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「ティファニーで朝食を」に登場するシンシン刑務所
トゥルーマン・カポーティの小説「ティファニーで朝食を」は、オードリー・ヘップバーン主演で
映画化され、日本でも永遠の名作として有名ですね。
第二次世界大戦中のニューヨークを舞台にしたこの物語の主人公で、オードリーが扮するちょっと
風変わりな自由人ホリー・ゴライトリー。
ホリーが毎週、刑務所に服役中のサリー・トマト氏の面会に行き、天気予報のメッセージを聞いて
それを弁護士に伝え、報酬を得ていたのを覚えていらっしゃいますでしょうか?
ホリーがトマト氏の面会に通ったそのシンシン刑務所(Sing Sing Correctional Facility)は、
実は実在する刑務所で、私の住むウエストチェスター郡にあります。
とは言っても、私が住むのは東の海側で、刑務所は西のハドソン川沿い、ニューヨーク市から約50キロ
北上したOssiningという町にあります。
刑務所周辺は、ちょっとさびれた感じがしますが、刑務所から離れ東へ行くと住宅街が広がっていて
町の中心には可愛いお店が並ぶ、坂が多い中々素敵な町です。
坂を下りるとハドソン川
この辺りは、とても川幅が広くなっています。
ここはOssining駅のすぐ西。駅のプラットホームから、この素晴らしい景色を見る事ができます。
Ossiningの駅へは、マンハッタンのグランドセントラル駅からメトロノース鉄道のハドソンラインに乗り
約45分から1時間ほど。
プラットホームから階段を上がり、改札を出て川と反対側のMain Streetを北東方向へ歩きます。
Hunter Streetを右に曲がって南にしばらく歩くと刑務所の駐車場が見えてきます。
駐車場には「シンシン刑務所」と書かれた黄色いプレートが。
刑務所の入口には高い柵があって、ちょっと近づきがたい雰囲気です。
奥には監視塔が見えます。
写真を撮っていると警備員が近づいてきたので退散。
このシンシン刑務所は、「ティファニーで朝食を」以外にも、「ウォール・ストリート(続編)」の
マイケル・ダグラス扮するゴードン・ゲッコーが釈放される冒頭のシーンに使われたり、数々の映画に登場し、
ブロードウェイ・ミュージカル「ザ・プロデューサーズ」の中にも登場します。
そんな知名度の高いこの刑務所に、刑罰の歴史、刑務所の誕生と発展などに焦点を置いた博物館を作る計画が
数年前から持ち上がっています。
1828年から多くの凶悪犯罪者を収容してきたこの刑務所は、現在も約1700人の囚人を
収容しています。
現在も使用中の刑務所が観光地になるのも変な話ですが、観光地に収監される囚人達や面会に訪れる家族に
とっても、なんともおかしな感じですね。
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ナツコ・H
- 世界で活躍するジャズ奏者の夫のマネージメント、CD収録曲の作曲を手がける。NYの日系新聞でニュース記事執筆中。法律翻訳家。93年よりNY在住。