オランダで人気な夏の飲み物!エルダーフラワー・コーディアルの作り方

さて、こちらオランダでも連日35度をまわるヒート・ウェーブにみまわれ、夏も本番となりました。

夏の飲み物といえば、日本では冷たい麦茶やカルピスですよね。こちらオランダでは、エルダーフラワー・コーディアルと呼ばれる花のシロップが古くから人々に愛されている夏の飲み物です。このシロップは、オランダだけではなく、イギリス、ドイツ、北欧でも愛飲されていて、その歴史は非常に長く、ローマ時代まで遡れるとのこと。

オランダでは最近人気がリバイバルしたようで、カフェやレストランのドリンク・メニューで見かけるのは勿論、アップルジュースや発砲ワイン、ジンなどのカクテルにブレンドされたり様々なアレンジでテーブルに登場するようになりました。

シロップの作り方は至って簡単なので、我が家では毎年、夏の恒例行事としてエルダーの花から自家製のシロップを手作りしています。今回はそのレシピをご紹介したいと思います。

<材料>
*エルダーフラワーの花:ショッピングバッグ(約45cm X 30cm)に半分
*白砂糖:2.5kg
*無農薬レモン:2個
*クエン酸(英語ではcitric acid、オランダ語ではcitroenzuur。Apoteek(薬局)で購入可):85g
(注:下の写真では全て倍量で作っています)

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これがエルダーの木。白い花が咲いて、爽やかな香りが夏の訪れを告げています。昔からエルダーの木には精霊が宿ると信じられていて、ヨーロッパの人達はこの木に特別な愛着を感じているそうです。まつわるお伽話も色々とあり、昔は真夏の晩にエルダーの木の下で待てば妖精を見る事ができると信じられていたそう。

ハリー・ポッターにも出てきますが、魔法使いの杖もエルダーの木から作られます。また、花にたまった朝露を集め顔を洗うと、若さと美しさを保てるとの言い伝えもあるそうで、筆者も試してみようかと思っています(^^;)。見えない不思議な力が宿ると信じられていたエルダーの木。それゆえ、むやみに切る事は避けられ、今でもあちこちで繁殖し、道路や公園や森林など至る所で見かけることができます。

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さて、まず咲いたばかりのフレッシュな花を選び、花茎から切って、ショッピングバッグに集めます。ポイントは、道路脇の木よりも、空気や水が汚染されていない場所に生える木を選ぶこと。花の芳香が一番濃厚なお昼頃に摘むのが理想的です。この独特の香りはなんと形容したらいいのか・・・甘さと青臭さが交じった爽やかな芳香です。

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花粉が飛び散ってしまわないよう、そっとバッグに入れます。

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虫やゴミを取り除き、さらに花茎を短く切り、バケツに入れ、水をひたひたになるまで注ぎます。花粉が香りやフレーバーに重要な役を果たすので、花は事前に洗わないのが鉄則。このまま水につけた状態で一晩寝かせます。

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茶色くなった花を捨て、キッチン布巾で花水を3回ぐらいこします。

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無農薬レモンの皮を摺ってレモンゼストを作り、レモンは絞って、レモン汁にします。

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シロップの原液に砂糖、クエン酸、レモン汁、レモン・ゼストを入れ、木べらでかきまぜながら10分ほど沸騰させたら出来上がり!これを煮沸消毒した瓶に入れ、冷暗所で保存します。

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手作りエルダーフラワー・コーディアルの完成!シロップは、通常10(水):1(シロップ)ぐらいの割合で水に薄めて飲みます。柔らかいハチミツ色で、エルダーの花の独特な香りがします。ちょっと甘酸っぱくて爽やかで美味。飽きのこない味なのでほとんど毎日飲んでいます。夏はやっぱりこれ!

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実はエルダーフラワーは、ビタミンCが豊富で、攻ウイルス成分が入っているらしく、漢方薬としても知られているんですよ。デトックスや、風邪やインフルエンザ、喘息の症状の緩和にも使えるそうです。美味しくって健康的な一石二鳥のシロップなんです。

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こうしてスパークリング・ウォーターで割って、ライムとミントを入れて飲んでも美味しいですよ?

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ちなみに既製品はスーパー・マーケットでも売られています。値段は1ボトル4ユーロ。日本ではめったに見ないのでお土産としてもいいですね。

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親松恵子

自由の国オランダに魅せられ移住して、気がつけば18年。 現在は、フリーで執筆、翻訳、現地ガイド、各種コーディネーション等、何でもやっています。傍ら自分のアート活動も楽しんでいます。

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