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【山登り道】冬山にはなぜ魅力があるのか?<景信山~城山~高尾山編>
こんにちは!たびこふれ編集部のシンジーノです。
私は山登りが好きです。特に冬山が好きなんです。
冬山がいい?なぜ?
「冬山なんて危ないところに何も好き好んで・・・」とよく言われてしまいますが、ここで言う冬山とは標高3,000メートル級の山ではなく1,000メートル前後の低山で1年中登れる山についてのお話です。首都圏なら丹沢とか奥武蔵とか秩父あたりの山です。
私が思う冬山ならではの良いところは2点あります。①「空気が澄んでいて遠くまでよく見えること」②「人が少なくてゆっくり山歩きを楽しめること」です。
今回はミシュランの星も獲得している高尾山の冬登山の良さをお伝えしたいと思います。
ルートは以下の通りです。
JR高尾駅~景信山(かげのぶやま)~小仏~城山~一丁平~もみじ台~高尾山頂~京王高尾山口駅。
高尾山だけでなく奥高尾まで入れた歩行距離約12km、所要時間約5時間半(昼食、休憩含む)、標高差約530メートルの初心者~初級者向けでありながらなかなか歩きごたえのある縦走コースです。
1月のとある週末、朝8:00にJR高尾駅北口に集合です。
高尾駅の駅舎は「関東の駅百選」にも選ばれているお寺さんのような威厳のある立派な建物です。ここからバスで約15分、奥高尾エリア登山の拠点でもある小仏バス停に向かいます。
終点の小仏バス停まで乗り、ここでトイレを済ませ、靴の紐をしっかり締め直し、ウオーミングアップします。
さあ、いよいよ出発!
準備が整ったらさあ出発です。小仏バス停から登山口まで約15分、アスファルトの道を上っていきます。この道もそこそこの斜度がありますので、あわてずゆっくり歩きます。
この案内板があるところが景信山への登山口です。ここから本格的な山道に入ります。
今回の参加者は「山は人生のすべて」というK隊長を筆頭にチームKURASAWAのメンバーです。左からS役員、G隊員、K隊長、初参戦のM隊員、山の面白さを知って生活がガラッと変わったというI隊員と私の6名です。
登山口から景信山頂まで標高差約400メートルを1時間ほどで一気に登ります。今回のルートで一番しんどいところです。
山登りの登り始めのコツは?
急がないことです。体をアイドリングしながらその日の自分の体調を確認しながら、ゆっくりゆっくり体を山に合わせていきます。冬の冷気が体を引き締め、気持ちいいです。この日は空気は冷たいですが、日差しは温かく、風もなく絶好の山登り日和でした。私は10月の終わりに右膝の半月板断裂をやってしまい、今回は約3か月ぶりの復帰戦でしたのでより慎重に登りました。
途中小休憩をとりながら登ります。冬といっても登っていると汗ばんできますので、暑くなりすぎないうちにジャケットを脱いだりして衣服を調整することが山登りでは大事なポイントです。重ね着が基本ですよ。
景信山登頂!
登り始めて1時間、この日最初のピーク景信山(727m)に登頂です。
山頂には休憩できるテーブルや椅子がたくさんあります。こちらが八王子~東京方面の景色です。写真ではわかりにくいですが、横浜ランドマーク、スカイツリー、この日はつくば山まで見えましたよ。
さあ、●●のお出まし~!
