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べ、便座がない?! 海外旅行前に世界の公衆トイレ事情をチェック!
観光やショッピングだけでなく、訪れた土地で暮らす人の生活に触れるのも海外旅行ならではの楽しみです。旅先で出会う異文化に感動することもたくさんありますが、日本との違いに慌ててしまう出来事もしばしば。特にトイレに関することは、いざ催してからでは間に合いません。この記事では世界のお手洗い事情、特に現地の人も使っている公衆トイレの事情について説明します。
世界の公衆トイレ事情
渡航先として人気がある国を中心に、それぞれの地域のトイレ事情をまとめてみました。
北米
アメリカとカナダ、どちらも公衆トイレの数は少ないですが、基本的に無料です。日本のトイレと大きく異なる点は個室のドアの下に隙間があることです。中に入っている人の膝から下が丸見えになるくらい大胆に空いています。これはセキュリティ上の理由によるところが大きいようです。それだけ犯罪が多いということなのですね。
南米
ラテンアメリカ観光の目玉はペルー・クスコ、マチュピチュといったインカ文明ゆかりの秘境を訪ねるバスツアーですが、日本と同じように長距離バス内にトイレ設備があるので、小用なら車内で済ませることもできます。ペルー国内の公共のトイレに入る場合は、係員にお金を払うシステムになっています。
ヨーロッパ
パリではサニゼットと呼ばれる全自動洗浄式の公衆トイレが、一般的に街中に存在しています。日本でも人間が立ち上がる動作をセンサーで感知し、便器を洗浄するタイプのお手洗いが普及していますが、サニゼットは便器だけでなく、個室内全体を1分で洗って乾燥します。したがって、室内にうっかり忘れ物をしてしまった際は水浸しになることを覚悟しなければなりません。この手の全自動洗浄式トイレはロンドンなどヨーロッパ各地に導入されています。
中国
海外トイレの凄惨さを語る際に必ず登場するのが中国のニーハオトイレです。個室を仕切る壁がなく、用を足しながらお隣の人と目が合ってしまうことで有名でした。しかし、現在は習近平国家主席が推し進めている「トイレ革命」が進行中。そのおかげで北京や上海といった都市部ではニーハオトイレを見かけることが少なくなりました。ですが、地方ではまだまだ水洗化率も低く、日本にあるような形のトイレはほとんどないと思ったほうがいいでしょう。
韓国
地理的には日本から一番近く、経済的にも発展している国といったイメージの韓国ですが、ことお手洗いの関するインフラ整備はまだまだのようです。トイレの悪臭要因のひとつにゴミ箱が挙げられます。他国と同じように使用済みのトイレットペーパーを流さず、ゴミ箱に入れる習慣があり、ペーパーの品質やトイレの水圧が改善されてもなお、「詰まるから流せない」と思い込んでいる市民が多く、ゴミ箱の撤去作業が進みません。
東南アジア
マレーシアやインドネシアなどイスラム教徒が多い国では、アラブ式の便器が採用されています。日本の和式トイレの金隠しがないタイプだと思えば、想像しやすいかもしれません。日本の和式トイレにはない足置き場もあり、しゃがんだ際の体勢も日本と同様です。
アフリカ
ナイロビ(ケニア)やケープタウン(南アフリカ)のような大都市では、基本的にヨーロッパと同じレベルの生活環境が整っています。ですが、ひとたびダウンタウンや郊外まで足を伸ばすと、公衆トイレと呼べるような施設が皆無といったことも珍しくありません。あったとしても、衛生面で難ありなのは言うまでもありません。
インド
ヒンズー教徒が多いインドでは、食事や物の受け渡しに"不浄の手"とされている左手を使わないことがよく知られています。現地を訪れると、右手だけで器用にカレーをすくう姿を目にすることがあります。実はこの左手、トイレの始末に用いるからなんです。インドのお手洗いにはトイレットペーパーが置かれておらず、左手で用を足した後に洗い流します。便器の形状は、和式やアラブ式とほとんど同じです。
日本では考えられない世界のトイレルール
ここまでは地域別にトイレの概要を紹介してきましたが、日本にはない海外でのトイレ常識をまとめておきます。
トイレットペーパーを流してはいけない
欧米含む多くの国で用を足した後の紙を流すことを禁止しているトイレが存在します。現地語の注意書きなどが読めない場合は、個室内を見渡してみましょう。汚物入れとは異なるゴミ箱が置いてある場合はそこに捨てるルールだと解釈してください。
お尻は手で拭く
イスラム教徒やヒンズー教徒が多い国ではお尻を左手で拭くのが常識です。私たち日本人にとってはビックリの慣習ですが、彼らの感覚ではむしろ紙で拭くほうに抵抗があるといった考え方なのです。文化の違いとして、理解し合いましょう。
ビデ付きトイレ
ヨーロッパでは日本のようなウォシュレットを見かけませんが、小さな便器のようなビデがあります。下半身全般を洗浄できる小さな洗面台のような使い方をされています。ビデは一般家庭やホテルの客室に広く普及しており、お湯も出ます。
整備されたトイレがあるスポット
衛生面・安全面を考えると、少しでも快適なトイレを使いたいものです。旅立つ前に滞在先の以下のスポットを調べておくと、便利です。
ホテル
自分が泊まる部屋はもちろん、レストランやバーが併設されている大規模なホテルなら、お手洗いを借りやすいのでおすすめです。
大規模商業施設
ホテル同様に様々な人が訪れる可能性があるショッピングセンターや百貨店などは、欧米スタイルの清潔なトイレが用意されています。
レストランやカフェ
店内やビル内に必ずトイレがあるはずです。基本的には飲食店利用者を対象としているので、トイレ休憩のつもりで一服しましょう。
有料公共施設
公共のトイレでも管理人常駐で有料運営しているものがあります。一人出る度に個室内を清掃してくれるような丁寧なサービスを提供している場所もあります。料金ではなく、チップという形式で清掃婦にお金を渡すようなシステムの国もありますが、たいていの場合お皿に目安となるコインが置かれているので、迷うことはないでしょう。出かける際は小銭の用意を忘れずに。
もしものときに用意しておきたいトイレアイテム
ハンカチ、ティッシュ以外に、海外でトイレを利用する際に用意しておくと安心できるアイテムを挙げておきましょう。
除菌シート
洋式トイレの便座に直接座るのは不安......というときは、用を足す前に除菌シートで便座を拭きます。
トイレットペーパー
トイレットペーパーが用意されていない国もありますので、1回分のトイレットペーパーを折りたたんで持ち歩きます。
ジップロック
トイレットペーパーを捨てるゴミ箱が見当たらないときは、ジップロックに入れて持ち帰ることができます。衛生面的にも安心です。
以上、簡単に世界の公衆トイレ事情を解説しました。海外旅行の不安が少しは軽減されましたでしょうか? 同じ国でも街によって便座がなかったり、水洗化率が異なっていたり、穴場的なキレイなトイレが存在していたりすることもあります。個人ブログなどに写真付きでレポートしている方もいらっしゃるので、都市名で検索してみるのもいいでしょう。トイレ問題は避けて通れない課題なので、ぜひ事前リサーチをしっかり行い、気持ちの良い海外旅行にしてくださいね。
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