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ギリシャの秋を彩る果物「キドニ(マルメロ)」

記事投稿日:2018/11/26最終更新日:2018/11/26

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日本とギリシャ、どちらの国にもあるけど日本ではあまり食べられない秋の果物に、ザクロやマルメロがあります。ザクロは健康にいいとされるためか近年消費が増えてはいますが、マルメロはまだまだマイナーなのではないでしょうか?日本ではカリンと混同されることが多いのも、知名度が低い理由のひとつのようです。今回は、マルメロに関する雑学や、ギリシャ風の食べ方をご紹介します。

目次

マルメロってどんな果物?

果実は洋ナシのような形をしていて、細かい産毛に覆われています。バラ科マルメロ属の1属1種で、学名はcydonia oblonga。よく似ているとされるカリンは別属です。熟したマルメロはとてもいい香りがし、部屋に置いて芳香剤代わりにされることも。香りを嗅いでいるといかにもおいしそうですが、生のままでは食べられないことはないけど、おいしくはありません。硬くてパサパサと水分が少なく、味は渋味・酸味が強いのですが、ちょっと手間をかけて加熱調理するとおいしく食べられます。

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アテネの青空市場で売られるマルメロ。隣に並んでいるのは農家の自家製ジャム各種。

マルメロとギリシャ

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記事タイトルにある「キドニ」(κυδώνι)は、ギリシャ語でマルメロのこと。学名のcydoniaは、ミノア時代のクレタ島に栄えた都市キドニア(現在のハニアに位置します)に由来します。

ギリシャ神話では、トロイ戦争の発端となった出来事「パリスの審判」で、トロイアの王子パリスがヘラ、アテナ、アフロディーテの3人の女神のうちアフロディーテを最高の美神として選び黄金の林檎を手渡しましたが、これは林檎ではなく実際はマルメロであったという説があります。

古代ギリシャよりマルメロは子宝のシンボルのように考えられていたらしく、一部の地方では結婚式の時に新婦にマルメロを贈ったり、新郎新婦がマルメロを一緒に食べる伝統があります。また、口臭を甘くよい香りにするためにマルメロを食べたりもしたそうです。

ギリシャ料理ではどんな風に食べる?

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アテネのヨーグルトショップの店頭。トッピング用の果物のシロップ煮がずらりと並ぶ(マルメロは左端)。

マルメロはペクチンが多く含まれるため、ジャムやジェリーを作るのに適しています。ギリシャでもマルメロのジャムやペースト、焼きマルメロなど作られますが、最もポピュラーなのはグリカ・クタリウー(スプーンスイーツ)と呼ばれる、果物のシロップ煮。マルメロの場合は拍子切りにしたりチーズおろしで粗くおろしたのを濃いシロップで煮て作ります。伝統的なグリカ・クタリウーはとても甘いですが、マルメロのは甘いだけでなく風味もいいので、日本人にも結構受けがいいです。おすすめの食べ方は、ギリシャヨーグルトのトッピングとして。ホテルの朝食ブッフェなどでもよく見かけるので、ぜひお試し下さい。

また、お菓子以外ではリキュールにしたり、肉と一緒に煮込んだ料理も秋から冬にかけて作られます。

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タベルナのデザートメニューで見かける焼きマルメロ。

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豚肉とマルメロの煮込み。マルメロの香りと甘酸っぱさが肉のうまみを引き立てて美味。牛肉やラムなどでも作られる。

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アナグノストゥ直子
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記事投稿日:2018/11/26最終更新日:2018/11/26

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