そして西側を仰ぎ見ると・・・
富士山、ドーン!これが冬山の良さです。春~秋は天気が良くても霞んでいて富士山が見えないこともよくあります。冬はくっきりはっきり見える割合が格段に上がるのです。今日来てよかった~。
雲ひとつない青空です。山頂の標示板も絵になりますね。
時間は朝10時過ぎでしたが、人影もまばら。これも冬山の良い点です。休憩場所は選び放題!紅葉シーズンは人でいっぱいですから。
「写真も良いが、動画はないのか?」という方、はいはいちゃんとありますヨ~
茶屋も山登りの楽しみのひとつ
こちらが茶屋です。高尾山エリアには雰囲気の良い、充実した茶屋がたくさんあります。山頂にある茶屋としては品揃えは最高レベルではないでしょうか?ここ景信山の茶屋では、なめこ汁、山菜の天ぷら、うどんなどが名物です。
なめこも売っています。料理のレシピも無料で付いてきます。しかしこのなめこ、でかいですね~
景信山頂で30分程度休憩し、景色を堪能したら次の城山に向かいます。
旧甲州街道の小仏峠
いったん小仏峠(548m)まで下ります。小仏峠は旧甲州街道の要所だった所でたぬきの置物が出迎えてくれ、今も当時の雰囲気がそこはかとなく漂っています。
明治13年には明治天皇が山梨巡幸の際に休憩されたそうで、立派な碑が立っています。
冬らしさがあちこちに
小仏峠から城山まで再び登りになります。冬らしく霜柱をあちこちに見ることができます。ザクザク。
景信山~小仏峠~城山までは30~40分です。こちらが城山山頂(670m)です。
城山からも富士山はしっかり拝めました。こちらから相模湖方面に下山することもできます。
登頂記念写真をパチリ。
山宴会もできる城山茶屋
城山の茶屋も充実しています。山頂とは思えないほど品揃えは充実していて山宴会が出来ます。
名物のなめこ汁。見た目はさほどではありませんが、なめこから出るとろみがすごいです。とろっとろです。体があったまる~。250円也。
おしるこも体を温めてくれます。小さなお餅が5個も入ってました。300円也。
その他におでん(500円)や甘酒(300円)も手作りで美味しいですよ。今回は城山で昼食&山宴会です。各々が持って来たおにぎり、乾きもの、おでんなどをつまみに日本酒を沸かして熱燗にして飲みました。山の上で味わう温かい飲み物と食べ物はなによりのごちそうです(帰り道、大丈夫だろうか・・・)
ゆったりと2時間近く城山で休憩した後は一丁平へ向かいます。今回のルートでは景信山が一番標高が高く、それ以降は基本的には下り基調となるので(もちろん山道なのでアップダウンはありますが)景信山に登ってしまえば後は比較的楽です。特に城山~高尾山間は整備されていて木道が多く、初心者にも安心です(逆に山道をガンガン歩きたい人には少々物足りないくらいに整備されてしまっています)。こんな感じの木道が続きます。
一丁平(555m)の展望台からの景色です。午後になり、富士山も霞んで見えにくくなってしまいました。山の眺望はやはり朝~午前中が勝負ですね。
私がとっても好きな場所
一丁平は森の中のようないい感じの雰囲気を持っていて私が好きな場所です。茶屋はありませんが、整ったトイレもあり、静かで休憩するのに良い場所ですよ。(今回はトイレは閉鎖されていました)
時代劇の舞台か・・・?
高尾山までの道中は奥高尾エリアになりますが、すすきが多く見られます。なんか時代劇のロケにぴったりだと思いませんか?子連れ狼の親子が歩いてきそうな雰囲気です(笑)しとしとぴっちゃんしとぴっちゃん!
