公開日:
最終更新日:
ギリシャ/季節の味、フレッシュピスタチオ
実りの秋。
初物のナッツ類もそろそろ出てくる頃ですが、ナッツのシーズンの最初に登場するのが生のピスタチオです。
加工されていない状態のピスタチオは傷みやすく、また鮮度の落ちたものは食用に適さないため流通量が少ないのですが、8月下旬~9月頃にかけて一部スーパーや市場で見かける旬の味です。
ギリシャはピスタチオの生産量がヨーロッパで第1位(世界では6位)と多く、味のよさでも知られます。
特にエギナ島のものが有名で原産地呼称保護認定も受けていますが、アテネ郊外のマルコプロなどでも栽培されていて、赤い実をつけたピスタチオの木をよく見かけます。
庭があれば絶対植えたい木のひとつがピスタチオなのですが、引っ越す予定はないので......
市場で新鮮なピスタチオを買ってきました。
市場で新鮮なピスタチオを買ってきました。
せっかくのフレッシュピスタチオなので、まずはそのまま食べたいですね。生ではあまり特徴のない味だから、ローストした方がおいしいのです。
果皮を剥くと、中におなじみの形のピスタチオが入っています。
ギリシャの伝統的なピスタチオの加工法は、果皮を剥いたピスタチオをクエン酸またはレモン汁入りの塩水に漬けて味付けし、汁気を乾かしてからローストします。
このレモン塩水漬けの生ピスタチオがおいしいんですよ~。塩水に漬けることでピスタチオらしい風味が少し出てくるようで、味見が止まらなくなります。
ローストする時は、焦がさないように注意が必要。
低めの温度に設定したオーブンで焼いていますが、茶色く色づかせてしまうと風味が落ちて台無しになってしまうので、時々かき混ぜて様子を見つつ焼き上げます。
お店で売っているローストピスタチオもとてもおいしいけれど、塩加減を好みに調節できるのと、そして何よりも自分で手間をかけた達成感が自家製の醍醐味でしょうか。
旅行者が生のピスタチオを味わう機会はなかなかタイミングがなく、難しいかもしれませんが、お土産にできるものでは定番のローストピスタチオのほか、未熟ピスタチオのシロップ煮などギリシャならではの珍しいものもありますので、ぜひチェックしてみてください!
Rankingギリシャ記事ランキング
-
アナグノストゥ直子
- アテネ在住。主婦業の傍ら、ライター、リサーチャー、コーディネーターとしても活動する。ブログ「ギリシャのごはん」にてギリシャ料理レシピやおいしい話題を発信中。