ガイドブックにも載っていないスペイン東部の小さなかわいい村ビジャファメス

ビジャファメス

スペインには世界遺産や歴史・文化を感じる都市が多々あり、ガイドブックでも紹介されていますが、日本ではおろかスペインでもあまり知られていない魅力的な小さな町や村も点在しています。

今日ご紹介するのは、カステジョン県の内陸部にある小さな町ビジャファメス/Villafames。カステジョン市からは車で30分弱、バレンシア市からも1時間ほどの場所にあるにも関わらず、バレンシア在住13年めにして初めて存在を知った村でした(バレンシア育ちの夫も知らなかったという・・・)。

ビジャファメス

現在は1,800人弱の人が住むこの町のあたりには、なんと約8万年前には直立猿人が住んでいたことがわかっているのだとか。旧市街は山の斜面にあり、一番高いところに城跡が佇んでいます。

小さな町なので、有名な名所旧跡はありません。細い石畳の道を歩きながら、雰囲気を楽しむのがこんな町の醍醐味。それでも、町役場の隣に観光案内所はあるので、地図をもらうことも観光のおすすめを聞くこともできます。私は城跡と教区教会にしか入場していませんが、ほかにもささやかな観光スポットがあります。

ビジャファメス

ビジャファメスの街角

まず、城跡ですが、イスラム教徒がこの地を支配していた時代に建てられた要塞の跡だとのこと。その後13世紀にキリスト教徒軍でアラゴン王国のハイメ1世王の手に渡り手が加えられ、19世紀のカルリスタ王位継承戦争で大打撃を受けた後に修復をほどこされて今に至ります。村で一番高い場所だけあって、ここからの眺めは最高! また、城跡近くの旧市街の町並みはなかなかフォトジェニックです。

ビジャファメスの城跡

アスンシオン教会は16世紀末から建設が始まったと言われています。村の規模からすると大きな教会で、一見の価値あり。内部装飾には18世紀のバレンシア陶器も用いられています。ほかには、バロック期の祭壇画があるサングレ教会やこじんまりした現在美術館、18世紀のサン・ラモン聖堂、村から5kmほど離れたところに位置する17世紀に建てられたサン・ミゲル聖堂、先史時代の遺跡などが見どころとなっています。

アスンシオン教会

アスンシオン教会

また小さな村ながら観光客が訪れるため、バルやレストランは何軒もあり、ランチ+散策目的の日帰り旅行にはもってこいの村。お土産屋さんやこの地方のハチミツやワイン、オリーブオイルなどを売るお店もあります。ゆっくりしたい方は、宿泊施設もあるので泊まることもできますよ。こんな素敵なペンションなんていかがでしょう?

>>El Jardín Vertical:http://www.eljardinvertical.com/

巨石
<くじらのような形をした重さ2,163トンの巨石は町の名物のひとつ>

実は、私が行った日は途中から雨になり、十分に町を満喫することができませんでした。近い内に、リベンジに行こうと思っています。

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田川敬子(Keiko Tagawa)

1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。

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