一丁平を過ぎ、階段をぐぐっと登っていく(はぁはぁこの階段がけっこう息はずみます)と、もみじ台(551m)に到着です。
もみじ台は小さな休憩地ですが、私はここの茶屋 細田屋さんをおススメします。
シンジーノいちおしのメニュー
ここの名物は高尾で作っている手作り豆腐の冷奴となめこ汁なんです。
どうです?山の上とは思えない豪華さでしょう?この豆腐は堅めの木綿豆腐でしっかり歯ごたえがあります。なめこ汁もなめこがごろごろ入っていて三つ葉が味にエッジを効かせています。また写真にはありませんが、とろろそばもおススメです。高尾山はとろろそばを名物にしているお店が多いのですが、このもみじ茶屋のとろろそばはとろろがとてもしっかりしていて、箸でつまむとお餅のように上に持ち上がるほど粘りの強いとろろがたっぷり入っているんです。高尾山のとろろそばの中では私イチオシです。(今回は時間的に細田屋で休憩しなかったので冷奴となめこ汁の写真は以前撮ったものです)
もみじ台から高尾山頂(599m)はすぐです。さすがに高尾山頂は人が多かったですね。
こちらが高尾山頂からの景色ですが、富士山ももう見えませんでした。
個人的には高尾山頂は人がすごく多く、景色もそれほど良くはないのであまりおススメではないです。ここより先の奥高尾(もみじ台~一丁平~城山~景信山~陣馬山(今回は行ってません))の方が山歩きをたっぷり楽しめて好きですね。
高尾山頂からの下りはいくつものルートがあり選べます。疲れた場合はケーブルカーやリフトも使えるのですが、私たちは稲荷山コースを下りました。
高尾山にほぼ平行する稲荷山の尾根を歩くコースでアスファルトの参道ルートなどより山道が楽しめますのでおススメです。
高尾山頂から約1時間でケーブル・リフトの高尾山駅に到着します。おつかれさまでした。ここから5分程度歩くと京王の高尾山口駅に出ます。
この京王高尾山口駅もすっかりきれいになりました。この駅には京王高尾山温泉が出来たのですが、混雑しているそうです。私たちはいつも高尾の地元の人たちに愛される温泉「ふろっぴぃ」に行きます。無料送迎バスが高尾山口駅から1時間に1本(毎時10分)出ていますの便利です。ふろっぴぃでは2時間コース800円がお得です。(タオルは有料なので持参することをおススメします)
登山者にとって下山後のお風呂はなによりのご褒美です。疲れて汗ばんだ身体を浴槽に沈めると「ぐぅあ~っ!」と思わず声があがる至福のひとときです。生きててよかった!ふろっぴぃからは京王高尾駅まで送迎バスが出ています。そこの居酒屋で今日の反省会です。仕事帰りの宴会とは比べものにならないほど気持ちよく、酒も進む進む。山仲間が仲良くなれるのは同じ苦労を共有しているからだと思います。みんな笑顔で語り合います。そして贅沢でしあわせな休日は終わりを告げます。(編集部註:残念ながら現在ふろっぴぃは閉店してしまったそうです(泣))
いかがだったでしょうか?冬山の面白さが伝わったらうれしいです。
【冬山に登る時の注意点】をもう一度まとめます。
①衣服ですが、気温は低くても山では汗をかきますので、着脱しやすい服を重ね着で。綿よりもポリエステルなど汗を吸わず、かつ通気性のよい素材が良いでしょう。
②防寒、転んだ時ケガをしないよう手袋は必須です。帽子も枝がひっかかったりするので被っていた方が良いです。
③山登りで一番重要なのは靴です。底のしっかりしたすべりにくい靴、できれば登山靴でローカットよりハイカット(くるぶしまであるもの)が捻挫しにくいのでおススメです。
④天気が良くてもレインウエア(合羽)は持っていった方が良いです。防寒着としても活躍します。
今回のタイムスケジュールは、以下のとおりです。
朝8:00集合<JR高尾駅北口>8:12発→8:30着<小仏バス停>8:40発→8:55着<景信山登山口>8:57発→9:50着<景信山山頂>10:20発→10:50着<城山>12:30発→13:30着<高尾山山頂>13:35発→14:30着<高尾山ケーブル駅>
本来の表ルート(というかわかりませんが)は京王高尾山口→高尾山頂→もみじ台→一丁平→城山→小仏峠→景信山になるのでしょうが、私たちはこれを逆に辿りました。理由は2点。最初に景信山に登ったら後は下り基調になるので歩きが楽なことと、比較的好いているからという点です。どちらにしても高尾山以降の奥高尾がこのルートの真骨頂です。(時間があればその先の陣馬山もおススメです。高尾エリアでは一番高い山(854m)で山頂からは360度、遮るものがない広々とした眺望で絶景です。)
文中の時間、料金などは2018年1月時点の情報です。現地に行く際は最新情報を得てからお出かけください。
山登りの面白さは冬山にあり!ぜひ一度みなさんもお試しください。今まで知らなかった世界に出会えるかもしれませんよ。
それではまた!
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シンジーノ
- 3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。