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豪華バス "クリスタルクルーザー「菫」" 試乗レポート!全18席でゆったり寛げる快適空間でした
たびこふれ編集部のnishiurashiです。
ここ最近、「豪華バス」や「豪華列車」のニュースを目にする機会が増えてきている印象ですが、皆さん乗ったことはありますか?単なる移動手段であったこれらの乗り物が、それに乗ること自体が旅の目的にもなるような、色々と工夫が凝らされたバスや列車が全国各地で登場しています。
そんな中、また新たな豪華バスがお披露目になるということで、取材に行って試乗してきました!旅行会社の阪急交通社がこの度発表したのは、その名も"クリスタルクルーザー「菫」(すみれ)"です。
私はいわゆる豪華バスに乗るのは人生初だったので、楽しみな気分で取材スタートです!
ちなみに、今回の試乗会に先立って記者発表会も開催されたようです。そのときの様子は下記記事にてご覧ください。
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「このバスに乗るために旅に出る」時代へ クリスタルクルーザー「菫」(すみれ)発表記者会見
目次
- 菫(すみれ)というネーミングの由来
- シックで落ち着いた印象の外観
- シートはわずか18席。このゆとりと快適性は豪華バスならでは
- 座席周りの設備にも工夫が凝らされていました
- 窓が大きく、景色がよく見える!
- とてもバス車内とは思えない!ゆったり広々としたトイレ&洗面スペース
- コーヒーメーカーなども備わった寛ぎ空間
- 今や必ず気になるポイント!Wi-Fi&電源の環境は?
- 心地よく寛ぎながら旅をする
菫(すみれ)というネーミングの由来
正直なところ、この「菫」という漢字を読めなかった私。「すみれ」ってこんな漢字を書くんですね。さてその「菫」というネーミングにはどんな意味が込められているのでしょうか?以下、プレスリリースからの抜粋です。
<「菫」とは、愛らしい紫の花を咲かせ、古来より山野に自生する多年草。平安時代に貴族が詠う歌に度々登場し、美しい日本と雅な日常に彩を添えてきました。"クリスタルクルーザー「菫」"も、みなさまの旅に寄り添う彩でありたい。そんな想いからこの名が付けられました。凛として佇むスミレの花のように、間もなく、私たちの「菫」が咲き誇り、みなさまを笑顔(SMILE)あふれる旅に誘います。>
平安時代の貴族が詠う歌に登場するとは、それだけ上品で美しい花として認められていたということでしょう。SMILE(スマイル)にかけているところからも、明るくて彩りのあるイメージが持てますね。
シックで落ち着いた印象の外観
こちらが、クリスタルクルーザー「菫」(すみれ)の外観です。
シックで落ち着いた雰囲気があり、「上質な旅」が期待できる印象ですね。
この車両をデザインされたのは、工業デザイナーの奥山 清行(おくやま きよゆき)氏。ポルシェやフェラーリといった高級外車や、TRAIN SUITE 四季島(トランスイート しきしま)といった豪華列車の他、船舶、建築、ロボット、テーマパークなどなど、幅広く活躍されているデザイナーさんです。
>>>奥山清行氏のプロフィールについて詳しくはこちらから(KEN OKUYAMA DESIGN 公式サイト)
シートはわずか18席。このゆとりと快適性は豪華バスならでは
一般的な大型バスでは、2列×2列の4列シートで、席数は全部で45席ぐらいありますが、この「菫」では横3席×6列のわずか18席しかありません!一人分のスペースがかなりゆったりと確保されている印象です。
リクライニングは最大129度まで倒すことが出来るようですが、前の人がシートを倒されても圧迫感・窮屈感は全くありませんでした。
私はかつて、名古屋から東京まで一般的な4列シートの夜行バスを利用した際、前の方がかなり思いっきりシートを倒してきたことがありまして、体を動かすことがなかなか難しいぐらい圧迫されて苦痛だった経験があるのですが、そんな辛い状況でもなかなか注意するのも気が引けまして、結局そのまま我慢して過ごしたことがありました。
逆に、ほんとは少し倒したいけど、後ろの人に迷惑が掛かるかもしれないと思ってシートを倒さずに、なかなか姿勢がしっくりこない状態で長時間過ごしてしまう方もいるかもしれませんね。
しかし「菫」のシートでは、そういった不安や心配をすることなく、一人ひとりの寛ぎ(くつろぎ)空間が確保されていますので、まさに心身ともに快適に過ごせるのではないかと思います。
3列なので、横幅もゆったりしているのが嬉しいですね。座席幅の内寸は510mmとのことですが、東海道新幹線は440mmとのことですので、新幹線よりも70mm(7cm)広いことになりますね。結構ゆったりと感じられました。
座席間隔(シートピッチ)は1,220mmということで、東海道新幹線の1,040mmと比べて180mm(18cm)も広いことになります。この写真ではレッグレスト(ふくらはぎの部分)を上げているのでそこまで広くは見えないかもしれませんが、十分ゆったりと感じられました。ただ、私のカバンを足元に置くことしか出来なかったので、折角の広い足元が狭くなってしまったことがやや残念でした(荷物置きについては後述しますね)。
肘掛けも当然のことながら、1席ずつ設けられています。新幹線などは2席で1つしかないので、お隣に人がいるときは使えないですが、これなら気兼ねなく肘も掛けられますね。
座席周りの設備にも工夫が凝らされていました
こちらは車内の様子です。この写真を見て、何かお気付きになりませんか?一般的なバスに備わっているはずの、あるものがありません。それは、、、?
