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マドリードで地下鉄に乗るにはカードにチャージ。1トリップ、10トリップス、空港特別料金別に解説!
スペインのマドリードの地下鉄は、2017年10月14日から従来の紙の切符は全面廃止され、クレジットカードと同じ大きさのカードにチャージをして乗らなければならなくなりました。
今回は、スペイン人も手こずるカードの発行~チャージ方法を中心に、地下鉄の乗り方をご説明します。
目次
- 1トリップと10トリップスのどちらが得?
- カードを買ってみよう
- 1トリップとは(1回ごとに駅を指定)
- 【1トリップ】初回のカード発行+チャージ
- 【1トリップ】(カード所持)
- 10トリップスとは(駅の指定なし)
- 【10トリップス】初回のカード発行+チャージ
- 【10トリップス】チャージ(カード所持)
地下鉄の乗り降りはカンタン
カードを発行し切符をチャージさえすれば、地下鉄の乗り方、降り方はとても簡単です。
改札に入るとき
改札機の上の緑色の皿にカードを当てると、扉または回転棒が自動に開きます。
路線図と同じ色の番号と終着駅の書かれた表示板に沿ってホームに行きます。
ホーム手前には、各駅名の書かれた表示板もあります。
緑色の表示板に白で「Salida」と書かれているのが出口という意味です。
目的地やエスカレーターの方向も出ています。
改札を出るとき
地下鉄を出る際は、カードを改札機に当てる必要はありません。(空港のみ、空港特別料金があるため、出る際も改札機にカードを当てます。)自動で開く改札もあれば、手で押す改札もあります。
では、1番安い区間を買えばいいと思うかもしれませんが、抜き打ちの検査があり、キセルがばれると、大変高い罰金が取られます。
スペイン人も苦労するカードの発行~チャージ
地下鉄の乗り方、降り方は簡単なのですが、機械でカードを発行しチャージするのが少々難しいのです。スペイン人でさえ四苦八苦して、係員に助けを求めてる次第で、言葉が分からない日本人にとっては大汗ものです。
そこで、地下鉄カードの発行方法とチャージ方法を説明していきましょう!
- 地下鉄の路線図を見ると、黒で書かれたZONA Aと、赤で書かれたZONA B1、ZONA B2、ZONA B3というエリアに分かれているのが分かります。空港もZONA Aのエリアに含まれていますので、今回はZONA Aのみの説明です。
- 言語は英語、フランス語、ドイツ語に変更できますが、手順は同じなので、最初に画面に出てくるスペイン語での説明です。
- 1トリップ、10トリップス、空港特別料金支払いの説明です。
- 日本では小数点を「.(ピリオド)」で表記しますが、スペインでは「,(コンマ)」を使います。
1トリップと10トリップスのどちらが得?
【1トリップとは】
1トリップは、乗車区間によって料金が違います(5駅まで1,50ユーロ、6駅1,60ユーロ、7駅1,70ユーロ、8駅1,80ユーロ、9駅1,90ユーロ、10駅以上2,00ユーロ)。チャージした当日限り有効で、地下鉄利用ごとにカードは空になります。
【10トリップスとは】
10トリップスは、区間によっての料金の違いはなく12,20ユーロです。市内バスの利用も可能です。計10回地下鉄を利用でき、有効期限もありません。ただし、残っても払い戻しは出来ません。
例えば、2人で5回地下鉄に乗った場合、1回の利用金額は
12,20ユーロ÷(2人x5回)=1,22ユーロ
となり、1トリップよりもお得になります。
マドリード滞在期間に地下鉄の利用回数が多いのであれば、10トリップスがオススメです。何人で何回地下鉄に乗るかを考慮した上で、1トリップにするか10トリップスにするかを決めましょう。
なお、カード発行時に手数料2,50ユーロがかかります。1トリップ、10トリップス共に、何人であっても、乗る駅と降りる駅が同じであれば、1枚のカードを使用することが可能ですので、人数分カードを発行する必要はありません。
カードを買ってみよう
