
公開日:
最終更新日:
「このバスに乗るために旅に出る」時代へ クリスタルクルーザー「菫」(すみれ)発表記者会見

観光バスといえば昔は、ある場所から次の場所へ移動する"交通手段"でした。旅行の要素としてはサブ的な役割だったと思います。しかし今や時代は移り変わり、バスは単なる移動手段ではなく「バスに乗ること自体が旅の目的となる」時代になってきました。2019年3月18日東京プリンスホテルに於いて豪華バス、クリスタルクルーザー「菫(すみれ)」の発表記者会見が行われました。
![]()
<向かって右から(株)阪急交通社 執行役員 東日本営業本部副本部長 堤真也氏 / (株)阪急交通社 代表取締役社長 松田誠司氏 / KEN OKUYAMA DESIGN 代表 工業デザイナー 奥山清行氏 / ケイエム観光バス(株) 代表取締役社長 太田晴久氏>
目次
- こだわったのは、阪急らしさを出すこと
- バス旅は日本の旅行に向いている
- 本当の快適さを追求する為に、本革よりもあえて布生地を使用
- 荷棚のない、開放感のあるバス
- こんなバスのトイレ、見たことない
- 私たちが、どうしても創りたかった旅
- クリスタルクルーザー「菫(すみれ)」に乗ることができるツアー
- 記者会見を終えた取材者の感想
こだわったのは、阪急らしさを出すこと
(株)阪急交通社 代表取締役社長の松田誠司氏は語る。
「時代は移り行き、お客さまはバス旅行に於いても高級志向、ゆとり、豪華、快適さを求められるようになってきました。そのご要望にお応えする為に、私たちは2年前から社員8名で編成したプロジェクトチームを作り、デザイナーの奥山先生を始め、関係各所の皆さまのアドバイスを賜りながら企画を練り試行錯誤を重ねてここに完成しました。
こだわった点は「阪急らしさ」を出すこと。車体のデザインやカラー、ネーミングも、シックで落ち着いた大人っぽさを表せるようにしました。「菫(すみれ)」は阪急グループの宝塚歌劇団のイメージで華やかでゴージャス。すみれ色である紫色は平安時代の古から貴族の色として日本人に彩を添えるカラーでした。
またハード面だけでなくソフト面にも徹底してこだわりました。特に車内でご提供する「珈琲」には力を入れています。快適な社内空間を楽しんでいただけるようすみずみまで配慮したサービスをご提供できると思っています。」
![]()
<(株)阪急交通社 代表取締役社長 松田誠司氏>
バス旅は日本の旅行に向いている
クリスタルクルーザー「菫(すみれ)」のデザインプロデュースおよび車両デザインを手掛けたのは奥山清行氏。豪華列車「TRAIN SUITE 四季島」のデザインをした人物として有名です。
![]()
<KEN OKUYAKA DESIGN 代表 奥山清行氏>
奥山氏は語る。
「"バス旅"の概念を一新し、新しい快適の基準を作りたい。乗っている時間・空間そのものが、想い出に残る旅として皆さまには「菫(すみれ)」で新しい旅をお楽しみいただきたいですね。
バス旅は日本の旅行に向いているんです。小回りが利き、観光地のすぐ傍まで行くことが出来る。本来大型バスは45席程度あるのですが、「菫(すみれ)」は18席まで絞り、おひとりの車内空間を広く贅沢に楽しんでいただけるようにしました。
特にこだわったのが女性目線です。女性にとって大事なハンドバッグはきっと目の前に置いておきたいと思うはず。そこで座席の前に収納していただける「菫」オリジナルシェルをご用意しました。」
こちらがそのオリジナルシェルだ。
![]()
蓋を開けるとハンドバックなど、女性がいつも傍に置いておきたいものを安心して入れておけるスペースが確保されている。
![]()
本当の快適さを追求する為に、本革よりもあえて布生地を使用
奥山氏のこだわりはそれだけに終わらない。
「本革をふんだんに使えば高級感を出すことができるでしょう。しかし本革は汗や温度変化に対しては必ずしも適切とはいえません。「菫(すみれ)」では敢えて肌触りの良い布生地をメインに座席に使用しています。」
![]()
荷棚のない、開放感のあるバス
「車内の上部を開放感溢れる空間にしたかったので、バスには基本的に装備されている"荷棚"を取っ払いました。」
![]()
