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ニューヨークで本場のもっちりベーグルを食べよう!
目次
ニューヨークといえばベーグル!
ベーグルはポーランドのユダヤ人コミュニティー発祥のパンの一種。1880年代にユダヤ系ポーランド人移民により、ニューヨークにもたらされ全米に広まったベーグルは、いまやニューヨークを代表する食べ物です。ユダヤ系でなくても、コーヒーと一緒に朝ご飯として、またサンドイッチにしてランチとして食べるのは一般的で、スーパーやデリ、フードトラックなど、あらゆるお店で買うことができます。
生地を発酵させ、茹でてからオーブンで焼き上げるベーグルは、どっしりと重量感があり、もっちりと弾力性のある食感。真ん中に小さな穴が開いていて、ドーナツのような形をしています。パンの原料として使用されるバターや卵、牛乳を生地に使用していないことから、他の一般的な製法のパンと比較すると脂肪分やコレステロールが低くヘルシーと言われています。最近では日本でもベーグルを売るお店があるようですが、ニューヨークのベーグルを食べたことがある人からすると、やはり全く違うそうです。ニューヨークにいらしたなら、ぜひ本場の味に挑戦して下さい。
どこで買ったら良いかわからない場合は、有名な人気店に行くことをおすすめします。でも近くにそういったお店がない場合は、ユダヤ人経営のベーグル専門店で、スモークフィッシュを売りにしていて、クリームチーズなどのスプレッドが陳列ケースに並んでいる昔ながらのお店がお薦めです。
オーダーの仕方と挟むもの色々
先ずは、ベーグルの種類を選びます。ベーグルにはプレーンだけでなく、ケシの実(poppy)やゴマ、ガーリック、刻み玉ねぎなどをのせて焼いたものがあります。私がいつも食べるのは、それらすべてがのっているエブリシング。生地にシナモンやレーズン、ブルーベリーなどを混ぜ込んだものや、ホールウィート(全粒粉)、プンパニッケル (全粒ライ麦)、マルチグレイン(多種穀物)などの材料を使ったものもあります。
ベーグルの種類が決まったら、中に挟むものを決めます。代表的なものはクリームチーズ。クリームチーズにも、ベジタブルやガーリック、スキャリオン(ネギ)、ハラペーニョなど種類が色々あります。スプレッドには、クリームチーズ以外にも豆腐ペーストやフムスなどがあり、またシンプルにバターやジェリー(ジャム)だけを挟んでもOKです。ベーグルの種類もスプレッドの種類も、お店によって少し違うので、メニューで確認して下さい。ベーグルをトーストして欲しい時は「トースト」と言いましょう。でも、中にはトーストをしないお店やフレッシュさが売りでトーストを邪道と捉えるお店もあるようです。
これは私が良く食べるトーストしたホールウィートの、エブリシングベーグルにローファット・ベジ・クリームチーズを挟んだもの。ここのお店のベーグルはボリュームが少な目で、中に挟むクリームチーズの量も少ないので気に入っています。普通のお店のスプレッドの量は、私にはちょっと多過ぎて・・・。クリームチーズ好きには、きっとこれでは物足りないことでしょう。
こちらのお店のものと比較すると、ベーグルの厚みもクリームチーズの量も全然違いますよね。ちなみにこちらのお店では、原則、トーストはしません。これは、エブリシングベーグルにスキャリオン・クリームチーズを挟んだもの。
朝ご飯時には、卵やハム、チーズなどを挟んだブレックファーストサンドもよく売れます。ランチ時のサンドイッチの具材としては、チキンやターキー、ビーフ、ツナサラダなど、色々な種類がありますが、ニューヨーカーの定番は、やはりスモークサーモン(Lox)とクリームチーズにケイパーズやオニオン、トマトを追加したもの。
ニューヨークで有名なベーグル専門店
ユダヤ人が多いニューヨークには、数多くのベーグルショップがありますが、中でも観光客に人気で、ニューヨーカーの間でも評価の高いグルメベーグルのお店をここに紹介しておきます。
マリーズ・ベーグル (Murray's Bagle)