- 初回のカードが発行できる機械は、赤い帯が貼ってるものと、赤白の2トーンカラーのものとがあります。
- カードの発行のみはできません。発行と共にチャージをしなければなりません。
- 1つのカードに、同じエリアで違うタイプのチャージ(ZONA Aの1トリップチャージ+ZONA Aの10トリップスチャージ)は出来ません。
- 幅の狭い機械はカード払いのみ、幅が広い機械はカード、紙幣、硬貨での支払いができます。
1トリップとは(1回ごとに駅を指定)
- 購入当日限り有効
- 1つのカード(2,50ユーロ)で何人でも乗れますが、カードを持っている人と同じ駅で乗り降りしなければなりません。
- 5駅目までが1,50ユーロで、6駅目から1駅ごとに0,10ユーロあがります。2,00ユーロを最高額とし、10駅以上乗っても2,00ユーロです。
- 空港ターミナル1,2,3(Aeropuerto T1-T2-T3)と空港ターミナル4(Aeropuerto T4)は、特別料金として3,00ユーロ増しになります。(4,50ユーロ~5,00ユーロ)
【1トリップ】初回のカード発行+チャージ
① 赤い帯のついた機械の最初の画面です(写真と違う画面が出ていたら1度タッチ)。右側の「Adquirir tarjeta」をタッチします。
②「1 VIAJE」「10 VIAJES」「AEROPUERTO」の「1 VIAJE」(1トリップ)が他より白くなっていますから、右下真中の緑色の「aceptar」をタッチします。
③ 「SENCILLO METRO ZONA A」「SENCILLO COMBINADO」「SENCILLO TFM」の「SENCILLO METRO ZONA A」(ZONA Aの1トリップ)が他より白くなっていますから、右下左の緑色の「aceptar」をタッチします。
④右側には色分けをした各路線番号が出ています。路線番号をタッチすると、その路線の各駅名が出ますので、行き先の駅名をタッチします。
左側にはアルファベットが並んでいます。行く先の駅名の頭文字をタッチすると、そのアルファベットの駅名が全て出ます。Sをタッチして、Solをタッチしてみました。
⑤1番上の赤い所の「Importe total a abonar」の4,00ユーロが1人分の総料金です。その下の枠は、上の「Tarjeta MULTI」の2,50ユーロがカード代で、下の「SENCILLO METRO 5 EST.」には5駅で1,50ユーロと出ています。!マークの所には「本日限り有効」と出ています。1人分で良ければ、右下の1の数字の下に緑色の「aceptar」のボタンがあるのでタッチします。
⑥例えば⑤の画面下の1の数字を「+」で10に変えて「aceptar」のボタンとタッチすると、次の画面にはカードの2,50ユーロと10人分15,00ユーロが足されて17,50ユーロと出てきます。人数を入力したら「aceptar」をタッチします。
⑦「領収書はいるか?」と聞いていますので、上の「SI」をタッチします。
⑧ 料金を払い5秒ほど待つと、画面下の透明な取り出し口に、カードとレシートが出てきます。
⑨カードを改札口上の緑色の丸い皿に当てて通ります。改札の開閉ごとにカードを皿に当て、1人ずつ通ります。
【1トリップ】チャージ(カード所持)
- 1トリップは使用ごとにカードが空になるので、10トリップスをチャージすることも可能です。
① 画面は無視して、挿入口にカードを差し込みます。
②初回のカード発行時と同様に②から⑨の作業をします。(⑤のカード代はありません。⑧のカードは出てきません。)
10トリップスとは(駅の指定なし)
- 有効期限なし
- 市内バスも利用可能
- 残っても払い戻し無し
- 1つのカード(12,20ユーロ)で何人でも乗れます。どこから乗っても、どこで降りても良いですが、カードを持っている人と同じ駅で乗り降りしなければなりません。
- 10トリップス(1チャージ)が12,20ユーロで、1つのカードに20トリップス分までチャージ(2チャージ)できます。10トリップス以下になったら1チャージができます。
