フランス、三つのノートルダム大聖堂を照らす光と音のショー

カトリックでは、司教のいる教会のことを、大聖堂(カテドラル)と呼びます。フランス国内の大聖堂は100以上を数え、いくつかにはノートルダムという名前が付けられています。つまり、ノートルダム大聖堂はパリだけでなく、国内に複数存在するものなのです。

今日紹介するのは、フランスの代表的なノートルダム大聖堂3か所で秋まで見ることのできる光と音のショーです。いずれも嬉しいことに見学は無料!です。

目次

ランス大聖堂のレガリア

シャンパーニュ地方の町ランスにあるノートルダム大聖堂は、フランス史の中で特別な位置を占めるカテドラルです。というのは、歴代のフランス国王の多くは、この大聖堂で戴冠式を行ってきたからです。

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<微笑みの天使像 ©KanmuriYuki>

ランス大聖堂で特に有名なのは、ファサード左手に立つ「微笑みの天使」像と、マルク・シャガールのデッサンによる青を基調としたステンドグラスでしょう。
1862年にはフランスの歴史建造物指定を受け、1991年にはUNESCOの世界遺産に登録されています。

このランスの大聖堂をスクリーンとする光と音のショーは、大聖堂の着工800周年を記念する2011年に始まったものです。モーメント・ファクトリー(Moment Factory)社によるショーのタイトルはレガリア(Regalia)。フランス国王の戴冠をテーマにした15分間の作品です。

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<Regalia © Moment Factory>

詳細情報

7月以降の上映時間は次の通りです。鑑賞は無料。

  • 7月:月曜以外の毎晩22時半~と23時15分~
  • 8月1日~15日:月曜以外の毎晩22時15分~と23時~
  • 8月16日~9月1日:月曜以外の毎晩22時~と22時45分~
  • 9月5日~22日:木曜~日曜の21時15分~と22時~


ランス大聖堂

アミアン大聖堂のクロマ

パリの北方の町アミアンにある大聖堂は、数あるゴシック式聖堂の中でも、ひときわ高い建物です。内部のヴォールトは42.3メートルもあり、フランスで最も内部空間が大きな聖堂とされています。その反面、ファサードの細やかな彫刻は美しく、繊細な印象を受けます。来年2020年には着工から800年を迎えるアミアンの大聖堂。国の歴史建造物指定を受けたのは、ランスの大聖堂と同じ1862年のことでした。けれども、UNESCOの世界遺産には、ランスより一足早く1981年に登録されています。

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<© L. Rousselin - Amiens Métropole>

もともとは彩色されていたこの大聖堂の在りし日の様子を光で蘇らせようとしたのが、アミアン大聖堂のライトショーの始まりです。2017年からは、クロマ(Chroma)と題するスペクトル・ラブ(Spectre Lab)社による光のショーが夏の間上映され、過去2年で、すでに60万人の観客を惹きよせました。このショーは50分続く長いもので、見ごたえ充分です。

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<© L. Rousselin - Amiens Métropole>

詳細情報

上演の日時は下の通り。鑑賞は無料です。

  • 期間:6月15日~9月22日
  • 時間:7月は22時半~、8月は22時~、9月は21時45分~

アミアン大聖堂

光に包まれるシャルトルの町

パリの南西に位置するシャルトル大聖堂は、12世紀に着工され1220年に完成した建築で、彫刻、ステンドグラス、床石などが、最も当初の状態を保っている聖堂として知られます。1862年に国の歴史建造物に指定されたほか、UNESCOの世界遺産にも1979年と早い時期にすでに登録されています。

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<シャルトルのノートルダム大聖堂 © Ville de Chartres>

シャルトルの光のイベントは、ある意味、上述のランスやアミアンの規模を上回るものです。その理由は、二つあります。まず、期間が4月から10月の半年に及ぶものであるということ。また、光に照らされるのは大聖堂だけでなく、町全体であるということ。今年は町中の主だった建物24か所が光に包まれます。

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<Médiathèque L'Apostrophe を照らす光 ©Ludovic Ringeval © Spectaculaire, allumeurs d'images © Ville de Chartres>

2003年に始まったこのイベントは、年々規模を広げており、今では毎年100万人以上の観客を集めるようになりました。

大聖堂が世界遺産に登録されて40年になる今年2019年は、大聖堂では13分間の新作《シャルトル、昨日から明日へ》が映ぜられます。

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<シャルトル大聖堂 © Ville de Chartres Groupement Martino ©Spectaculaires, allumeurs d'images>

詳細情報

夏以降の上映時間は下の通り。こちらももちろん鑑賞無料です。

  • 期間:2019年4月27日~10月12日の毎晩、日没から朝の1時まで

シャルトル大聖堂

【開催地図】

この夏フランスを訪れる方、ぜひ短夜を彩る光のショーを堪能していってください!

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冠ゆき

山田流箏曲名取。1994年より海外在住。多様な文化に囲まれることで培った視点を生かして、フランスと世界のあれこれを日本に紹介中。

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