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ブラジル人のソウルフード、バイーアのアカラジェを求めて
Acarajé(アカラジェ)というブラジル人でも北東部に住む人々がこよなく愛す、ソウルフードをご存知であろうか?インゲン豆をすりつぶした生地を成形し、ホットドックのようなパン形をデンデ油で揚げ、その中にセロリやトマト、玉ねぎパクチ―など酸味の効いた野菜と、バイーアの海で取れた海老を辛く味付けし押し込んだものだ。お好みでピメンタという更に辛いソースを添えて食べると唇が腫れるくらい刺激が強いが、マンゲラはいつもそうして食べている。
初めて食べたのは、2000年代初頭の六本木だった。ブラジル料理とサンバShowがあるお店でアカラジェを食べた時の感動は今でも忘れない。代々木公園で行われるブラフェスや大泉で屋台が出るたびに並んで食べたものである。その、元祖がこのブラジルの北東のバイーア州はサルバドールにあるので、食べに行かない訳がないだろう。そもそも今回の旅のメインと言っても過言ではない。
サルバドールの海が見下ろせる、Cidade Alta(上の街)の右横にある広場はMonumento da Cruz Caída(転んだ十字架の像)がある。これは何を意味するかと言うと、16世紀からアフリカより連れてこられた奴隷達の慰霊碑である。遠くアフリカの地より船に鮨詰目状態で連れてこられた奴隷達は、それだけで体力が弱り命を落とす者も多くいたと言う。この広場の地下からは20,000体の遺骨が掘り起こされたと記されている。
そして、その横には、かなしい歴史を吹き飛ばすような底抜けに明るいバイアーナのスカート、笑顔、地元のおばさんそのままのような像が並ぶ。バイアーナのアカラジェやミンガアウなどの郷土料理をつくる団体の広告が掲げられているのだ。そうとなっちゃ、供養のためにアカラジェを食べるしかない!さっそく、ガイドに案内してもらいここら辺の屋台で一番美味しいと評判のMARYさんのアカラジェを頂く。
この豆で出来た皮が何とも言えないふっくらさ加減をだしている。辛い、更に辛いソースをかけるようリクエストすると「お嬢さん辛いの好きなのね!いっぱい乗っけてあげる」と笑いながらたっぷりピメンタソースをかけてくれた。辛い、水が無ければ無理!というくらい強い味だがこの方が楽しい。
この街にはCidade Alta(上の街)とCidade Baixo(下の街)がある。豊かさの象徴といえるのか上の街に行くのは有料エレベーターに乗らなければならないとガイドが教えてくれた。
この街で出会って雇うことになったガイドが後に高額なガイド料を請求して来たのだが、負けずに値引き交渉をしてお互いが納得する料金に落ち着いたのは、今となっては良い思い出である。お蔭で普通の人では知りえない良いスポットも知ることが出来た。
バイーアを満喫するのなら多少のポルトガル語と怯まない値段交渉力が重要である、日々ブラジルで鍛えられ値段交渉力も今年で6年目、随分と実践力が上がって来たと思える旅であった。
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マンゲイラ靖子
- 2012年よりブラジル在住。 Samba命!リオ1回、サンパウロ6回、(浅草9回)のCarnaval出場経験を持つ。現在は夫と猫3匹とでSP州に暮らし、主に日系コミュニティでの仕事に携わる。 より深いブラジル情報を発信できるよう日々模索中。