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ギリシャのイースターはこんな様子です!
イースターってどんな行事?
ここ何年か、日本でもよく聞くようになった「イースター」。なんとなくイメージがつかみづらく、また、毎年日にちの変わる移動祝日であることから今ひとつ定着はしにくい気はするものの、興味を持つ人が増えてきているようです。あまり知られていないかもしれませんが、西方教会と東方教会でも日にちが違うんですよ(年によっては同じ日になる場合も)。今年のイースターは4月8日、来年は4月28日です。キリストの復活を祝う復活祭は、ギリシャ正教ではクリスマスよりも重要な行事であり、一大イベント。このような宗教行事の時は家族や親しい人と過ごすのが普通なので、お店も閉まっていて旅行者には不便な部分もあるのですが、その国の文化に触れられるチャンスでもあります。
ギリシャの伝統的なイースターエッグは、真っ赤に染めたゆで卵。
教会での儀式
ロウソクはギリシャのイースターの必須アイテム。可愛い飾りのついたものもよく見かける。
イースターを控えた週はメガリ・エブゾマーダ(聖週間)と呼ばれ、あまり信心深くない人でも宗教を意識してしまうような特別な空気があります。敬虔な信者はイースターに向けての40数日は動物性食品を摂らない断食を実行していますが、そうでない人も最後の週だけ断食をするという人が多いです。
教会ではミサが行われますが、特に見所はクライマックスとなる聖金曜日と聖土曜日です。聖金曜日はキリストの棺を模したエピタフィオスと呼ばれるお神輿のようなものを花でいっぱいに飾りつけ、夜の9時ごろにはこれを担いで教会周辺の通りを練り歩く様子があちこちで見られます。聖土曜日の深夜は、いよいよキリストの復活に向けてみんなが教会に集まります。各自、ロウソクを手にしているのですが、これは聖なる炎を灯して持ち帰るためのもの。真夜中になり日付が変わると、教会の鐘が激しく鳴らされ花火も上がって一気にお祝いムードに。「フリストス・アネスティ!」(キリストは復活した)というお祝いの言葉を言い合い、帰宅後はマギリッツァと呼ばれる羊モツのスープと赤く染めたイースターエッグで断食を破ります。このスープはレストランでも出しているところがあるので、機会があればぜひお試しあれ。
イースター最初の食事は真夜中。マギリッツァというモツスープの他、肉料理など結構ヘビーな料理が出ることも。
イースターのごちそうは羊の丸焼き!
ギリシャのイースターの料理といえば、なんと言っても羊。それも、丸焼きにするのが定番です。焼く場所がなかったり少人数の場合は丸焼きではなく他の料理だったりもしますが、レストランへ食べに行く人も多いです。普通のタベルナでもこの日は特別に羊の丸焼きを出すという店が結構あり、アテネ中心エリアのプラカ地区やモナスティラキ周辺でもあちこちでこんな風に羊を焼いてる様子が見られます。一緒に焼かれている細長いのは、ココレッチというモツ料理。羊の臓物を腸でぐるぐる巻きにしたもので、トルコでも同じようなものがありますが、ギリシャ版はシンプルな味付けです。炭火で焼き上げられたココレッチは最高!モツ好きにはたまりません。いずれも臭みはあまりないので、羊肉やモツが苦手な人もトライしてみては?
ちなみに郊外に多い肉料理専門レストランでは一年中羊の丸焼きは食べられますので、この時期にギリシャへ来られない方もぜひお試し下さい。ちょっとイースターの雰囲気が味わえますよ。
他には赤いイースターエッグで飾ったチュレキという菓子パン、イースタービスケット(パスハリナ・クルラキャ)なども定番で、イースターの朝食やおやつによく食べます。ギリシャのお菓子はとても甘いものが多いのですが、これらはほんのりとした甘さで日本人にも食べやすいです。
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アナグノストゥ直子
- アテネ在住。主婦業の傍ら、ライター、リサーチャー、コーディネーターとしても活動する。ブログ「ギリシャのごはん」にてギリシャ料理レシピやおいしい話題を発信中。