世界が注目するオリンピックの前に「日本の世界遺産」を見直そう

2020年に東京オリンピックが開催されます。世界各国の方が日本を訪れ、各地の観光スポットも注目されることでしょう。当然「世界遺産を旅したい」というニーズも多いと思います。

日本に住み、海外の方を迎える私たちとしては、自国の世界遺産についてしっかりした知識をもっていたいですね。「日本の世界遺産」は魅力やロマンにあふれています。このコラムではそんな「日本の世界遺産」の基礎知識や各遺産に秘められた物語、旅の知識などを、世界遺産スペシャリストである私将虎が紹介していきたいと思います。

目次

日本の世界遺産、いくつ言えますか?

日本の世界遺産は、私たちが暮らす日本の「自然の美しさ」や「文化の素晴らしさ」を世界が認めたものです。みなさんはこの日本が誇る「宝物」をいくつ言えますか?

2013年に世界遺産に認定された日本の象徴「富士山」や、2017年に認定されたばかりの「沖ノ島」などは、すぐに頭に思い浮かぶもしれませんね。

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日本の世界遺産は21件。スポット数は150か所

2018年1月現在、日本には世界遺産が21件あります。21件というと意外と少ないと思う人もいるかもしれません。でも、それぞれの世界遺産を細かく見ると、たとえば2015年に登録された「明治日本の産業革命遺産」は、1件の世界遺産の中に、軍艦のような形が有名な長崎県の「軍艦島」から、山口県にある明治維新ゆかりの吉田松陰「松下村塾」まで、日本全国に点在する23のスポットが含まれています。

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日本の世界遺産をスポットの数でみると、全部で150か所あるのです。

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富士山は「山」なのに、なぜ自然遺産じゃないの?

世界遺産には、自然遺産、文化遺産、複合遺産(自然遺産と文化遺産の複合)の3種類があります。日本の世界遺産は自然遺産が4件、文化遺産が17件です。

先ほど挙げた「富士山」と「沖ノ島」は自然遺産・文化遺産どちらかわかりますか?正解は両方とも「文化遺産」なのです。「山」と「島」なのになぜ自然遺産ではなくて、文化遺産なのでしょうか?

世界遺産は「国境や民族や時代を超え、将来にわたって人類に共通した重要性をもつ価値」を認められるものです。「富士山」や「沖ノ島」は自然としての価値よりも、信仰の対象としての歴史や、芸術など文化面に与えた影響が評価された遺産だから「文化遺産」なのです。詳しくはそれぞれの遺産を紹介する際に説明したいと思います。

これから世界遺産になる候補は?

日本には今後世界遺産認定を目指している物件が9件あります(自然遺産候補1件、文化遺産候補8件)。2018年の候補地は、長崎県の「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」と「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」です。

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2019年の候補は、仁徳天皇陵などを含む「百舌鳥・古市古墳群」です。

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2018年の世界遺産委員会は、6月24日から7月4日に中東バーレーンで開催予定です。新しい世界遺産が増えるかどうか、ワクワクしますね。

今回は「日本の世界遺産」の基礎知識をお話してみました。次回からは各遺産をより詳しく見ていきたいと思います。これからどうぞよろしくお願いします。

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将虎

日本旅行業協会公認の「世界遺産スペシャリスト(世界遺産検定1級と総合旅行業務取扱管理者資格)」。日本の世界遺産の専門家。

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