか、おつりが出てこないとか、正しく目的地まで切符を買ったはずなのに、切符に印字された下車駅が違うからと運賃は同じでも改札を通してくれないとかというトラブルにあう場合も時々あります。私はこのトラブルをすべて経験しました。

こういうトラブルに対処するのにかなり時間と体力と言語力がいるので、心配な人は、窓口で切符を買うといいです。目的地を紙に書いて見せれば、ロシア語ができなくても伝わります。

切符を購入したら、列車のホームを探して乗車します。ロシアの鉄道は、定刻通りに発車します。

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ペレジェルキノ駅の改札は1か所しかないため先頭車両に乗車すると改札口に近くて便利です。ちなみに、普通列車ですが、先頭車両と最終車両にトイレがついています。トイレの清掃員も乗車していましたが、きれいかどうかはその時で変わってくると思います。

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モスクワの都会のビルやアパートなどを見ながらゆったり20分乗車します。段々建物が減り、木が増えてきたら、ペレジェルキノです。

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改札はこんな感じです。

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ペレジェルキノ駅下車後、博物館へ徒歩で行く場合は、片道20~30分位歩きます。時間がない場合や天候が悪い時は、ヤンデックスタクシーのアプリをスマートフォンに入れて、タクシーを呼んでしまうのもありです。天気が良ければ、ちょうどいい散歩になります。

パステルナークの墓地にも寄ってみよう!

歩いていると、教会が見えてきます。

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ここの教会のトイレはきれいに掃除されているので、使わせてもらうといいです。ペレジェルキノ駅や、駅前にあるスーパーにはトイレはないため、このあたりでトイレがあるのは、この教会だけです。トイレのことをなぜ細かく書いているかと言うと、ロシアのトイレ事情は日本と比べるとまだまだです。どこでもきれいで無料のトイレがあるとは限りません。トイレ情報も事前に知っていると、安心して観光を楽しめます。

そして、この教会の墓地にパステルナークのお墓があるので、博物館に行く前後で立ち寄れるといいです。

お墓の案内図みたいなものがない墓地なので、墓地の管理人さんがいれば、どこにお墓があるのかを訊いた方がいいです。

教会側の入り口から入って、右側へ歩いて行き、どんどん奥に行くとありますが、この説明だけではたどりつけないと思います。私が行ったときは、管理人さんがいなくて、自力で探しました。一緒に行った人が、GPS機能をスマホにつけていたため、私たちがさまよっている現在地が分かり、それで、お墓を見つけることができました。ほぼ正しい位置のピンポイント情報で、グーグルマップにパステルナークのお墓が載っています。

ロシアの場合は、同じ風景でも夏と冬で大きく変わります。特にお墓の場合は、雪で埋もれているため、できれば、雪がない時期の方がしっかりと見ることできます。比較のために、6月と2月に撮影した写真を載せます。

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墓地

  • 住所:Zelenyy Tupik, 14, Moskva, 119619
  • 営業時間:9~19時

教会の横を過ぎ、車がよく通る道をひたすら歩くと、左右に分かれる道が出てきます。右に行けば、パステルナークの博物館です。

パステルナークの博物館

「ドクトル・ジバコ」を書いたパステルナークの博物館がペレジェルキノにあります。

門を入ってから建物にたどり着くまで少し遠いです。スターリンから与えられた別荘地は非常に大きく、門から家までは畑もあります。作家村の他の別荘地を何軒か見ましたが、その中でもパステルナークの別荘地は特に広いと感じました。

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子供たちの見学などと重なった場合は、外で少し待つことになる場合があります。夏は、庭の花や木などを見て、日光浴をして待てますが、冬の寒さが厳しい時期に待つのは、少し大変です。暖かい服装で出かけて、どうしても外で待つのがきつい時は、建物の中に入って待たせてもらいましょう。

入り口で切符を買うと、どの言語が分かるかを訊かれるので、希望の言語の案内ファイルを受け取ります。ロシア語、英語、ドイツ語、フランス語はありましたが、日本語はありませんでした。

案内ファイルを読みながら各自での見学になります。団体の見学者がいる場合は、順序通りの見学にならず、空いている部屋からの見学になる場合もあります。

博物館の中はどうなっているかな?

では、博物館内を見てみましょう。博物館に入ってすぐの部屋は食堂になります。

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パステルナークが亡くなった部屋があります。肺がんで亡くなり、晩年は階段をのぼることもできなくなったので、1階の部屋で過ごしたようです。

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パステルナークの母親はピアニストであり、パステルナークは音楽家を目指した時期があり、モスクワ音楽院でスクリャービンに師事していました。また、ラフマニノフとも交流があり、ピアノの部屋にはラフマニノフの大きな肖像画も展示されています。

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2階にはシンプルな机が置いてあるだけの書斎などがあります。

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ここには、私が撮った写真を載せていますが、下記に記したパステルナークの博物館のホームページを見ると、バーチャルツアーがあり、ホームページ上で、博物館内の様子を見ることができます。

パステルナーク博物館

国鉄の時刻表はこちらで調べることができます。

ロシア」に興味わいてきた?あなたにおすすめの『ロシア』旅行はこちら

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チェブラーシカ

高校3年生の時に好きになったロシア。音楽、文学、歴史、美術、バレエ、料理、ロシア人気質などに興味をもちました。でも、ロシア語を専門に学んだことはありません。ロシアが好きでいろいろ知るうちに、2016年12月にロシア人男性と結婚し、2017年4月からロシアに住むことになりました。普通のガイドブックには載っていない情報をお届けします。

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