こんなバスのトイレ、見たことない
「そして「菫(すみれ)」最大の特徴とも言えるトイレ。バスのトイレでこれだけの広さに多くの方が驚かれるでしょう。車体の後方部を存分に使ってトイレスペースにしています。バスに長時間乗車する際、トイレはとても重要です。単に広いだけでなく、照明から備品まで細部にこだわりました。」
![]()
![]()
トイレはシャワートイレを完備。
![]()
私たちが、どうしても創りたかった旅
クリスタルクルーザー「菫(すみれ)」プロジェクトリーダーである(株)阪急交通社 執行役員 東日本営業本部副本部長 堤真也氏。
![]()
<(株)阪急交通社 執行役員 堤真也氏>
「私たちが、どうしても創りたかった旅。それはバスに乗ること自体を楽しむバス旅行です。「菫(すみれ)」のデザインコンセプトは"阪急らしさ"を感じる上質なくつろぎ空間です。阪急らしさとは阪急電鉄や宝塚のように高級で安心なイメージです。すみれはSMILE=笑顔でもあり、皆さまの旅に寄り添う存在でありたい。ハード面では広い眺望、快適なシート、広い化粧室、ソフト面ではおもてなしとしてお客さまに寄り添ったサービスをご提供します。」窓ガラスは一般のバスと比べて確かに大きく、移りゆく風景を存分に楽しむことができそうだ。
![]()
「バス座席のシートピッチ(前の座席との距離)は122cmと、北陸/上越/東北/北海道新幹線のファーストクラスと言われるグランクラスとほぼ同じ長さです。スマホ、カメラの充電器やWi-Fiも完備しています。ご乗車いただいたらシャンパンでお迎えします。日本一周のツアーであれば毎日ご提供する珈琲とお菓子は現地のものを日替わりでお楽しみいただけるようご準備します。ドリンクは約20種類を揃え、お客さまのご希望に合わせてお好みの時にご提供します。」
![]()
クリスタルクルーザー「菫(すみれ)」に乗ることができるツアー
「クリスタルクルーザー「菫(すみれ)」日本一周の旅は東日本編と西日本編の2コースを企画し、毎月1本づつ設定しています。東京、大阪以外にも日本全国からご参加いただけるようバスの発着時間を調整しています。また日本一周の旅以外にも季節に合わせたコースを多数企画しています。さらに今年の秋以降は星野リゾート「界」とのコラボレーションでツアーを企画しています。」
![]()
![]()
![]()
記者会見を終えた取材者の感想
旅の時代もいよいよここまで来たんだなぁと感じました。
ずっとこのバスに乗ってドライブしていたい・・・そう思える贅沢で快適で素敵な空間です。バスの窓がとても大きいのに驚きました。乗用車よりも高い位置の車窓から、移りゆく風景を巨大スクリーンで眺めているかのようです。トイレの広さも圧巻です。バス座席で言えば後ろ2列分くらいを全てトイレに割いてあります。またワイドな窓が付いているので、車両のトイレにありがちな閉塞感がない。このトイレも一度入ったら出たくなくなるくらい(笑)快適な空間です。ドリンクも充実しています。アルコールも揃っているのでつい飲みすぎないようにしないと(笑)。まるで飛行機のビジネスクラスやファーストクラスに乗っているかのような贅沢でリッチな空間です。クリスタルクルーザー「菫(すみれ)」に乗るツアーはバス以外にもこだわりの宿、食事がアレンジされているようですので、まさに旅のパーツすべてが快適で上質な、一生の思い出に残る旅となることでしょう。
新しいバス旅の幕開け!
クリスタルクルーザー「菫(すみれ)」いよいよ2019年4月始動です!
-

シンジーノ
- ローマと北京に駐在歴あり。海外渡航歴は36か国。日本は47都道府県踏破。「お客さんが”笑顔”で買いに来る商品」を扱う仕事がしたいと旅行会社に入って三十余年。今はその経験を基により多くの人に「旅の魅力」を伝えるべく“たびこふれ”にいます。モットーは「その土地の温度が伝わるような血の通った記事を書く。」旅はカタチには残りませんが生涯忘れられぬ宝物を心に残してくれます。たびこふれを通じて、人生を豊かに生きる力を秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきます。























