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イタリア人からも人気が高い、トスカーナのマリンリゾート「フォルテ・デイ・マルミ」
トスカーナと言えば丘陵地帯というイメージがあり、多くの日本人の方には海のイメージはないかもしれません。
しかし、フィレンツェから1時間半ほどのエリアには、いくつかマリンリゾートがあります。そのうちの一つが、イタリア人も憧れる高級リゾート地「フォルテ・デイ・マルミ(Forte dei Marmi)」です。ティレニア海に面した小さなリゾート地ですが、優雅でオシャレな雰囲気はハイシーズンには多くのセレブリティを魅了します。
ただ、私が訪れた日は雨だったので、雰囲気が伝わりきらないのが残念ですが、写真と共に街の雰囲気をお伝えしたいと思います。
ゆったりとリゾートライフを楽しむ街「フォルテ・デイ・マルミ」
「フォルテ・デイ・マルミ」はルッカ県に属します。
近隣には「ヴィアレッジョ」というもう一つのリゾート地がありますが、こちらは幾分若めの旅行者が多い印象で、イタリアオペラ界の巨匠、ジャコモ・プッチーニが多くの名作オペラを書き上げた湖畔の家があることでも有名です。
一方、今回紹介する「フォルテ・デイ・マルミ」はベルギー王室アルベール2世のお妃様の出身地で、観光地という意味では「ヴィアレッジョ」よりも落ち着いた印象です。
「フォルテ・デイ・マルミ」は大理石の産地として有名ですが(フォルテ・デイ・マルミの"マルミ"は大理石という意味)、特にこの施設や絶景を見る、というよりものんびり海でくつろいだり、美味しいシーフードを食べたり、気ままにショッピングを楽しむ、優雅なリゾートライフを楽しむといった人が多いようです。
人口はわずか7700人ですが、セカンドハウスを持っている人が多いので、バカンスシーズンには驚くほど人が増えるそうです。
イタリア人のセカンドハウス事情は?
その流れで、イタリアのセカンドハウス事情について少し話を聞いてみました。
少し昔までは一般的にバカンスシーズンを過ごすセカンドハウスを持っている家庭が多かったそうですが、近年では土地や不動産の価格が値上がりして、ロシア人が購入しているケースが多いとか。今ではイタリア人でもセカンドハウスは憧れになりつつあるそうです。
私たちはフィレンツェから車で行きましたが、フィレンツェのサンタマリアノヴェッラ駅からも電車が出ています。1時間50分ほどで到着するので、朝早く出発すればフォルテ・デイ・マルミでランチを楽しんでから日帰りも可能ですね。
リゾート地らしい街並みは、やはり晴れてこそ...
ヤシの木が並木道となっており、リゾート感のある街並みです。
本当になぜ雨の日に行ってしまったのか......悔やまれます。お天気は残念でしたが、シーフードが充実したレストランはたくさんあります。内装も可愛らしいお店が多いので、ぜひ歩き回ってお気に入りの雰囲気のお店を探してみてくださいね。
カワイイ&おいしいレストランが充実
こちらのレストランは内装も漁師小屋のような雰囲気で、とても可愛らしいです。壁にはヒトデやロープが飾ってあって海を感じさせてくれます。
ここへ来たからにはシーフードを楽しまなければ!と言うことで、シーフードの盛り合わせをオーダーしてみました。
シーフードは「frutti di mare(フルッティ・ディ・マーレ)」と言います。盛り合わせは「misto」または「misti」なので覚えておくと便利です。
前菜盛り合わせのことは「antipasto misto」と言うので、前菜を少しずついろいろ楽しみたい時にはぜひ使ってみてくださいね。
特にヨーロッパ人に人気なのはムール貝。白ワインで蒸してあるので香りもよく大量にたいらげるイタリア人を見かけることもしばしばです。(本当にバケツ1杯ぐらいの貝殻が出るほどの量です!)イカやタコの他、白身魚は鱈なども人気です。
比較的淡白な味のものを素材の良さで勝負しているという感じなので、魚に慣れ親しんでいる日本人にも食べやすい味です。日本人は魚好きの民族ですから、臭みが強かったりすると「うぅ......もうムリ」となってしまいがちですが、新鮮な魚介だと臭みもなく、イタリア風にオリーブオイルやハーブ、白ワインで調理されたものが提供されます。