グリニッジビレッジにある日本人観光客の間でも有名なベーグル店。1996年オープンと比較的新しく、昔ながらのベーグル店とはちょっと違う今どきのベーグル店の走り的存在です。フレイバーの種類がたくさん。オーナーは、メリルリンチの元幹部社員だったアダム・ポメランツさんで、マリーはお父さんの名前だそうです。ベーグル店の経営は、アダムさんの昔からの夢でした。銀行を退職してから、たくさんのお店で修行し、研究を重ねてきたそうです。
住所:500 Avenue of the Americas (12 & 13 Streets)
電話:212-462-2830
時間:6時~21時(土日は20時まで)
ザッカーズ・ベイグル (Zucker's Bagels & smoked fish)
フレッシュなベーグルと燻製の魚が抜群と、グルメなニューヨーカーに評判のお店。このお店のオーナーのマット・ポメランツさんは、マリーズ・ベーグルのオーナーのアダムさんとは兄弟で、マリーズ・ベーグルの共同創設者でもあります。クリームチーズも美味しいですが、ぜひロックスのサンドイッチにトライしてみて。マンハッタンに4店舗あり。
・アッパーウエストサイド店
住所:237 Columbus Ave. (70th & 71st Streets)
電話:212-874-2800
時間:6時~18時
・トライベッカ店
住所:146 Chambers Street (Greenwich street & W Broadway)
電話:212-608-5844
時間:6時30分~19時(土日は18時まで)
・グランドセントラル店
住所:370 Lexington Ave. (40th & 41st streets)
電話:212-608-5844
電話:6時30分~19時(土日は18時まで)
・フラットアイアン店
住所:40 East 23rd Street (Park & Madison Avenues)
電話:212-228-5100
時間:6時30分~18時30分
エッサ・ベーグル (Ess-a-Bagle)
創業1976年の老舗ベーグル店。日本の主なガイドブックに載っていて、日本に出店したこともあるそうです。このお店は創業以来、店内でベーグルを作っています。このお店では、フレッシュなベーグルを味わうために、トーストしない方がお薦めだとか。マンハッタンに2店舗ありますが、1アベニューの本店がお薦め。
・本店
住所:359 1st Ave, (21 Street)
電話:212-260-2252
時間:6時~20時(土日は17時まで)
・アッパーイーストサイド店
住所:831 3rd Avenue (50th & 51st Street)
電話:212-980-1010
時間:6時~21時(土日は17時まで)
ニューヨーカーのベーグルへの思い入れは半端じゃない
ちなみに、先月のニューヨーク知事選挙民主党予備選に出馬し、現職のアンドリュー・クオモ知事に破れた「セックス・アンド・ザ・シティー」のミランダ役でお馴染みのシンシア・ニクソンさんが、アッパーウエストサイドにある老舗デリ「ゼイバーズ」で注文したベーグルサンドイッチの組み合わせが「ありえない」と、ニューヨーカーの間で炎上していました。彼女は、甘いシナモンレーズンベーグルに、スモークサーモンとクリームチーズ、レッドオニオン、トマト、ケイパーズを挟んだサンドイッチをオーダー。その様子を映した動画がメディアにアップされ、これに対し各メディアやSNSからは「ベーグルの神を冒涜している」、「ビル・デブラシオ市長が、ナイフとフォークでピザを食べた時以来の衝撃」、「犯罪レベル」、「ニューヨーカーなら、オニオンベーグルかエブリシング、プレーンを選択するべき」などと非難ごうごう。それほどニューヨーカーにとってベーグルは、特別な食べ物なのです。
※本記事は2018年10月に公開しましたが、2021年9月に一部修正しました。
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ナツコ・H
- 世界で活躍するジャズ奏者の夫のマネージメント、CD収録曲の作曲を手がける。NYの日系新聞でニュース記事執筆中。法律翻訳家。93年よりNY在住。