黄大仙と獅子山の麓の九龍十三郷~竹園郷

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日常生活の中で"途中下車"って、実は簡単なようで難しい。よほど急ぎか、よほどの理由でもない限り、いつかいつか・・・と先延ばしになるものですよね。いつもいつもバスの中から眺めて気になっていた景色。獅子山を後ろに臨む黄大仙、風水を信じるかどうかに関わらずここはなんとなく良い気がする場所です。

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その黄大仙のすぐ真横には、いつもたくさんのミニバスが停まるミニバス停があります。ダブルデッカーの2階から眺めると、その様子はまるでミニカーのよう。

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私がずっとずっと気になっていて、いつか近くで見てみたいと思っていた景色。それはそのミニバス停の隣に時が止まったように存在する竹園鄉なのです。

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この黄大仙には高級マンションがまだほとんどなく、古い団地か住宅ビルのみ。駅前が黄大仙祠ということもあり、他のエリアに比べたら密度感が薄く感じられるかもしれません。それでも四方を高いビルに囲まれて、"取り残された"ように存在する竹園鄉。

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ここは九龍十三鄉のひとつ。九龍十三鄉とは1960年以前にこの九龍地区にあった規模が比較的大きい村、つまり13個の村のことなんですね。でも残念ながら時代が進むと同時にこの九龍十三鄉も残りわずかとなってきています。

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ここ竹園鄉も現在人が暮らしている現在進行形の村。でも地下鉄駅間近という立地、いつかきっとなくなるであろう昔ながらの小さな村なのです。

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隣がミニバス停ということもあり、このように並ぶ小さな商店。バスの運転手さんはもちろん、ミニバスに乗る前に寄る人も少なくないのかもしれません。

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昼食を済ませた後でしたが、せっかくなので立ち寄っていくことにしました。冷房はあれど、ご覧の通り建物自体が簡単な造り。なんとなく温い空気が漂っています。私が来たこの日も、冷房ではなく大きな扇風機がゆっくりゆっくり首を振っていました。

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昔ながらの香港B級グルメ、以前にくらべたら美味しいのが少なくなったと聞きます。この焼売も本来の材料を少なくするためか、フワフワと膨らまされたものも多いとか。昔と違って大量生産が必須、こういうのも時代に伴う変化のひとつでしょうか。

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直前に誰かが使ったわけでもないのに蓋が閉められてない調味料たち。緩いのは空気だけじゃありません。

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こういう昔ながらの場所、なくなってしまうのは寂しい気もするのですが、実は60年代の頃でも決して豊かとはいえなかった人が住んでいた場所でもあるのです。2017年の時代についてきていないような簡単な住宅、今年発生した大型台風にはとても耐えられそうはありません。

この日の気温35度。トタン屋根で囲まれた古い古い部屋はどれだけ暑いことでしょう。

守って残す、言葉で表すほど簡単なことではないのかもしれませんよね。眩しいネオンや夜景のイメージが強い香港。でも街の中にはこんな風にちょっと昔の香港が今でもまだ存在しています。この日があったから存在する今日という日、そう思うとなかなか感慨深いものがあるのです。

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香港人と結婚して数年、猫2匹と香港在住。現在“猫が暮らす香港”をテーマに 水彩イラストを中心に活動中。

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