日本で食べる海鮮とは、また違った魅力があるはずですよ。
シーフードのパスタにも注目
平打ち麺「タリアテッレ」はイタリア北部で愛される麺です。中南部では「フェットチーネ」と呼ぶことがありますがほぼ同じものです。タリアテッレの方が若干厚みがある、という違いぐらいだそうです。
イタリアは同じパスタの種類でも地方によって呼び方が違っていたり、全く同じものなのに調理法によって呼び方が変わったりするものもあるので、覚えきるのは難しいですが、気になる場合はショートパスタなのかロングパスタなのか、などオーダーする時に聞いてみましょう。
シーフードのパスタと言えば「ペスカトーレ」(漁師風パスタ、通常はトマトと魚介のパスタを指すことが多いです)、「ボンゴレビアンコ」(アサリのパスタ、ビアンコは白ということなのでトマトベースになるとボンゴレロッソになります)などがメジャー。
ですが、お店のオリジナルもたくさんあるので、食べたい食材や好みの麺を伝えて一番のおすすめをいただきましょう。
こちらはお任せでオーダーしたタリアテッレ。
具材はまさかのシャコ!シャコをパスタにするのは日本ではあまり見かけませんね。イタリアではシーフードの中で比較的メジャーな素材だそうです。ヴェネチアなどでも前菜の盛り合わせの中にシャコが登場することがしばしば。
シャコはイタリア語で「canocchie(カノッキエ)」と言いますが、地方によってこちらも呼び方が違う場合があるようです。一般的にはcanocchieで通じますので、シャコのパスタに挑戦してみたい方はcanocchieを覚えておいてくださいね。
モチモチとした食感とシーフードから出た出汁が絡んで至福の瞬間。フィレンツェの肉食文化も素晴らしいですが、肉料理に飽きたらシーフードを楽しむためにフォルテ・デイ・マルミまで足を運ぶのも贅沢な選択なのではないでしょうか。
デザートは薄焼きのビスケット生地の中にイチゴとクリームが入ったものを選択しました。
自家製のジェラートがあったり、イタリア風フルーツサラダ「マチェドニア」があったりするので、こちらもお腹の調子に合わせて聞いてみてはいかがでしょうか。
お腹いっぱいになったあとは...
食事の後は桟橋まで散歩......というのも、なんだかこの地では優雅な感じがします。
バカンスシーズンは大きなパラソルで浜辺が埋め尽くされるそうですが、オフシーズンだとほぼ人影は見られず、この期間はこのあたりのレストランやお店は生計がとれているのだろうか......と思ってしまうほどですが、きっとハイシーズンの間に1年分の稼ぎを得ているのでしょうね。
リゾート地だけにブランド製品は観光地価格...
さて、お買い物好きな方にはぜひ知っておいて欲しい情報をひとつ!
同じブランドで同じ製品も、イタリアではこういうリゾート地で価格が違うことがあります。例えばカプリ島などでもそうでした。サングラスや水着、サマードレスなど特に売れ筋であると思われるものがリゾート価格になっていることが多いようです。
だからと言って、交渉したらディスカウントができるというわけではないので、一流ブランドの商品に対して「どこそこの価格と違うから安くして!」というのはマナー違反なので気をつけましょう。
フォルテ・デイ・マルミに来られる観光客の皆さんは優雅な生活の方が多いので、少しぐらいの値段の差は気にしないようです。そういうワケもあって私がおすすめしたいのは、しっかり街歩きをしたらその土地にしかなさそうな小さなお土産もの屋さんで可愛い雑貨を探したり、オシャレなカフェで一休み......という過ごし方。
とはいえ、ブランドショッピングは出会い、という考え方もありますので「これは!!」というものに出会ったら購入してしまうのもいいかも。
そんなお買い物も、旅の良い思い出ですよね。
写真撮影:yukako
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yukaco
- 17歳のときに初めてフィレンツェ、ヴェネチアへ行ってからすっかりイタリア贔屓に。定期的にイタリアへ旅行。
食、ファッション、アートが得意分野。興味があればどこへでも行くフットワークの軽さでハードスケジュールな取材も敢行。
イタリアの中で一番好きな場所はミラノ・スカラ座。好きな食べ物はラヴィオリ。