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三鷹の森ジブリ美術館の見どころ・展示内容・アクセス方法をご紹介!
<© Museo d'Arte Ghibli>
ジブリ作品の世界に浸ることができる、三鷹の森ジブリ美術館。宮崎駿監督のスケッチから創造されたこの施設には、好奇心や冒険心をくすぐる仕掛けがたくさん込められています。
子どもたちが思い切り羽を伸ばし、感性をくすぐるような美術館を目指したのだそうで、アニメーション作りの作業場を体感することもできます。
普段、館内は撮影禁止ですが、今回は特別に許可を頂きましたので、詳しく館内をご紹介します!2001年の開館以来、世界中からファンが集まり、常に話題を呼び続けるヒミツはどこにあるのでしょう。常設展から企画展、美術館にまつわるストーリー、必見の最新情報など、「三鷹の森ジブリ美術館」を徹底的に解説します!
目次
6. ジブリ美術館のショッピング情報:お土産を買うなら「マンマユート」
1. 三鷹の森ジブリ美術館とは?
宮崎駿(みやざき・はやお)監督を館主とし、2001年に開館してから進化を続けているこの美術館。ここは単なる「キャラクター展示館」ではありません。ジブリ作品を見て、聞いて、触ることによって、アニメーションの世界を体感できるように工夫されています。
館内の小道具などは職人が手がけた一点物も多く、細部の細部にまでこだわっています。全てが完璧に整っている事よりも、どこか不格好だからこそにじみ出る、人間味や面白みを大事にして作られているのだとか。
美術館は通常、見て回る順番があるのですが、ここでは決まった順路もありません。最優先にするのは子どもたちのワクワクや好奇心の解放。大人でも冒険心をくすぐられます。
館内は基本的にバリアフリー。屋上庭園以外の階には、エレベーターが設置されています。多目的トイレや、ちいさな映画館「土星座」にも車いすスペースがあるなど、誰でも楽しめる空間となるよう、細やかな配慮が行き届いています。
2. ジブリ美術館へのアクセス
2.1 徒歩でのアクセス方法
花や緑の香りかぎつつ、三鷹の街並みを感じながら歩くのもオススメです。
ジブリ美術館まではJR中央線三鷹駅南口から、「風の散歩道」を歩いて15分。玉川上水沿いをトコトコ歩いていると、案内看板がところどころにあります。
または、京王電鉄井の頭線・井の頭公園駅で降り、井の頭恩賜公園内をお散歩しながら向かうという方法も。少し遠くなりますが、気持ちのよい天気であればそれもまた楽しみの一つとなるでしょう。
2.2 バスでのアクセス方法
<©2001 Studio Ghibli>
三鷹駅南口からは、コミュニティバスを利用する方法もあります。所要時間は約5分。上記のように、スタジオジブリデザインのバスもありますよ!
3. ジブリ美術館の見どころ
ジブリ美術館の見どころをひとつひとつご紹介します。
3.1 トトロがいる受付
美術館に近づくと、大きなトトロが受付でお出迎え!季節を感じる植物であふれ、気持ちのよい空間が漂っています。2001年の開館当時と比較すると、伸びてきたツタが建物とよい感じでマッチし、いい雰囲気を醸し出してきているのだそう。
トトロの受付を後にして奥へと進むと、スタッフの方より「フィルム付きっぷ」を受け取ります。このきっぷを握りしめ、期待を胸にいざ、館内へ!
3.2 美術館入口のステンドグラス
美術館入口の扉には、とっても鮮やかなステンドグラスが!職人さんの手作りで、どれも世界で一つだけのもの。どこか神聖な印象があり、アニメーションで表現されるキャラクターたちとはまた異なる一面が見られます。
「色ガラスからおちる光を子どもたちが喜んでくれるのでは?」という宮崎駿監督の遊び心より、ステンドグラスが採用されたのだそうです。
ガラスで表現されるキャラクターたちの色使いやシルエット、手作りの照明器具、それを包み込む木製の廊下や壁。細かいディテールに、これから広がる世界への期待が膨らみます。
光の入り方によって表情が変わるため、時間帯を分けて観察するのもオススメです。
3.3 国内最大級のフレスコ画
ステンドグラスに感動したら、次は天井を見上げてみてください。そこには幾度もの試作を重ねて完成したという、国内最大級のきれいなフレスコ画が。
フレスコ画家の方を中心に、学生を含めた約20人のチームで描き上げた、大きくて優しい絵が広がっています。
書籍『三鷹の森ジブリ美術館手作りの力(プレジデント社)』の中にある大野彩氏のインタビューによると、フレスコ画は1年ほどかけて発色し、いちばん鮮やかな色に変化した後はそれ以上に変色しないのだとか。後世まで残る絵が、早くも入口で見られるなんて!
