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フランス北部のローカルなお祭り!フランドルの庶民性を楽しむ「ベルルーフ祭」
目次
フランス北部の街ワットルロー
フランス北部のワットルローは、ベルギーと国境を接する人口4万人ほどの町です。このワットルローで、40年ほど前から催されているのが、9月第二週末のベルルーフ祭です。町を挙げてのお祭りは、土日の二日間続きますが、お薦めは何といっても日曜日。この日は朝から、ワットルローの町の歩道17kmが、蚤の市の店頭と化し、多くの人が、掘り出し物を求めて集まります。
<ワットルローの巨人たち>
日中は、この地方特有の町の巨人(ジェアン)が、巨大ベルルーフやミス・ワットルローらと、パレードに繰り出し、にぎやかな雰囲気で盛り上がっていきます。
<広場に置かれた巨大なベルルーフ>
<サン・マクルー教会>
<大道芸人>
ベルルーフの意味とは!?
ところで、このベルルーフ祭、今でこそ楽し気ですが、その起源は16世紀ワットルローで起こった悲惨な史実に基づいています。当時、ヨーロッパで起こったカトリックとプロテスタントの宗教戦争。ワットルローも例外ではなく、1566年には、教会に立てこもったプロテスタント教徒のうち、150人もが焼け死ぬという事件がありました。「ベルルーフ」というのは、この地方の方言で「布きれ」いう意味で、当時のプロテスタント教徒が着ていた粗末な衣服を指しているそうです。
ベルルーフ祭、最大の盛り上がりは、日曜夕方17時半。サン・マクルー教会の鐘楼から、小さなベルルーフ人形が何体も投げられるのです。ベルルーフ人形を手に入れれば、幸運に与れると言われていて、みな手を伸ばしてキャッチしようと教会の下に集まります。
見ていると、知らない者同士が「ベルルーフ、取れた?」「取れた取れた!」と声を掛け合い、「私は取れなかったけど、二つ取れたあのムッシューがくれたのよ!」と、おばあさんが周りの人に自慢していたりと、なかなか微笑ましい光景です。
<ゲットしたベルルーフ人形>
ベルルーフのフィナーレ
<最後に広場の巨大ベルルーフを燃やす>
最後は、教会前の広場で、巨大なベルルーフ人形を燃やして終わりというもの。かなりローカルなお祭りではありますが、2016年には、大統領にえらばれる前のマクロン氏が訪れるサプライズもあり注目を浴びていました。フランドル地方の伝統と庶民性、国境の町のローカルさを味わえるベルルーフ祭。ベルギーやリル観光ついでにふらっと訪れてみてほしいイベントです。
ベルルーフ祭 基本情報
- 国名:フランス(France)
- 都市名(地域名):ワットルロー(Wattrelos)
- イベント名(日本語):ベルルーフ祭
- イベント名(現地語):fête des berlouffes
- 開催時期(前回開催):2017年9月9~10日(毎年9月第二週末)、2018年は・9月8~9日(予定)
- 初回開催年:1978年
- 来場者人数(規模感):15~20万人
- アクセス:Lilleよりメトロ2番線でRoubaixまで20分。そこからバスで約20分。
- 主催団体(名称):Wattrelos市
- 公式ホームページ:http://www.ville-wattrelos.fr/
- 料金:無料
- 予約:不要
- 知名度:★★☆☆☆
- おもしろ度:★★★★☆
- 開催場所(主な会場):place Jean Delvainquière, Wattrelos (パレード出発点。またベルルーフを投げる教会前でもある)
- 開催場所(住所):Wattrelos市中心、59150 France
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冠ゆき
- 山田流箏曲名取。1994年より海外在住。多様な文化に囲まれることで培った視点を生かして、フランスと世界のあれこれを日本に紹介中。