- 空港ターミナル1,2,3(Aeropuerto T1-T2-T3)と空港ターミナル4(Aeropuerto T4)の特別料金は含まれていません。空港特別料金の3,00ユーロは、地下鉄の乗る前か空港の改札を出る前に、機械でチャージします。
【10トリップス】初回のカード発行+チャージ
① 機械の最初の画面です(赤白の機械は言語を選ぶスペイン、イギリス、フランス、ドイツの旗が出ています。また、写真と違う画面が出ていたら1度タッチします)。右側の「Adquirir tarjeta」をタッチします。
② 「1 VIAJE」「10 VIAJES」「AEROPUERTO」の「1 VIAJE」が他より白くなっていますから、画面右の赤の「↓」を1度タッチして「10 VIAJES」(10トリップス)に変更し、右下真中の緑色の「aceptar」をタッチします。
③ 「METROBÚS 10 VIAJES」(10トリップス・メトロバス)が白くなっていて、料金「12,20」ユーロとなっていますので、何も変更せずに右下緑の「aceptar」をタッチします。
④1番上の赤い所の「Importe total a abonar」の14,70ユーロが10トリップスの総料金です。その下の枠「Tarjeta MULTI」の2,50ユーロがカード代で、下の「1 METROBUS 10 VIAJES」には10トリップス12,20ユーロと出ています。数字の下に緑色の「aceptar」のボタンをタッチします。20トリップス分をチャージするのであれば、下の「+」をタッチし「2」に変え、「aceptar」をタッチします。
⑤ 「領収書はいるか?」と聞いていますので、上の「SI」をタッチします。
⑥ 料金を払い5秒ほど待つと、画面下の透明な取り出し口に、カードとレシートが出てきます。
⑦カードを改札口上の緑色の丸い皿に当てて通ります。改札の開閉ごとにカードを皿に当て、1人ずつ通ります。
【10トリップス】チャージ(カード所持)
- カードが全て空になったら、行き先指定の1トリップをチャージすることも可能です。
① 画面は無視して、挿入口にカードを差し込みます。
② カードに少しでもトリップス分が残っていると、他のタイプのチャージは出来ないため、1トリップ、10トリップスの選択無しに、最初から「領収書はいるか」と聞いてきます。チャージをする場合には、上の「SI」をタッチします。(残りのトリップ数を知りたいだけなら、下の「NO」をタッチします)
③ 例えば、カードに3トリップス分が残っていると、左上の枠「Billete cardado」に3トリップス分が残っていて、その下の枠「Billete a cargar」には10トリップスを1回チャージ可能で、計13トリップス分になると出ています。左下に大きく「代金の支払い」と出ています。右側には料金は12,20ユーロと出ています。(残り数を知るだけなら、何もせずカードを抜きます。)
④ 料金を払い5秒ほど待つと、画面下の透明な取り出し口に、レシートが出てきます。
空港特別料金の精算
- 空港は特別料金を払っていないと改札を出ることができません。
1トリップの空港特別料金のチャージ方法
① 他の駅に行くのと同じように、「1VIAJE」を選択し「Aceptar」をタッチした後に、路線番号「8」をタッチし、画面に出てくる駅名の中から「AeropuertoT1,T2.T3」か「AeropuertoT4」をタッチします。
またはアルファベットで「A」をタッチして、画面に出てくる駅名の中から「AeropuertoT1,T2.T3」か「AeropuertoT4」をタッチします。空港特別料金3,00ユーロの足された料金が出ますので、人数の変更があるなら「+」で変え「Aceptar」をタッチして支払います。
② あるいはカードを挿入し、出てくる画面を↓で「AEROPUERUTO」に移動し、「Aceptar」をタッチします。「AeropuertoT1,T2.T3」か「AeropuertoT4」をタッチして選択しますと、空港特別料金3,00ユーロの足された料金が出ますので、人数の変更があるなら+で変え「Aceptar」をタッチして支払います。
