タタールスタン共和国ってどんな国?ロシア連邦のひとつで首都はあのカザン、世界遺産スヴィヤズスク島もある魅力的な国!

目次

はじめに

某旅行会社勤務の「ます」です。海外旅行が大好きで、これまでヨーロッパ中心に約40ほどの国と地域を訪れています。

さてこの度7月10日から4日間、タタールスタン共和国へ行って来ました。え、いったいどこやねん!とツッコミ飛んで来そうですが、実は広大なロシア連邦の一部、モスクワから東へ800kmほどのところに、人口400万人弱の北海道より少し小さいくらいの国土をもつタタールスタン共和国はあるんです。

イスラム文化とキリスト文化が融和したその土地は、ここでしか見ることができないほど独自性に溢れ、食べ物も美味しい。そしてなにより親切でほっとする人々のお・も・て・な・し。まったく日本人に知られていないのはもったいない!今回はそんなタタールスタンの魅力をたびこふれ読者のみなさまにご紹介いたします。

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【観光1】タタールスタンのシンボル、白のクレムリンを見よう!

モスクワの赤のクレムリンは有名ですが、タタールスタンのクレムリンは「白」。ロシア連邦で6番目に大きい都市である首都カザン市の、中心にある高台に優美にそびえます。
(カザンと言えば、2018年ロシアで行われたサッカーワールドカップで、日本代表のキャンプ地となっていた街です!)。

実はタタールスタン共和国はその民族の十字路的歴史からイスラム教とキリスト教が融和している現代の理想郷としてただいま世界中から注目されているんです。そして、そのシンボルこそ、このカザンクレムリンです。

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世界で唯一クレムリン城壁内にイスラムモスクとキリスト教会の両方が立ち、共存・調和の平和のシンボルとされています。さて、まずは美しい純白の門をくぐりクレムリン内へ。

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少し歩くと早速目を惹きつける建物が見えて来ました。

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これがカザンのランドマーク、クルシャリーフモスクです。タタールスタン初代大統領がイスラムの偉人から取って名付けたモスクです。目の覚める様な白と青のコントラストが美し過ぎます。

中はこんな感じ。

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次にカザンクレムリン展望台からのパノラマ。

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どうです?雄大なカザンカ川沿いに、ヨーロッパの雰囲気と現代的な街並みがマッチして、成長するカザン市の今を感じることができます。

実はカザンはロシア連邦の中でも有数の発展し続ける都市として知られていて、2018年サッカーワールドカップの開催地のひとつでもあるんです。はるか先に試合会場のカザンアリーナを見ることができます。

カザンクレムリン内のロシア正教会大聖堂へ。

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色合いが可愛らしいですね。中はミサ中で写真は撮れませんでしたが、ビサンチン様式の美しいイコンの宗教画が多数飾られています。私はロシア正教の教会に行くと、いつもカトリックとはまた違う、深い敬虔さを感じます。

クレムリン敷地には美しい建物が並びます。

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振り返ると、ご覧くださいこのパノラマ!

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左手にロシア正教会、右手にクルシャリーフモスクのミナレット(塔)があるのがわかりますでしょうか。異なる二つの宗教のシンボルが、美しく感動的に調和しています。

夜景も神秘的です。

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「白きクレムリン」こと世界遺産カザンクレムリン、ぜひ訪れてみてください。

【観光2】ツワモノどもが夢のあと・・世界遺産ボルガル遺跡でユーラシアの大河を感じる

カザン市から車で3時間ほど、モスクワの北約200kmの地から始まりカスピ海に注ぐ雄大な大河、ヴォルガ川沿いに栄えたボルガルは大ブルガリア、モンゴル、イスラム、ロシアと様々な支配を受けた歴史の十字路です。今にその浪漫溢れる雰囲気と雄大な景色は訪れる価値ありです。

まずは博物館へ。今回だけ特別にタタール人民族衣装でおもてなし。その出で立ちからかつてのモンゴル文化の影響を感じます。

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雄大なヴォルガ川の景色。何百年も前に、ここでモンゴルのカザンハン国とモスクワからのロシア軍が戦いました。今では美しい自然が残るばかり。

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歩いてボルガル遺跡へ。大ミナレットが存在感をみせます。復元された遺跡は往時を偲ばせます。オリジナルはモンゴル人の侵略者よって破壊されたそうです。

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ロシア正教会も建っています。こちらは19世紀に建てられたもの。シンプルなロシアンバロック風で可愛らしいです。

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さらに2012年に完成したばかりのホワイトモスクを見学。外見はタージマハルのような姿をしています。あのムハンマドの髪の毛が聖遺物として1本祭られています。巡礼のため中東からも訪問者が増えているそうです。

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13世紀ボルガル王宮跡地です。遺跡として石が残っています。川に面した高台にあるので素晴らしいボルガ川の景色を望みます。うーん、いい天気!