ちなみにこの大きな絵、イキイキと描かれたジブリのキャラクターたちが隠れています。あなたはすべて見つけられるでしょうか。
3.4 不思議な階段
中を進んで行くと、不思議な階段が目の前に。
あえて不思議な位置に設置された階段。大人でもよく確認しなければ、迷子になりそうです!トイレにたどり着くまでにある小さな入口や、入館してすぐに地下一階へと降りる階段など、「あっちに行こうか、こっちに行こうか」とわくわくさせてくれます。子どもたちの好奇心をくすぐる仕掛けがここにもありました。
3.5 ガラスのドーム
温もりある木目調の階段を降りてくると、高い天井の吹き抜けになっています。
上を見上げてみると、らせん階段や渡り廊下が入り組んでいるはずなのに、どこかスッキリとした印象。高いところに空が見え、思わず「わあっ!」と声が漏れてしまいます!
『コクリコ坂から』の「カルチェラタン」か、はたまた『千と千尋の神隠し』の「湯屋」か。皆さんは何を思い浮かべるでしょう。
3.6 ネコバスルーム
このお部屋には、みんなが大好きな「ネコバス」が!小学生以下のお子さんはネコバスに乗ったり、登ったりして遊ぶことができます。窓から出たり入ったり、背中によじ登ったり、フカフカの座席に座ったり。「まっくろくろすけ」とも一緒にワイワイ遊べます。
わざわざ海外からネコバス目当てに来館する方もいるのだそう。大人は乗れないと分かり、肩を落とす方が続出しているのだとか。残念ですが、乗って遊べるのは小学生以下のお子さんだけですのでご注意を!
3.7 屋上庭園とロボット
ネコバスルームかららせん階段を上って屋上へ出ると、高さ約5mの「ロボット兵」がお出迎え。
金属の板を一枚一枚叩いて作られたというこのロボット兵は、年々色の深みが増し、頻繁に触られている部分はツルツルになっている様子。見れば見るほど息をのむ細かさ。驚くこと間違いなしです。
「たくさん触れ合ってもらえるロボット兵であって欲しい」という作り手の想いに加え、来館者に触れられて愛されるほどに、良い味が出るそうです。この美術館の守り神として、雄大に、凛々しく園庭から見守っています。
緑にあふれ、ゆったりした時間が流れるこの庭園をさらに進んでいくと......。
ここから先は、行ってからのお楽しみです!
他にも、中庭のようにつくられた「井戸と薪置き場」も必見。手こぎコンプで井戸の水をくみ上げることも、今となってはなかなかできない体験です。
4. ジブリ美術館の常設展示と企画展
4.1 ちいさな映画館「土星座」
「動きはじめの部屋」を出ると、正面になにやら電車らしきものが見えてきます。そこはちいさな映画館「土星座」で、ジブリ美術館オリジナル短編アニメーションを上映しています。
「生まれてはじめて映画をみるのがこの映画館であれば......」という想いから、子どもたち向けの工夫がたくさん仕掛けられています。
きれいな赤色の子ども用シートや、森の中をイメージしたかわいらしい内装。そして、外の光が感じられるようにと、窓が設置されています。
「本物の映写機を見せてあげたい!」ということで、映写室はガラス張りになっています。
短編アニメーションは、子どもの自由な発想や想像力を奮起させてくれる映像ばかり。大人でも、我を忘れて魅入ってしまいます。時期によって異なる作品が上映されるので、上映作品は事前にホームページでチェックしてみてください。映画館に入るには、入口でもらう「フィルム付きっぷ」が必要なので、なくさないようにしてくださいね!
