日本各地には数多くの世界遺産が存在するのをご存知ですか？ 歴史を感じる建造物から、迫力満点の大自然まで、一度は訪れておきたいものばかり。ぜひ旅行のプランに世界遺産めぐりを加えてみてはいかがでしょうか。そこで今回は、国内世界遺産のうちおすすめのスポット10選をご紹介していきます！

世界遺産の定義とは？

人類共通のかけがえのない遺産を守り、次の世代へと引き継いでいくことを目的とした「世界遺産」。1972年のユネスコ総会によって採択された「世界遺産条約」に基づき、世界中の価値のある建造物や遺跡、記念物を「文化遺産」、特徴的な地形や風景、動植物の生息地などを「自然遺産」、その両方の価値を有するものを「複合遺産」として3つに分類して登録しています。世界遺産として登録されるためには、その価値が認められることはもちろん、遺産を将来に渡って守っていく仕組みが備わっていることなど、さまざまな条件をクリアしなくてはいけません。ちなみに2017年7月現在、日本には文化遺産17個、自然遺産が4個、合計21個の世界遺産が登録されていて、毎年国内外から多くの観光客が訪れています。

それでは日本にある世界遺産のうち、日本の魅力を再発見できるおすすめの世界遺産を詳しく見ていきましょう！

1.　古都京都の文化財

世界的人気の観光地として国内外から多くの人が訪れる古都・京都。かつては日本の都として栄えたこともあり、街のいたるところにはさまざまな文化財が立ち並んでいます。その中から、17の寺社・城郭が1994年に文化遺産として登録されました。代表的なものとしては、金閣寺（鹿苑寺）や二条城、平等院、清水寺などが有名で、その建築美は世界から訪れる多くの外国人を魅了してやみません。ちなみに、この文化遺産は「古都京都の文化財」として登録されていますが、その一部には滋賀県の延暦寺も含まれています。

アクセス

金閣寺（鹿苑寺）／京都駅前バスターミナル「金閣寺行」「金閣寺・北大路バスターミナル行」から約40分で「金閣寺道」下車

2.　厳島神社

1996年に世界文化遺産として登録された「厳島神社」。宮城県中部の松島、京都府北部の天橋立に並ぶ「日本三景」として有名な広島県の宮島にある神社で、日本全国にある500以上の「厳島神社」の総本社でもあります。その魅力は何と言っても、海の上に浮かぶ社殿や鳥居。その幻想的で美しい佇まいから、パワースポットとしても人気です。

アクセス

JR山陽本線「宮島口駅」から「宮島口フェリー乗り場」でフェリーに乗りかえ約10分。

3.　知床

2005年、北海道東部に位置する「知床半島」とその周辺の沿岸地域が、北海道ではじめての世界遺産として「自然遺産」に登録されました。キツネやヒグマ、オオワシ、アザラシなどさまざまな希少動物が生息する、豊かな自然は圧巻の迫力です。

アクセス

ウトロ／JR釧網本線「知床斜里駅」から路線バスで60分。

4.　屋久島

推定樹齢2170年～7200年の縄文杉をはじめとした原生林によって作り上げられた「屋久島」。手付かずの優れた広大な自然が残されていることを評価され、1993年に自然遺産として登録されました。

アクセス

「鹿児島空港」より「屋久島空港」まで飛行機で約30分。または、「鹿児島港」より「折田汽船フェリー屋久島2」に乗車し「宮之浦港」まで約4時間。

5.　白神山地

青森県から秋田県にまたがる総面積約13ヘクタールの「白神山地」。1993年に屋久島と並び日本初の自然遺産として登録されました。アジア最大規模と呼ばれる、ブナの天然林は神秘的な美しさを感じさせます。

アクセス

白神ビジターセンター／東北自動車道「大鰐弘前IC」からアップルロードを経由して約60分。

6.　平泉　－ 仏国土（浄土）を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群 －

2011年に登録された東北で初めての世界文化遺産です。11世紀から12世紀にかけた約100年間にわたり、奥州藤原氏が独自に発展させた平泉地域にある中尊寺、毛越寺、観自在王院跡、無量光院跡、金鶏山の史跡がその対象になっています。