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ボルガル遺跡内には様々な宗教的建造物があって、このあたりからも様々な文明や民族の十字路だったことが分かります。

タタール人の歴史はちょっと日本人には難しいかもしれないですが、ヴォルガ川の雄大な景色を見ていると思わず旅愁に誘われます。

「夏草や 兵どもが夢の跡」、そんな気分の場所です。

【観光3】祝世界遺産登録!素朴な古きよきロシアの面影残すスヴィヤズスク島でのんびり

ちょうど私がタタールスタンに入った2017年7月10日。タタールスタン共和国のスヴィヤズスク島のウスペンスキー寺院が、この国で3番目のユネスコ世界遺産に登録されました!さっそくカザン市から車で60km、1時間ほどの距離にある、美しいヴォルガ川に架かる橋を渡ってほやほやの世界遺産を訪ねます。

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スヴィヤズスク島は16世紀にイワン雷帝がカザン攻略の兵站基地として作った島の要塞。秘密基地として4週間で造られたそうです。かつては陸つながりの山でしたが浸食により今では3つの川に囲まれた島になってます。イワン雷帝カザン攻略の後からロシア人が住み出し、ロシア風の古い町並みが保存状態よく現代に残っていて、今では別荘地としても人気です。現在人口250人、島の高台が居住エリアで観光するところにもなっています。

まずは街のメインストリートにある美しいロシア建築の歴史博物館へ。

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ここでも特別に歓迎セレモニーを受けます。

街はこんな感じです。道も広くのーんびりしています。

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島にはいくつかの教会があります。聖マリア修道院へ。ビザンチン様式の立派な教会や、素朴な木造の教会などが見ごたえあります。様々な正教らしいイコンが見られます。

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タタールスタンの猫。人を怖がりません。

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教会観光のメインは世界遺産登録されたばかりのウスペンスキー寺院です。残念ながら訪れた2017年7月現在は改装中。登録の決め手となった、馬頭の聖クリストファーのイコンは16世紀のもので宗教的にとても価値のあるものだそう。今回は外観のみ見学しましたが美しいロシアらしい建築様式です。

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あいにくイコンは見られませんでしたが、スヴィヤズスク島は水と緑の素晴らしい自然の中で、のんびりとした古き良きロシアの町並みを色濃く残しているので、それを楽しみに訪れるだけでも価値ありです。

島はのんびり2時間もあればだいたい見てまわれます。まだあまり知られてませんがホント牧歌的で素朴なノスタルジーに浸れるところです。世界中から観光客が来て賑やかになる前に、早く行っておきましょう!

【グルメ】タタールスタンは食べ物も美味しい♪こんなもの食べられます!

タタールスタンで食べたちょっと変わった美味しいモノ、ご紹介します!

タルクシュカルベ

三角錐状の一口大お菓子です。

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砂糖とはちみつを白い糸状にして繊細に形を作っています。口の中でホロホロ崩れる触感です。味はあっさりしていて上品な甘みです。

チャクチャク

タタールスタンで人気の郷土お菓子です。

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小麦粉などを軽く油で揚げて作る伝統的お菓子。タタールスタンの名物としてロシア中で有名です。タタールスタンでのおもてなしには欠かせない銘菓です。素朴で懐かしい、日本人も好きな味でお土産にも最適です。ぜひお試しください。

巨大パンのボルシチ

ご覧ください、大迫力!赤ちゃんの頭ほどの大きなパンのフタを開けると・・・ジャーン!!

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見た目は大迫力ですが、実はとてもヘルシー。野菜がいっぱいであっさりしていて日本人も大好きな味です。ポットになっているパンはスープ皿の内側の柔らかくなった部分を削って食べると美味しいです。

生野菜サラダ

タタールスタンの食事で嬉しかったのは、どのレストランでも前菜にたっぷりの生野菜サラダが食べられること!野菜はほとんど土地の物で、新鮮で元気たっぷり。旅行中もヘルシーに過ごせるのが一番です。

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最後に

まずは最後までお読み頂きありがとうございました。まだ見ぬタタールスタン共和国、いかがでしたか?

色合いも美しい歴史的建造物、ユーラシア大陸の最深部とも言えるような深い緑と大河、そして人々の親切な心遣い。ここでしか味わえない感動があります。ここに住む人々は日本のみなさんがもっとタタールスタンを知ってくれることを祈ってます。

様々な文明が交じり合った、とても平和で綺麗な国です。ぜひタタールスタンで素晴らしい旅を満喫してください!

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ではでは、アラフマタ!(タタール語で「ありがとう」)

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