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ギリシャのカーニバルシーズン「アポクリエス」の過ごし方
アポクリエスって何?時期は?
ギリシャは今、カーニバルシーズンの真っ最中。カーニバルと言うと、有名なリオのカーニバルなど華やかな仮装パレードが思い浮かびますが、ただそれだけではなく、本来は謝肉祭というキリスト教の行事です。カーニバルという言葉は肉を断つ、肉に別れを告げるというような意味ですが、ギリシャ語のアポクリエスも同じです。
アポクリエスは復活祭の関連行事のひとつで、復活祭前の40日の断食(レント、食事節制)期間を前にしたお祭り騒ぎのシーズン。移動祝日である復活祭に連動し、アポクリエスの時期も毎年少し変わりますが、大体2月頃になります。ギリシャは東方教会に属するため、西方教会のカーニバルや復活祭の時期とは異なるので注意。2018年の今年は1月28日から2月18日までがギリシャのカーニバルシーズン、アポクリエスとなります。
仮装やパーティーを楽しもう
<アポクリエスの行事には古代のお祭りの名残が見られる>
アポクリエスにはギリシャ各地でパレードが行われます。キリスト教の宗教行事ではありますが、それ以前の古代の信仰と融合しているというのが通説で、冬の終わりと新しい生命の芽吹きを祝うディオニュソス信仰のお祭りに関連すると言われています。
パレードが特に大規模で有名なのはペロポネソス半島の街パトラ。開催時期も早く、今年は1月20日にオープニングセレモニーがありました。クライマックスとなるアポクリエス最後の週末(今年は2月17・18日)に催されるパレードは見もので、ギリシャ国内のみならず外国からも多くの見物客が訪れます。また、かつてヴェネツィアに統治されていたクレタ島のレシムノやケルキラ島のカーニバルも有名です。
アポクリエスの期間中、特に週末はあちこちでイベントやパーティーが開かれ、仮装している人を見かけることも多いでしょう。期間中はコスチュームや仮装グッズを売っている店も多くなるので、この時期に旅行される方は仮装を楽しんでみるのもいいかも?アテネ中心エリアではプラカ地区などがお祭り騒ぎになります。
アポクリエスに食べたい料理
最初に書いた通り、アポクリエスは肉を断つという意味ですが、復活祭前の断食に入る前の準備期間のような感じで、段階的に食事節制を進めていきます。
<チクノペンプティの肉料理は、煙モクモク......がお約束!>
アポクリエスの2週目であるクレアティニは、肉を沢山食べる週。通常なら肉を食べない水曜と金曜も食べていいとされます。特にその週の木曜(今年は2月8日)はチクノペンプティと呼ばれ、焼いた肉を沢山食べるのが伝統。肉を焼く煙(チクナ)に由来し、この日は炭火で肉を焼く煙の匂いに街が包まれます。肉料理レストランも、この日は大変な賑わいとなり、ワイワイ楽しそうに食事をする人々で溢れます。チクノペンプティには仮装パーティーもあちこちで開かれ、旅行者もバーやクラブでのパーティーを楽しむことができます。
ティリニによく食べられる料理のひとつ、マカロノピタ(マカロニパイ)。卵やチーズたっぷり。
アポクリエスの最後の週はティリニと呼ばれ、肉はもう禁じられますが乳製品や卵を食べてもいい週。チーズをたっぷり使ったティロピタ(チーズパイ)やパスタ、カスタードパイなどが定番です。
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アナグノストゥ直子
- アテネ在住。主婦業の傍ら、ライター、リサーチャー、コーディネーターとしても活動する。ブログ「ギリシャのごはん」にてギリシャ料理レシピやおいしい話題を発信中。