③ 空港の改札口は、出口側にも緑の皿がありますので、改札の開閉ごとにカードを皿に当て、1人ずつ通ります。
10トリップスの空港特別料金のチャージ方法
●乗る前にチャージする方法
① カード挿入口に入れ、出てくる画面の右下の「otras opciones」をタッチします。
② 左下の「Suplemento Aeropuerto」をタッチします。
③ 右側の数字を、「+」「-」で乗った時の人数にして、右下の「aceptar」をタッチします。
④ 1人分ですと料金は3,00ユーロ、2人分ですと6,00ユーロと出ますので「aceptar」をタッチします。
⑤ 「領収書はいるか?」と聞いていますので、上の「SI」をタッチします。
⑥ 左下に大きく「代金の支払い」と出ています。
⑦ 料金を払い5秒ほど待つと、画面下の透明な取り出し口に、レシートが出てきます。
⑧ カードを改札口上の緑色の丸い皿に当てて通ります。改札の開閉ごとにカードを皿に当て、1人ずつ通ります。
●空港改札口手前でチャージする方法
空港の改札口手前にある機械は、空港特別料金のみがチャージできます。
① 空港の改札口手前にある機械の画面は無視して、挿入口にカードを差し込みます。
② あとは、上記の「●乗る前にチャージする方法」の③から⑧と同じ手順です。
もし近くに駅の係員がいて、手がすいているようなら、やってもらうのもいいでしょうが、みんなが頼むためにパッパと機械的にやってしまうので、覚えることができません。難しいと思うかもしれませんが、書いてある通りにやってみれば簡単にできるはずです。さあ、頑張ってやってみましょう!
お得情報
ツーリストパスを利用する
- カード代無料
- 空港特別料金込み
- 地下鉄(Aエリア)、市内バス、国鉄レンフェ(Aエリア)乗り放題
- 1日用(8,40ユーロ)、2日用(14,20ユーロ)、3日用(18,40ユーロ)、4日用(22,60ユーロ)、5日用(26,80ユーロ)、7日用(35,80ユーロ)
- 1日を朝の06:00から夜中の01:30までとします。
- 1人が1カード(複数での使用は不可)
例えば、バルセロナから往復飛行機を利用して、マドリードの1日観光をしようという場合、普通の地下鉄カードですと、中心地までの往復で10,00ユーロ、そしてカード代が2,50ユーロですから、12,50ユーロかかってしまいます。1日用のツーリストパスを利用すると、ずいぶんお得になりますね。
空港から国鉄レンフェ(Renfe)を利用する
- カード無し(紙の切符)
- 空港特別料金無し
マドリードの空港ターミナル4には、地下鉄も通っていますが、すぐ隣りに国鉄レンフェ(Renfe)も通っています。地下鉄に比べると本数は少ないのですが、チャマルティン駅(Chamartín)、ヌエボス・ミニステリオス(Nuevos Ministerios)、アトーチャ駅(Atocha)などに止まり、プリンシペ・ピオ駅(Principe Pío)が終点です。
なんと、2,50ユーロ払ってカードを発行する必要もなければ、空港特別料金もありません。アトーチャ駅までも、中心地のソル(アトーチャで乗り換えて1駅)までも2,60ユーロです。
日本からマドリードの空港に着き、地下鉄でソルに行くと、カード料が2,50ユーロ、空港特別料金を入れた地下鉄代が5,00ユーロですから、7,50ユーロもかかるところが2,60ユーロで済んでしまいますよ。
たとえターミナル1、あるいはターミナル2に着いたとしても、地下鉄までは、だいぶ歩きますので、到着口を出て2階に上がり、5分ごとに出ている無料トランジットバスに10分乗って、ターミナル4に移動すればいいですね。
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佐々晶子
- 30年間スペインのマドリッド暮らしで、観光ガイドをしています。ガイドブックには載っていない、パック旅行では行かない、私も知りたい、そんないいこと、いい所を皆さんにご紹介。