ベトナムのバンメトートで少数民族と会う

ベトナムの中部から中南部にかけて広がる高原地帯は、「タイグエン」とよばれていて、複数の山脈が連なっています。標高は500~1500メートルほどで、それぞれの高原にはベトナム人や複数の少数民族が平和に暮らしています。

今回歩いてみたのは、中南部高原地帯のバンメトート郊外。バンメトートはコーヒーの町として外国人にも知名度はあります。その町の市街地から郊外へ1時間ほど車へ走ると、ラック湖があります。この湖はゾウ乗り体験ができる観光スポットでもあり、筆者が訪れたときも欧米人ツアー団体で賑わっていました。

ラック湖から歩いた先にあるブオンジュン村

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ラック湖から3分ほど湖にそって歩くと、辿り着くのがブオンジュン村。ここはバンメトート含む周辺地帯に最大規模として暮らすエデ族の村です。ちなみに、ここは観光エリアでもあり、ラック湖でゾウ乗り体験をする前後に見学に訪れるツアーのルートにもなっています。道の左右には大小の家々が軒を並べていて、どの家も玄関門は空いていて中庭の様子を見ることができます。

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タイグエンで暮らす少数民族は、このような一棟の高床式で奥行のある家屋が建築の象徴となっています。こちらは「ロングハウス」と呼ばれる家屋。中は特別な仕切りや部屋がないのが普通。高床式なのは、道路が雨で冠水しても床上浸水しないように。一見古い建築様式ではありますが、理にかなった造りですし、道路インフラの悪いベトナムにおいてはいまだ利用価値の高い方法であるといいます。

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エデ族の人々は、どの家でもコーヒー豆を作って生計を立てています。このコーヒー豆はベトナム人が買い取り、市場やお店で売られています。また、この周辺で暮らすエデ族を含む少数民族は、民族衣装を脱いで私たちと変わらない普段着を着て生活しています。写真やガイドブックで見るような独特の民族衣装は見られないのは、いささか残念ですね。

少数民族の民芸品をお土産に

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外国人にも広く門を開いているため、家によってはこのようにお土産を売るところもあります。ここで売っているものの多くは彼らが作った民芸品。竹や水牛の角で作った伝統楽器や、器や箸といった台所用品。また、エデ族が冠婚葬祭で飲んだりする伝統酒もあります。

ムノン族が暮らすブオンマリン村

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ブオンジュン村の傍には、ブオンマリンという村があります。車で5分も行かないところですが、大通りから外れたあぜ道の先なので、チャーターした車の運転手に連れて行ってもらうといいでしょう。ツアーに参加した場合は、ラック湖とブオンジュン村はセットで見学することができますが、ここブオンマリン村は普通は通りません。個人旅行者だけが行ける特権と言えるでしょう。

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ブオンマリン村周辺は見渡す限りが草原。どこまでも続く田園風景と、その背後にある手つかずの自然が残る山脈。タイグエン独特の高原風景です。ここで暮らすムノン族は、パッと見るとその生活はエデ族とほぼ変わりません。人々の多くはコーヒー豆ではなく、水牛をひいて稲作を行い、家畜でイノシシを飼育しています。

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家畜として牛や豚を飼育する畜産家はそれほど珍しくはありませんが、御覧のようにイノシシを飼育している様子を見る機会はそれほど多くはないのでは。しかし、ここでは野生のイノシシも非常に多く、家畜として飼育する家はいたって普通。バンメトートの市街地のレストランでも、イノシシ肉を使った料理は多数見ることができます。

ラック湖の畔にあるブオンジュン村と、田園風景に溶け込むようにひっそりとあるブオンマリン村。もしバンメトートに行く方は、是非2つの村を双方訪れてみてください。彼らの素朴な生活風景を見ることができます。

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古川悠紀

ホーチミンに移住して自由気ままに生きています。ライター業と取材を生活の糧にしているためベトナム全土を駆け回っています。趣味はバドミントン!

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