4.2 常設展示室「映画の生まれる場所(ところ)」
1本のアニメーションが完成するまでの過程を見学できる、「映画の生まれる場所(ところ)」。宮崎駿監督をはじめ、大勢の作り手の方々を身近に感じられます。
入っていきなり、大迫力なデスク風景が!
だるま?妖精?描きかけのスケッチ??
規則性のない部屋に様子に、「こうやってアイディアが湧き上がるのか!」と、作り手の気持ちがわかるような気になります。まさにジブリの世界がここから始まりそうなゾクゾク感。山積みにされた参考書籍、不揃いの鉛筆や筆などは、実際に使用された物も展示されています。
奥にすすんでいくと、壁に宮崎駿監督直筆のお話が。
昔話のようなお話や、クスクス笑ってしまうようなもの、「へぇ~!」と感心するような言葉など、監督の世界に引き込まれます。ぜひ一つ一つをじっくり読んでみてください。
作り手の世界に浸り、監督を身近な人に感じられるこの空間。
アニメーションに対しても、ジブリに対しても、ますます愛着が深まります。
ふと気づくと、何やら緑色のキャラクターが。「なんだろう、これ?」と二度見すると、宮崎駿監督のコメントがありました。どうやら「怪人ジブリブリ」のようです。
改めてあたりを見渡してみると、「怪人ジブリブリ」はそこここに潜んでいます!この部屋を訪れて、怪人の正体を解明してみてください!
4.3 企画展示「映画を塗る仕事」展
常設展「映画の生まれる場所(ところ)」より少し歩いていくと、2018年11月よりスタートした企画展示、「映画を塗る仕事」展があります。
ジブリの魅力は、なんといってもあの独特な色使い。キャラクターや小物に塗られる色が、どうアニメーションに変化をもたらすのか。技法や色使いのヒントを得た、本物のセル画が200枚近くも展示され、キャラクターに色を塗る「仕上(しあげ)」スタッフがセル画を完成させる実演動画なども見ることができます。
きらきらした光や澄みきった水を表現したいとき、あなたならどのような色使いをするでしょう。
今まで特に意識することもなかったですが、アニメーションは何千枚もの絵からできたもの。一枚一枚に秘められた技を知り、これからはアニメを見る目が変わりそうです。
4.4 「動きはじめの部屋」
アニメーションはそもそも「絵が動けばいいのに......」という想いから生まれたもの。止まっていたものが動いて見える、アニメーション進化の過程をのぞき見てみましょう。
アニメーションの親とも呼ばれている回転のぞき絵、「ゾートロープ」から、アニメーション映画への発展を主に紹介しています。筒の中をのぞいてみると、まるで絵が動いているかのよう。サツキ、メイ、トトロが立体的に見えるゾートロープ「トトロぴょんぴょん」は大人気です!
部屋の左手側には大きな映写装置があり、フィルムが実際にどう動いているのか、どうやって絵が動いて見えるのか、その「不思議」を解き明かすことができます。細かい仕掛けが満載の装置や、ディテールに富んだ絵など、「動きはじめの部屋」は見ごたえたっぷりです。
4.5 図書閲覧室「トライホークス」
2階にある図書閲覧室では、宮崎駿監督や美術館スタッフの方おすすめコメントがついた児童図書がずらり。手にとって自由に読むことはもちろん、気に入った本はその場で購入することもできます。おなじみのあの絵本から、ジブリ映画の原作となった児童書まで、数多くの本に囲まれたこの場所は、子どもだけでなく大人にとっても幸せな空間です。
ジブリ美術館パンフレット(英語版もあり)や、短編映画、企画展示のパンフレット、ポストカードなども販売されています。
美術館建設のために宮崎駿監督が描いたスケッチ画が掲載されている、美術館パンフレットは特におすすめです。この部屋はなぜこういう仕様なのか、どうしてこの小道具があるのか、というような裏話や、作り手の想いなどの情報も満載。部屋や小道具などは、実物と照らし合わせながら空想にふけるのも楽しみの一つです。
5. ジブリ美術館のグルメ情報:カフェ「麦わらぼうし」
1階にあるカフェ「麦わらぼうし」では、有機栽培の食材を使用したお料理がいただけます。体にやさしく、子どもも安心して食べられるのが嬉しいですね。
カフェのキッチンで作られるのは家庭的なメニュー。すべてが手作りで、機械を使わないあたたかさにもこだわっています。
サンドイッチもこの通り。手作りならではの不揃さがほっこりさせてくれます。
<▲くいしんぼうのカツサンド:1,100円>
外にはテラス席があり、持ち込みのお弁当やテイクアウトフードもいただけます。ちなみに、カフェ「麦わらぼうし」で使用されている食器の一部はミュージアムショップで販売されています。お気に入りを見つけたら、記念に購入して帰るのもよいですね!
