公開日:
最終更新日:
スペイン旅行で知っておきたい5つのお約束
ところ変われば品変わると同じように、場所が変わると生活習慣や決まりごとも変わるものです。今回はスペイン旅行に際して知っておきたい、日本とは異なる5つのお約束についてお話します。
1. 昼食は14時、夕食は21時と遅いスペインの食事時間
スペイン人は一般に1日5食と言われます。朝起きて軽い朝食をとった後、午前中に軽食タイムがあります。これはメリエンダ・メディア・マニャーナやオンセ、アルムエソとよばれる習慣で、ボカディージョ(スペイン版バゲットサンド)などを食べます。昼食は14時から。レストランも13時30分や14時に開店します。
夕方はメリエンダというおやつを食べたり、仕事帰りにバルで飲みながらつまんだり。夕食時間は21時頃になり、レストランのオープンも20時30分や21時に。そこからゆっくりたっぷり食べると、慣れない方は胃にもたれることでしょう。スペイン式にお昼をフルコースでしっかり食べ、夜は早めにタパスや軽食で済ますと楽かと思います。
<週末だと昼食が15時、夕食は22時を過ぎることも>
2. 今なお残るシエスタの習慣
シエスタとは昼寝のこと。都会ではずいぶんグローバル化が進みましたが、田舎では職場から帰宅して昼食をとるために昼休みが3時間ということはザラです。幼稚園や学校でも同様。個人商店も14時~17時まではいったんお店を閉めることがあるので、ご注意を。
この時間帯にはお休みになる観光スポットもあります。実際には、昼食後にシエスタを楽しむ人はそんなに多くないようで、ゆっくり食事をした後、ソファに座ってうとうとする程度が主流なのだとか。
3. 日本とは逆の喫煙ルール
喫煙天国だったスペインですが、まずは2006年、その後2011年に喫煙を取り締まる法律ができました。基本的に、駅や空港、職場などの公共の場や飲食店、クラブなどの屋内施設での喫煙は禁止となりました。罰金が科されますのでお気を付けくださいね。
その代わり、屋外ではOK。飲食店のテラスが増えた理由はここにもあるのです。日本とは逆のルールですね。ちなみにタバコは、エスタンコと呼ばれる町のタバコ屋さんや飲食店内の販売機で買うことができます。
<喫煙者のオアシスになったテラス席>
4. チップは個人の裁量による
日本には習慣がないため、ちょっと面倒なのがチップ。スペインは、アメリカなどに比べるとチップの習慣はゆるいです。バルでちょっと何か飲むくらいでは、払わない人が大半でしょう。タクシーだと、端数を切り上げる程度。ホテルでベッド脇にコインを置く習慣もありません。
カフェやバルで食事をした場合は1人1ユーロ前後ですが、レストランだともう少し置くのが普通です。ただし、どこかの国のように10%や15%ということはありません。もちろん置きたかったら、それはそれで問題ないです。チップの習慣はあるものの、このように金額は個人の裁量次第なのでちょっとややこしいですね。
5. 日曜日は閉まるお店が多いので注意
スペインに来たら、ショッピングも楽しみたいもの。日本では日曜日は書き入れ時でどこでも開いていますが、スペインは異なります。州によって法律が異なりますが、日曜日は閉まっているお店が多いです。観光地を除き、個人商店はまず閉まっていると思ってください。スペイン各地にある百貨店エル・コルテ・イングレスも日曜日は営業しない州もあり、また時短で営業するところも。
前述したように路面店では長いお昼休みをとるお店もあります。特定のお店で買いたいものがある時は、あらかじめ営業時間を調べておきましょう。たいていのお店ではクレジットカードが使えます。もっともポピュラーなのはVISA、次いでマスター。それ以外となると使えないところが多いのでご注意ください。また、ICチップなしのクレジットカードを使う際は、身分証明書の提示を求められることがあります。
注意したいのが、閉店時間はお店のシャッターが閉まる時間だと思ってください。日本のようにその時間までに入ればセーフというわけではありません。私は閉店5分前に試着中だったにも関わらず、すぐ帰るように言われたことがあります。
お約束ではありませんが、最後にひとつ
スペインは決して治安の悪い国ではありませんが、観光客を狙ったスリや置き引きはなきにしもあらず。これは、本人の意識次第では防げることもありますので、気をつけてくださいね。
Rankingスペイン記事ランキング
-
田川敬子(Keiko Tagawa)
- 1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。