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冬はスキーリゾート!ギリシャ人気の街、カラヴリタの魅力
ペロポネソス半島の町カラヴリタ
島や有名な遺跡以外にも素敵な場所がいっぱいのギリシャ。ちょっと田舎へ行くと、伝統を感じさせる素朴な村々や自然の美しさに癒されます。
ペロポネソス半島のカラヴリタは、夏は避暑地、冬はスキーリゾートとしてアテネからも多くの人が訪れる人気の町のひとつです。私たちも、ほぼ毎年スキー旅行に出かけています。地理的にはペロポネソス半島の北部中央辺りに位置し、アテネからは西に約180kmのところにある山間の町です。
ぜひ乗ってみたいギリシャ唯一の登山鉄道
通称オドンドトスと呼ばれるラック式鉄道が走るのは、ギリシャではディアコフト~カラヴリタ間の路線だけ。全長22.3km、1時間強の道程となります。切り立った渓谷を走る迫力満点のこの路線は、雄大な自然の美を間近に見ることができてとても人気です。アテネからディアコフトまでは乗り換えがあったり少しややこしいので、ツアーを利用するのが便利かもしれません。
途中、立ち寄ってみたいのが、岩山の中腹に建つメガ・スピレオ修道院です。こちらはメガロ・スピレオ駅下車。静かな村も美しいので、散策を楽しんでみて下さい。
初心者から上級者まで楽しめるスキー場
カラヴリタは、ギリシャ有数のスキー場があることでも知られています。アテネからスキーに行くなら、大体パルナソスかカラヴリタという人が一番多く、日帰りツアーも多く出ています。
スキー場のあるヘルモス山までは道路の状態がよく、ノーマルタイヤの車でも行きやすいということもカラヴリタスキー場が人気な理由です。大雪の時は道路も雪があったり凍てついてることもありますが、それ以外はこの通り、スイスイ。
積雪はその年によってかなり違いますが、今シーズンはクリスマス頃からしっかりと積もっていたので、ゲレンデのコンディションも上々。冬休みは大変な賑わいでした。
ギリシャのスキー場の魅力は、ヨーロッパらしいお洒落な雰囲気と、がっつり滑る人以外(なんなら、お茶しに行くだけでも!)も楽しめる「ゆるさ」にあると思います。
スキー場が開いている時期は大体12月下旬~3月ぐらいですが、その他の季節、山歩きもおすすめです。
今なお残る戦争の傷痕
カラヴリタの町が、どこか陰を感じさせるのは、この地で行われた凄惨な虐殺の傷が決して癒えるものではないからでしょう。第二次世界大戦下の1943年12月13日、ギリシャの反乱軍がドイツ軍の捕虜を処刑したことに対する報復として、少年を含むカラヴリタの男性を皆殺しにし、建物に火を放って町を完全に破壊するという残虐行為が行われました。13歳から80歳までの男性が連れて行かれ銃殺された町外れの丘には、白い大きな十字架と慰霊碑が建てられています。
広場の教会の鐘楼には、ドイツ軍による放火の時に止まったままの時計(左側)が残されています。また、女性や子供たちが閉じ込められ火を放たれた学校は、現在ではギリシャ唯一の虐殺博物館となっています。
カラヴリタのグルメ&お土産
カラヴリタのグルメは、土地柄、肉料理が多めです。炭火で焼いたラムチョップや地元産のスパイシーなソーセージ、煮込みなど。冬はイノシシやシカなどジビエ料理もぜひ味わってみて。特産品の樽熟成フェタチーズ、素朴な手打ちフィロ生地のパイもおすすめです。ヘビーな肉料理は、ほろ苦いホルタ(茹でた野草のサラダ)と一緒に食べるとさっぱりしますよ。
お土産に定番の蜂蜜は、モミなどフォレストハニーがイチオシ。他によく見かけるのはギリシャ各地で作られるシロップ煮ですが、カラヴリタ周辺ではバラやニンジンのが有名です。軽めのものでは、手作りパスタや薫り高い乾燥ハーブ、ハーブティーなど。
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アナグノストゥ直子
- アテネ在住。主婦業の傍ら、ライター、リサーチャー、コーディネーターとしても活動する。ブログ「ギリシャのごはん」にてギリシャ料理レシピやおいしい話題を発信中。