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香港・渡船街で西安料理を食す。驚くほどの画数と驚くほどの太い麺のお店「有緣小敍」
渡船街(Ferry Street )
昔はこのそばが海だったことがわかるこの地名。九龍の佐敦から油麻地の西側エリアは昔は海だった場所。それが埋め立てられ、現在の九龍駅や空港へ向かう高速道路が建設されたんですよね。そんな当時の雰囲気を残しつつ、昔ながらのビルが東西南北に整する渡船街。こんなふうにきっちりとした碁盤の目というのも、香港ではめずらしい。
高いビルに囲まれているせいもあり、ここの路地はいつもちょっと暗め。だから朝来ても昼来ても、どことなく寂しい雰囲気を感じてしまいます。ひっそりとしているわけでもないけど、ひっそり営業しているように見える飲食店たち。その中のひとつがこちらの有緣小敍(You Yuan Xiao Xu)。香港であるようで決して多くはない、中国西安地方の料理を提供するお店なのです。
この店の名物というか、有名なのはこの文字。なにかデザインしたんじゃないかと思わせるこの画数の多さ、書けと言われても絶対間違えるでしょう。
ちなみに発音だと Biang。麺を打つ音から来たとか、もともと主食だった「餅」の音を残したものだとか、色々な説があるようですが、いずれにしても日本ではお目にかからないような字です。
ということでここに来たら外せないのがこのBiang biang麵。日本語で表記するとしたらビャンビャン麺という感じでしょうか。多くの人が紹介の際にアルファベットの発音表記で記していると思ったら、なるほどたしかにこの漢字パソコンで打とうとしてもなかなか出てきません。何か方法があるのかもしれませんが、まぁそこまでする必要もないですものね。
スープがないあえ麺なので、まずはお箸でかき混ぜて。麺の種類はいくつかありますが、その多くが「麺+餃子」という組み合わせです。つまり種類の違いは麺ではなく添えてある餃子の種類が違うということなんですね。もちろん単品で餃子だけのオーダーも可能です。
日本にも太めの麺はあれど、こんなに太いのは初めてかもしれません。以前自分で麺を作ったことがありますが、これも同じ方法で作れるのでしょうか。単純に太くすればいいのか、それとも多少材料が異なるのか。箸の扱いは悪いほうじゃないけど、箸だとなんとなく持ちにくいほどのこの太さ。子供みたいにフォークとかのほうがスムーズだったりして。
週末とはいえ若干時間を外して行ったので、人もまばらな店内。その時間帯だからそうなのか、それともいつもそうなのか店内はどことなく薄暗い。これがまた料理よりも中国のレストランの空気を演出してくれます。そうなんですよね、中国って最新のモール内とかでなければ全体的に薄暗い。こちらでも一番明るいのがこの写真の部分だった、と言えばなんとなく想像していただけるでしょうか。
初めての香港旅行ツアーでこのあたりのお店に連れてこられたような遠い記憶があります。シルクのパジャマとか売る店で、たしか入ったら出口が見えなくなったのが怖い思いをしたような。
あの頃から景色は様変わりし、隣接する九龍駅付近は再開発が急速に進んでいます。今では中国へ直通の新幹線駅建設の音がガンガン響き渡る渡船街。昔はここが海だった、なんてなんだか信じられないような景色が広がっているのです。
インフォメーション
店名:有緣小敍(You Yuan Xiao Xu)
住所:佐敦文苑街36號
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mangonaoko
- 香港人と結婚して数年、猫2匹と香港在住。現在“猫が暮らす香港”をテーマに 水彩イラストを中心に活動中。