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毎月第3日曜日に開催。パドヴァのアンティーク市で楽しむ日曜日
パドヴァを訪ねたら、毎月定期開催される大きな規模のアンティーク市にて、こだわりの一品を探してみましょう。お気に入りのものに巡り会えると、とても嬉しいものです。
毎月第3日曜日はアンティーク市の日
北イタリアのヴェネト州、パドヴァという町では、毎月非常に大きなアンティーク市(骨董市)が開かれます。開催日は毎月第3日曜日。年間を通して開かれますが、この春先からの季節には、日曜のゆったりとした時間を散歩がてらに、立ち並ぶ露店を見て歩くのも楽しいものです。
本気で買い物をしたい人は、午前中の早い時間からお目当てのものを探しに、午後ともなると、家族連れ、カップル、友人同士など、かなりの人出となります。
写真:Aki Shirahama
楕円形の広場いっぱいに露店が並び、天気のよい午後には多くの人々が訪れます 写真:Aki Shirahama
開催地は美しく大きな広場『プラート・デッラ・ヴァッレ』
アンティーク市の開催地は、旧市街地の南側、プラート・デッラ・ヴァッレという大きな広場です。この広場は古い歴史があり、中世の時代には既にこの場所を中心に劇場が作られたり、大きな空間を利用した展覧会、競馬、家畜の売買市などに利用されたりしていました。
18世紀になり、現在のような大きな楕円形の広場として再建され、美しい姿となりました。広場の中央には掘を囲んだ小さな島を形作られ、その周囲には、現在78体(本来は88体があったそうです)の彫刻が立ちます。これらの彫刻は、パドヴァにゆかりのあるパドヴァ大学で18年間教壇に立ったガリレオ・ガリレイや、画家のジョット、文学者のダンテ、詩人のペトラルカといった人物が配置されています。
広場は20,000㎡の広さと言われ、ヨーロッパのなかでも最大級です。今もさまざまなイベントの開かれる、パドヴァ市民に親しまれる場所であり、またその姿の美しさから町のシンボルとして親しまれています。なんでも、ヨーロッパ内では、ロシアの赤の広場に続く2番目の大きさを誇る広場だとか。
たくさんの露店の中から掘り出し物を探す楽しさ
露店の数は約120店舗。大きな楕円形の中心の堀に囲まれた島をぐるりと囲むように、店舗が所狭しと並びます。
それらはさまざまな分野に及び、書籍・書物、衣類、絵画、家具、食器、台所用品、工具類、部屋の装飾品、日用雑貨、アクセサリー等々、ひとつひとつの店先を眺めるだけでも相当な時間がかかります。
お気に入りの絵も見つかります。じっくり一枚一枚吟味して...... 写真:Aki Shirahama
可愛いアクセサリーなども見つかります 写真:Aki Shirahama
"アンティーク(骨董品)"といっても、定義があるようでないようなもの。一般的には、100年以上経過した品物にあてはまる言葉とされていますが、多くの店先に並ぶものは、アンティーク品なのか、ただの古物なのか......と、多くのものを見れば見るほど疑問が湧いてきてしまいますが、その中から自分の興味のあるものを探し出すのが、アンティーク市の醍醐味。
いわゆる"掘り出し物"を探すのです。隙間なく並べられた品物を、目を凝らして注意深く見ていると......その中にお気に入りを見つけることができるかもしれません。個人的には、食器やカトラリーなどテーブル周辺類および台所で利用する調理道具類などに興味がありますので、足を止めるのはそういったものが並んでいる店をよく探します。
銀製のカトラリーや、パスタカッター、調味料入れ、今やもう廃業してしまった陶器メーカーの味のある食器類、リネン類等。年月を経たからこそ、新品とは違う奥深さがあり、どれもこれも家に持ち帰りたくなる衝動が......。
アンティークの銀製品は味があります 写真:Aki Shirahama
写真:Aki Shirahama
購入を決めたら値段交渉
気になる代物を見つけた場合には、まずは店の人に値段を尋ねます。価格はその商品の価値に値するものですので、そこはしつこく、気になるものに関しては、年代やら使い勝手、それまでの持ち主の経緯などまで、モノによっては聞くことができます。そして、購入を決めたときは、まずはお店の人に値段交渉。
小物などの単品は少々難しいですが、大きめのものなどは大抵の場合、少し値段が下がることがあります。特に複数点購入する場合などは、その効果大。お店の人と会話を少し弾ませると、その確率は確実に上がります。
とにかくたくさんの品物が並んでいます。自分のお目当てを見つけるには、時間をかけて品定めを。 写真:Aki Shirahama
パドヴァならではの品揃えとは
アンティーク市はイタリアの各地にて開催がありますが、パドヴァのアンティーク市の特徴的なところは、ヴェネツィアのムラーノ島に伝わる古いガラス製品が目につくところでしょう。
パドヴァは15世紀初頭から18世紀末期までの期間、ヴェネツィア共和国の傘下にいました。その背景もあり、周辺には当時の貴族の館などが点在しているのですが、それらの調度品の流れなどもあるのでしょうか。ムラーノガラス特有の、美しい色鮮やかなガラス製品が目につきます。
大きなシャンデリアやランプ、花瓶、置物などの大型のものから、グラス類や小さな飾り物、アクセサリーまで、ヴェネツィアの歴史を古くから現代まで担ってきた製品の数々を見ることができます。
ヴェネツィア、ムラーノ島の伝統的な美しいガラス製品も目立ちます。色合いが非常に美しい。 写真:Aki Shirahama
写真:Aki Shirahama
アンティークには、古いものの中から新しさを発見する......そんな楽しさがあります。個人的にアンティーク市は大好きなので、パドヴァだけでなく他の土地でも週末になると、あちらこちらで開かれる骨董市に足を運んでは、品定めを楽しんだりもしています。
写真・執筆:Aki Shirahama
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