どうしてもこのカフェに行きたい方は、時間に余裕をもって足を運んでみてください。
6. ジブリ美術館のショッピング情報:お土産を買うなら「マンマユート」
秘密基地のようなミュージアムショップ、「マンマユート」。
<© Studio Ghibli ▲オリジナル水彩画セット:7,560円>
『紅の豚』の空賊団名から名付けられた「マンマユート」では、館内に関係するグッズや、美術館の一部をモチーフにしたグッズが集められています。
「あっ、これはあそこにあったものだ!」なんて楽しみながら、お土産を探してみましょう。ここでしか買えない商品や、定期的に新商品が発売されることもあり、気に入った商品は迷わずに購入するのが正解です!
ちなみに「マンマユート」はイタリア語で「ママ、助けて!」の意味なのだとか。
なんだか映画をもう一度見返えしたくなりますよね!
7. ジブリ美術館のおすすめの回り方と所要時間
美術館の平均滞在時間は2~3時間程度のようですが、時間が経つのを忘れるほど没頭し、気が付いたらもう閉館時間!という方も多いのだとか。予定を立てる際は十分余裕をもって計画しましょう。
館内に決められた巡回ルートはありませんので、行きたい場所から順に見て回ることも可能。ミュージアムショップは閉館時間が近づくにつれてレジの列が長くなることが予想されますので、お土産を買いたい方は、早めにゲットしておきましょう!
カフェはいつも大人気なので、1時間程度は待つ余裕を確保しておくと安心です。
8. ジブリ美術館の混雑情報
夏休みなどの人気のシーズンはすぐに予約でいっぱいになってしまうので、早めの予約がオススメです。平日・週末に関わらず、常に多くの来館者が訪れているようです。入場時間指定はありますが、入れ替え制ではないので閉館時間までおもいっきり満喫できます!
9. ジブリの世界に迷い込む三鷹の森ジブリ美術館
美術館の魅力を高めているのは、ほかでもない監督や美術館スタッフの方々。笑いあふれる環境、ジブリへのあふれ出る愛情、チームワークの良さが、温もりある美術館の雰囲気とあいまって、さらに心地よい空間を創り上げているのだなと感じました。
日常から離れた世界に迷い込めば、アイディアや想像力、ワクワク感など、日ごろ忘れていた感情を思い出すに違いありません。
出口を探すのにも手こずる「三鷹の森ジブリ美術館」で、皆さんも迷子になる楽しさを味わってください!
三鷹の森ジブリ美術館の基本情報
- 住所:〒181-0013 東京都三鷹市下連雀1-1-83
- 開館時間:10:00~18:00
※入場時間はチケット予約時に要指定:10:00/12:00/14:00/16:00 - 料金
- 大人・大学生:1,000円/高校・中学生:700円/小学生:400円/4歳以上:100円
※入場は日時指定の予約制。チケットはローソンでのみ販売(以下参照) - ローソン店舗Loppi
- ローソンチケット:TEL:0570-084-003
- ローチケ:https://l-tike.com/ghibli/
※毎月10日に翌月分のチケット販売が開始されます
- 大人・大学生:1,000円/高校・中学生:700円/小学生:400円/4歳以上:100円
- 駐車場:なし
- 定休日:火曜日ほか、長期休館あり
- 交通アクセス
- JR中央線三鷹駅より徒歩15分、あるいはバス停9番乗り場よりコミュニティバス乗車5分(大人片道:210円・往復:320円/子ども片道:110円・往復:160円)
- HP:http://www.ghibli-museum.jp/
【参考】
『三鷹の森ジブリ美術館手作りの力』 プレジデント社
※2019年7月に取材した記事になります
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