マロニエの街路樹も落葉を始め、パリはすっかり秋の装い

Bonjour!

マロニエの街路樹も落葉を始め、すっかり秋のパリ。この季節、トレンチコートやロングブーツで装ったパリジェンヌ達が古い石畳を歩く光景はとてもフォトジェニックで美しく、見ているだけで"パリにいるんだな〜"と実感してしまいます。フランス各地ではワインを作る葡萄の収穫が終わり、街のあちこちのワンショップでは「フォワール オー ヴァン（FOIRE AUX VINS）」と書いたワインの大売り出しの広告が出ています。

（「フォワール オー ヴァン」とは、今年の葡萄から作られる新酒が売り出される前にこれまでの在庫ワインを放出する大売り出しのこと。スーパーや大手リカーショップではもちろんのこと、街の小さなワインショップでも行われる。）

パリらしい秋の光景を堪能するなら...パリジャンのオアシス「パレ ロワイヤル」へ

そんな秋まっさかりのパリの光景が堪能するのにオススメなのがパレ ロワイヤル（Palais-Royal）です。一般解放されているこちらの庭園の中心には大きな噴水があり、噴水を取り囲む公共のベンチで多くの人々がくつろいでいます。噴水の周囲には季節の草花とバラが植えられた花壇、さらに外側には街路樹の植え込みが配置され都会のオアシスという言葉がぴったりです。さらにその外側を店舗スペースをもつ回廊が取り囲みます。

庭園はチュイルリー公園にも似ていますが、パレ ロワイヤルの方が規模が小さいため観光客は少なく、子連れカップルやビジネスマンなど地元パリジャンが多い印象です。また、この店舗スペースのある回廊がパレ ロワイヤルの大きな特徴なのです。



（中央の花壇から樹木の植え込みを通して店舗スペースの回廊が見える。）

（中央にある大きな噴水のまわりでくつろぐパリジャン。奥に見えるのがフランスの文化・通信省の所在する部分。）

はじまりは借金返済ための不動産経営！？パレ ロワイヤルの店舗スペース。

代々王侯貴族の持ち物だったパレ ロワイヤルですが、フランス革命少し前の持ち主オルレアン公ルイ・フィリップ2世が借金を返済するために（！）宮殿内の庭園を取り囲むように店舗スペースを作り不動産経営を始めたため、カフェやショップの立ち並ぶ繁華街となりました。現在もパレ ロワイヤルの庭園は一般に解放されており、昔のまま残っているクラシックなタイルの回廊やかつての店舗のサインをみることができます。また、店舗スペースは現代もファッションブランドの店舗等として利用されていますので、歴史とモダンの融合したとてもパリシックな雰囲気を味わう事ができます。

（昔のまま残っている、美しいパレ ロワイヤルの回廊と店舗スペース）

パレ ロワイヤルでは庭園および店舗となっている一階の回廊以外は一般公開されておらず、現在南側（セーヌ側）の正面部分には政府の機関である「文化・通信省（ministère de la Culture et de la Communication）」が所在しています。上階の一部はアパルトマンとなっており、フランスを代表する女性作家コレット（Colette）もここに住んでいました。当時はジャン コクトーなどの芸術家達がよく遊びに来ていたそうです。パレ ロワイヤルのどこかに表示がありますので興味があれば探してみてくださいね。

パレ ロワイヤルでのティータイムにオススメのカフェはココ！

　パレ ロワイヤルには庭園に面していくつかのカフェがあるのですが個人的なオススメはなんといっても「カフェ キツネ（Café KITSUNÉ）」です。こちらは音楽レーベル、ファッションブランドの展開など様々なアート活動を展開するパリのクリエイター集団「キツネ（KITSUNÉ）」が展開するカフェなんです。カウンターとテラス席数席だけの小さなスペースですが、歴史的な魅力あふれるパレ ロワイヤルの光景と現代的でオシャレな雰囲気が見事にマッチし、地元パリジャンや観光客に人気のスポットとなっています。雰囲気はもちろんのこと、最大の魅力は何と言っても美味しいエスプレッソやカプチーノ。場所は正面である南側の入口（文化通信省、メトロ一番線の出口がある側）から入って左手の回廊をしばらく進んで左手の店舗です。間口が狭いので見落とさない様に注意して下さいね♪

（美味しいエスプレッソを飲みながらパレ ロワイヤルの光景を眺める贅沢なティータイム）

Café Kitsuné Paris at Palais Royal
51, Galerie Montpensier
75001 PARIS