イタリアで過ごす伝統的なクリスマス

新しい年を迎え、ここイタリアではゆっくりとクリスマス休暇が終わりへと近づいてきています。イタリア人にとってクリスマスとはどういう文化なのでしょうか?今回はカトリック教国であるイタリアでのクリスマスを紹介します。

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イタリア語でクリスマスはNatale(ナターレ)と言い、間違いなく1年で最も重要なイベントです。カトリックの国ですから宗教的な意味合いももちろんありますが、現在では日本におけるクリスマスと同じように、プレゼントやお祭り気分の象徴とも言えます。

今年はローマの街の広場に置かれたクリスマスツリーが「枯れ木にしか見えない」「残念すぎる」と話題になりましたが、通常はどの街や自治体も美しい立派なツリーを設置し、商店街などでもお金を出し合ってイルミネーションを飾ります。不況の煽りを受けて年々縮小傾向ではありますが、中世の街並みがイルミネーションに輝く様子はやはりウキウキとした気持ちにさせてくれます。

画像はモンテカティーニ・テルメの広場に設置された、七色に色が変化する電飾ツリーです。

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クリスマスシーズンのお楽しみの一つが、各地で開かれるクリスマスマーケット。

ドイツのものほど本格的ではありませんが、甘いホットワイン片手に市場を見て回ると一気にクリスマスムードが高まりますね。フィレンツェでは毎年サンタ・クローチェ広場で大きなクリスマスマーケットが開かれます。私は残念ながら今年はフィレンツェの市場はパスしましたが、その代わりモンテカティーニ・テルメやショッピングモールのクリスマスマーケットに行って来ました。

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クリスマスマーケットに並ぶ屋台の内容は様々ですが、やはり本場であるドイツやオーストリアなどの食べ物が多く並びます。その他にも職人たちの手作りオーナメントやアクセサリー、キャンドルなど、見た目にも華やかな商品が並ぶことが多いです。全国各地で様々なクリスマスマーケットが開かれますので、12月半ば〜末頃イタリアを訪れる際には是非立ち寄って見てくださいね。

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子供たちのお楽しみは、もちろんサンタさんからのプレゼント。

この時期になると各地でサンタ来場イベントや、「サンタの家」というサンタさんに会えるイベントが数多く開催されます。サンタの家では優しいサンタさんが子供たちとお話をして、一年間良い子だったかどうか、プレゼントには何が欲しいのか、サンタに手紙を書いたかどうか、などを聞いてくれます。

私が行ったイベントではどの子も最初のうちモジモジと緊張していましたが、サンタが「今年は良い子だったかな?」と聞くと子供たちは迷いなく元気に「Si(はい)!」と答えていたのが印象的でした。後ろでご両親が苦笑しながら、「まぁ大体はね」なんてツッコみを入れてサンタさんの笑顔を誘っていました。

最後は一人一人の子供たちがサンタさんの膝に乗って写真撮影。こういうシーンを欧米のクリスマス映画で何度が目にしたことがありますが、実際もまさしく映画のワンシーンのようで、怖がって泣き出す子もいれば、ヒゲを引っ張ろうとするイタズラっ子も。サンタさんは、なかなか大変なお仕事ですね。

娘が通う幼稚園や公園にもサンタさんがやって来て、子供たちに小さなプレゼントを渡して周りました。幼稚園には宗教の時間があり、そこで宗教的なクリスマスの意味についても習ったようですが、やはり子供の心の中には「プレゼントがもらえる!」という部分が強く残ったようです。

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クリスマス当日は家族や親戚が集まって盛大な食事をするのが習慣。

南イタリアではイブをメインに祝う習慣のある地方もありますが、私が暮らすフィレンツェでは最も盛大に祝われるのは25日のランチです。大切な人と、お腹がはち切れるまで食べるのがクリスマスのお約束。クリスマス当日以外もこの時期は連日連夜家族や親しい友人と集まるパーティーが開かれ、豪華なご馳走が振る舞われます。

この時期イタリアを旅する場合は、クリスマス・イブや25日のレストランの営業状況については事前にチェックしておいた方が良いでしょう。クリスマスは家族と自宅で過ごす人が多いため、地元に根付いたお店ほど休業している可能性が高いからです。営業していたとしても普段とはメニューが違ったり、コース料理のみの提供になったり、事前予約必須となることもあるので、注意が必要です。ロマンチックなクリスマスディナーを希望していたのに、開いているお店が見つからなくてレストラン難民になる...なんてことも!?レストラン以外の商店もクリスマス当日はお休みすることが多いので、この時期の観光には少し注意が必要です。

イタリア人にとってクリスマスは、大切な人たちに思いを馳せる時期でもあります。普段は会えない友人や遠方の親戚とも連絡を取り合い、近況報告やお祝いを言い合う習慣があります。これは日本人にとっての年賀状に、少し似ているかもしれませんね。

日本と少し違う点は、我が子や恋人以外にもプレゼントを贈ること。親戚、ご近所、パーティーで顔を合わした友人や普段お世話になっている人など、複数のプレゼントを用意しなければならないので、クリスマスシーズンの出費はイタリア人家庭にとって結構大きな打撃だったりします。逆に言えばこの時期は経済活動がぐっと活発になるということで、商店や職人たちにとっては1年で最も大切な稼ぎ時。クリスマス商戦が日本以上に活発なのも納得です。

クリスマスのデコレーションは、年末年始もそのままにして1月6日の公現祭を迎えるのが習わしです。新しい年になってもツリーが飾ってありますが、これは決して片付けるのが遅れているわけではないのです。新年を迎えてからもまだしばらくはキラキラと輝くイルミネーションを楽しむことができるので、ちょっとお得な気持ちになれるイタリアの習慣です。

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佐藤 モカ

イタリア・フィレンツェ在住。作家、フリーライター、マーケティング各種リサーチやコーディネートなど。2013年女児出産、現在育児奮闘中。

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