アクセス

中尊寺／JR東北本線「平泉駅」から徒歩9分。

7.　富士山　－信仰の対象と芸術の源泉

日本のシンボルとして世界的に有名な「富士山」。富士信仰や芸術、警官といった観点から文化遺産への登録を目指し、富士山域、富士山本宮浅間大社、三保松原をはじめとする25件が2013年に文化遺産として認められました。

アクセス

富士山五合目／JR中央本線「河口湖駅」より富士急山梨バスで「富士山五合目」下車。

8.　法隆寺地域の仏教建造物

1993年に日本で初めての世界遺産として登録された「法隆寺地域の仏教建造物」。聖徳太子によって建てられた法隆寺、五重塔をはじめ法隆寺の建造物48棟が文化遺産として登録されています。うち11棟は現存する世界最古の木造建築と言われています。

アクセス

JR大和路線「法隆寺駅」より徒歩約20分。

9.　姫路城

漆喰の白い城壁の美しさから白鷺城とも呼ばれている「姫路城」は、1993年に法隆寺と共に日本初の世界遺産に登録された文化遺産です。2015年3月、5年間に及ぶ「平成の大修理」によって、美しい姿によみがえりました。

アクセス

JR神戸線「姫路駅」より徒歩20分。

10.　小笠原諸島

「東洋のガラパゴス」の名で知られる「小笠原諸島」は、2011年に登録された自然遺産です。大陸と一度も陸続きになったことがなく、貴重な動植物が多く生息しています。

アクセス

竹芝桟橋より定期船「おがさわら丸」に乗り「父島二見港」まで約24時間。

そのほかの世界遺産

上記以外で、日本にある世界遺産は以下の通りです。

●白川郷・五箇山の合掌造り集落（1995年世界文化遺産／岐阜県・富山県）
●日光の社寺（1999年世界文化遺産／栃木県）
●広島の平和記念碑・原爆ドーム（1996年世界文化遺産／広島県）
●石見銀山遺跡とその文化的景観（2007年世界文化遺産／島根県）
●紀伊山地の霊場と参詣道（2004年世界文化遺産／三重県、奈良県、和歌山県）
●古都奈良の文化財（1998年世界文化遺産／奈良県）
●琉球王国のグスク及び関連遺産群（2000年世界文化遺産／沖縄県）
●明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業（2015年世界文化遺産／山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、岩手県、静岡県）
●富岡製糸場と絹産業遺産群（2014年世界文化遺産／群馬県）
●「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群（2017年世界文化遺産／福岡県）
●ル・コルビュジエの建築作品‐近代建築運動への顕著な貢献‐（2016年世界文化遺産／東京都）

世界遺産候補（暫定リスト）も捨てがたい！

現在はまだ世界遺産に登録を認められていないものの、5〜10年以内の登録を目指すものを記載したリストを「世界遺産候補（暫定リスト）」と言います。そんな暫定リストのなかにも、一度は訪れておきたい魅力的なスポットがたくさんあるので要チェックです。

奄美大島

奄美・琉球独自の進化を遂げた固有種や絶滅危惧種が数多く存在する「奄美大島」は次の自然遺産登録に最も近い候補として注目されています。

古都鎌倉の寺院・社寺ほか

観光名所として人気の古都・鎌倉。鶴岡八幡宮、円覚寺、永福寺といった歴史的な社寺も多く、初めての全国的な武家政権を樹立し、武家文化が創出された地としての歴史的遺産としての価値が世界遺産への推薦理由です。

長崎の教会群とキリスト教関連遺産

日本におけるキリスト教の歴史を語る上で欠かせないエリアです。日本の伝統的な建築技術と西洋の建築技術が見事に融合した美しい建物の数々が、美しい文化的景観を築いています。キリスト教の禁教の歴史が世界的にも注目され、再推薦されました。

人気の世界遺産スポットはもちろん、未来の世界遺産候補の中にも見ごたえのある場所はたくさんあります。ぜひ旅のプランに加えてみてくださいね。