ただの展示場とはひと味違う!トリノ自動車博物館が面白カッコイイ

世界中で人気を集めるイタリア車。その歴史と人々の生活を紹介する博物館が、トリノにあるそうです。

※写真はイメージです。クリエイティブコモンズライセンスに基づき掲載しています。

参考:クリエイティブコモンズ公式サイト(外部サイトに遷移します)

イタリアを代表する車といえば......

イタリアを代表する車といえば、フィアットを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

1899年、トリノで生まれたフィアット社は戦争や高度経済成長期を経験し、様々な歴史を生き抜いてきました。今ではイタリアの人々の生活に無くてははらない存在に。現在はフィアット、フェラーリ、アルファロメオ、マセラティを含めたフィアットグループとして、世界中の人々に愛されています。

そこで今回は、イタリアの国民的自動車ともいうべきフィアットの本拠地トリノに赴き、車好きでもそうでなくとも、きっと魅了されてしまうであろう圧巻の自動車博物館をご紹介しましょう。

トリノはイタリア北部、ピエモンテ州の州都。統一イタリアの最初の首都ともなった一大都市です。

トリノといえばトリュフやバター、チーズなどピエモンテの美食が挙げられ、かつてこの地を治めていたサヴォイア家の名残であるフランス文化、というイメージが強いのですが、もうひとつ忘れてはならないのがイタリアにおける自動車産業の拠点だということ。

トリノの名所「自動車博物館」とは

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トリノ中心部から電車で数駅、リンゴットという駅に自動車博物館はあります。フィアット社の共同創立者の一人、ロベルト・ビスカレッティ・ディ・ルッフィア氏の構想により建てられたこの博物館。

2011年にリニューアルされ、モダンな外観はそのままに内装、展示方法に楽しい工夫を施した、世界でも類を見ない大規模な車の博物館へと変貌を遂げました。

多様なコレクションは車好きの方だけでなくとも面白い!

さて、内部はどのようになっているのでしょう。コレクションは80ブランド、200台。フィアット社をメインとしたイタリア車を中心にしながらも、古き良き欧米を走った年代物の車が一堂に会しているのもポイントです。

古くは蒸気自動車から始まり、最新モデルのコンセプトカーまで変化に富み、車を知らなくとも見ているだけで面白いコレクションとなっています。

誰もが視覚的に楽しめる斬新な展示方法

この博物館の魅力は、その斬新な展示方法にあります。レーシングカーの歴史を辿った展示では、実際のコースを見立てたフロアにイタリアンレッドのマシンがずらりと並んでおり、今にもエンジン音が聞こえてきそうなほど臨場感があります。

個性的なデザインのシトロエンDSをオブジェに見立てて飾り、貴重なカーデザインのイメージスケッチを展示したりなど見せ方がうまく、思わず惹き込まれてしまいます。

もちろん、車マニアに向けた専門的な説明にも手を抜くことはありません。タイヤやエンジンの歴史、性能の違いなども、分かりやすく動きのある展示と貴重なコレクションで、専門家たちをもうならせます。

また、この博物館の最も面白いところは、ただ様々な種類の車を並べて説明するだけではなく、その背景にあるイタリア社会や人々との関わりを、目で見て知ることができるようになっているという点です。

たとえば、1941年のフォード製ジープがオフロードを進み兵士たちに囲まれているシーンを表す展示では、第二次世界大戦で連合国軍による解放を経験したイタリアで、アメリカ製の多目的車が重要な役割を果たしていたことを示しています。

また、戦後イタリア国内で起こった高度成長期には、豊かになったイタリアの人々がこぞってヴァカンスに繰り出すようになりました。それに欠かせなかった移動手段が車であり、フィアット600ムルティプラがその主役を果たしました。

ピクニックやレジャーグッズ、ラジオやスクーターなど、当時ヴァカンスを楽しむのに使われたグッズを共に並べた展示では、当時の様子がよく分かります。

最後に、イタリア車の大きな魅力ともいうべきデザインにまつわる展示も一見の価値ありです。名だたるイタリア車に関わったデザイナーたちに注目し、インタビュー形式で彼らのプロフィールが紹介されています。

「最初の車は?」、「インスピレーションの源は?」、「好きな工業製品は?」、「 個人的な嗜好」などなど、プライベートな質問などもあり、数々の個性的なイタリア車を生んだデザイナーたちが、どんなパーソナリティを持っていたのか、その人となりまでが分かるため、イタリア車がより身近なものに感じられるはずです。

奥深い車の世界

筆者も実はそこまで車に興味があるわけではありませんでしたが、ここトリノの自動車博物館は、車好きだけの博物館ではありません。今や現代社会に必要不可欠となった車。この乗り物がどのように発展し、またイタリアをはじめヨーロッパ社会やその人々とどのように関わってきたのか、その背景を多角的に知ることができるのです。

視覚的にも面白い展示は、老若男女を問わず楽しむことができるでしょう。イタリアの国民的自動車フィアットの御膝元で、どっぷり車に浸る一日、なんていうのも面白いかもしれません。

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