頭上にあるはずの荷物棚がないんです!ではどこに荷物を入れるのかと言うと、、、
座席の前に、このような収納スペースが設けられています。蓋も付いていますので、荷物でゴチャゴチャすることもなく、とてもスッキリできて気分が良いですね!これも快適性に繋がると思います。
ということで、私もカバンを入れようとしたところ、、、ご覧のように入りません笑。特に男性はバックパックなどで旅行される方も多いかと思いますが、小さ目のバッグでないと入らないため、車内用に小さいカバンを用意しておくことをオススメします(収納スペースのサイズは、おおよそ縦15cm×横30cmぐらいだと思います)。
ということで、座席間隔のところでお伝えした通り、今回は足元に置くことになりました。実際にご乗車される際は、トランクに預けても良いかもしれませんね。
肘掛けの中にはテーブルが収納されています。ここも木目調のデザインで、全体の雰囲気にとてもマッチしていますね。
反対側にはドリンクホルダーも隠れていました。缶や紙コップの場合、先程のテーブルにある溝に置いておくのは倒れそうでやや不安なこともあるため、ドリンクホルダーがあるのはありがたいですね。
ブランケットやスリッパ、イヤホンなどのアメニティも一人ひとり用意されています。
窓が大きく、景色がよく見える!
ご覧のように窓自体がとっても大きく、また頭上の荷物棚がないため、外の景色がかなり見やすいです!
今回の試乗コースは街中だったので、この写真ではあまり良さが伝わりませんが、、、大自然の中などを走ったらとても気持ち良いでしょうね!
動画もありますので、ご覧ください(やはり景色は、、、イマイチですね)。
また、カーテンではなくロールスクリーンが備わっており、遮光性はバッチリでした。カーテンだと隙間から日差しが入ることが結構ありますからね。これで寝たい時はぐっすり眠れるのではないかと思います。
とてもバス車内とは思えない!ゆったり広々としたトイレ&洗面スペース
バスの最後部にこれまた木目調の扉があります。ここを開けると、、、
そこはトイレになっていました。しかも、バス車内のトイレとしては驚くほど広く、また洗礼されています。
大きな鏡が備わった洗面スペースも完備。
備品も充実しており、ハンドソープも上質なものが選定されています。
「驚くほど広く」がまだ伝わってないと思いますので、こちらの動画をご覧ください(これでもまだまだ伝わり切らないですね。すみません)。
コーヒーメーカーなども備わった寛ぎ空間
先程のトイレの手前には、このようなコーヒーメーカーなどが完備されたスペースもありました。
ドリンクも様々常備されているようで、寛ぎの空間を演出していますね。
今や必ず気になるポイント!Wi-Fi&電源の環境は?
スマートフォン1台あれば何でも出来るようになってしまったこの時代。移動中にスマホを操作する人は本当にたくさんいらっしゃるかと思います。
そこで気になるのがまずは電源。各座席にはこのように、USBポート2つと電源コンセントが1つ備わっていますので、複数の電子機器をお持ちの方でも安心ですね。
また、無料でWi-Fiも利用することが可能です。ご覧のように、メールアドレスもしくはSNSのアカウント等でログインしたら簡単に接続できました。
Wi-Fiが使えると言われても実際は通信速度がかなり遅かったり不安定だったりして、結局使えない、、、なんてことは何度も経験したことがあるのですが、今回は全く問題なく、動画もサクサク見ることができました!
心地よく寛ぎながら旅をする
今回の試乗時間は約40分で、実際に「菫」(すみれ)に乗車するツアーで受けられる様々なサービスまでは体感することが出来ませんでしたが、ゆったりと自分のスペースで寛げる良さは十分体感することが出来ました。
「上質な旅をしたい」と思ったとき、まず思い浮かぶのが宿泊施設と食事をちょっと豪華にすることかと思いますが、こうした豪華バスで心地よく寛ぎながら旅を続けられることで旅行全体の質が大きく高まり、単なる移動手段ではなく、旅の楽しみの一つとして捉えることが出来るかと思います。
皆さんも次のバス旅行を計画する際は、ちょっと豪華なバスも検討してみてはいかがでしょうか?
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nishiurashi
- たびこふれ編集部員。人生初の海外渡航先であるラスベガスに衝撃を受け、海外旅行が好きになりました。年末年始にロンドン一人旅をしてサッカー観戦したこと、ナスカの地上絵遊覧飛行前にビールを飲み、セスナ機内で激しく酔ったこと、九寨溝から成都まで訳あって2人の中国人と丸一日乗用車で移動したこと、どれも良い思い出です。