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元クルー(船員)の「もっち」が語る!クルーズ客船ならではの楽しみ方
こんにちは。もと客船クルー(船員)の「もっち」です。
今回は、船内プログラムをより楽しむ為のポイントや、
クルーズ客船ならではの楽しみ方について、お話したいと思います。
船内では毎日船内新聞が配られて、そのスケジュールをもとに行動予定を立てますが、
この船内新聞がちょっと問題なんですよね。
特に外国客船の船内新聞は日本人にとってはあまり見やすくないことが多いように思います
どの欄に何が書かれてあるか一目で判断しづらかったり、
ダブっていることもあったり、解りにくい説明もあります。
例えば『ピアノタイム(ミュージックタイム)』と書いてある場合、
ピアノ(楽器)のショータイムとしての演奏会なのか・・?
あるいはティータイムのBGMとしてバーで生演奏をしますという意味なのか・・?
乗船客が曲のリクエストを出してその場で演奏してもらえる時間なのか・・?
船会社によって書き方も違いますし、あまり詳しく書かれてはいないものです。
(ミュージックタイムの一つ/船専属のバンドが船のあちこちで演奏をしている)
(ミュージックタイムの一つ/乗船客が
曲のリクエストを出してその場で演奏してもらえることも)
また『ダンスタイム』という表現も曖昧です。
一口に『ダンスタイム』と言っても、
プロのダンサーが踊るのを見学する時間なのか・・?
乗船客が社交ダンスをできる時間なのか・・?
船のクルーがラインダンスを教えてくれて一緒に練習したり踊ったりする時間なのか・・?
など、区別がつきません。
社交ダンスを楽しみに客船に乗る方も多いので、その違いは大きいですよね?
(ダンスタイムの一つ/船専属のバンドによる生演奏に合わせて
ダンスホールで自由に社交ダンスができる時間も)
(時にはプロのダンサーが目の前で踊ったり)
(船内アクティビティの一つ/クルーズスタッフがフラダンスを教えてくれたり)
(船内アクティビティの一つ/インストラクターが「ズンバ」をレッスンしてくれる教室も)
(クルーズスタッフと一緒にディスコタイム)
(クルーズスタッフが教えてくれたラインダンスをイベントの時に一緒に踊ったり)
このようにいろんな意味で『ダンスタイム』がありますので、
その船の船内新聞はどのような書き方の違いがあるのか、
早い段階で理解することはとても重要なことだと思うのです。
出来れば、乗船後に船内見学をして歩く時にでも、
船内新聞に書いてあるプログラムのタイトルと実際に行われている内容を、
自分の目で見比べて確認すると良いと思います
船のスタッフに訊いてみるのも良いですね。
とにかく乗船後、早い段階でコツを掴むことが、
船のプログラムやアクティビティを十分に楽しめる秘訣です
(船内新聞/イメージ)
クルーズ客船ならではの楽しみは、船内新聞に書かれていることだけではありません。
今日は入港・出港に着目してお話してみたいと思います。
寄港地で入港・出港する時の岸壁での歓迎イベントや地元の方のお見送り、
入港・出港風景などは客船ならではで、その時にしか味わえないものです。
(出港イベント風景/その地ならではの踊りを披露してくれたり)
(出港イベント風景/楽団も来てくれて盛大にお見送り)
(出港時のお見送り風景/地元の方や観光客の方がお見送り)
(入港時にご当地キャラクターたちがお出迎えしてくれることも)
それから、これは客船の船体自体も好きで、且つ、
もとクルーという私の視点の影響もあるかもしれませんが、
入港や出港の裏側にも興味深い光景が沢山見られます。
例えば出港時、何万トンもの船体が、ものの数秒で岸壁から離れることが出来るのは、
小さな体で目一杯引っ張ってくれるタグボート達がいるからで、
何隻ものタグボートが連携してうまいこと大きな客船を方向転換させているのを見ていると、
「小さな体ですごい馬力だな~」と愛おしく感じることすらあります
(小さな体で大きな客船を引っ張ってくれるタグボート)
それから、客船が沢山の泡を出しながら岸壁から離れていく様子を上のデッキから見ていると、
いかにも船旅らしく、旅情を掻き立てられるように感じます。
出港準備の時には、運航部やパーサー部の大勢のクルーが連携して作業をします。
船を固定するために下ろしていた錨を手際よく巻き取っている様子を眺めて感心したり、
「タラップ(乗船客が上下船の時に使用する階段)が取り外されたからもうすぐ出港だな」と想像したり、
裏方の作業を見るのも私の乗船中の楽しみの一つです
(連携して行う入港準備)
(連携して出港準備をするクルーたち/タラップが取り外されたらもうすぐ出港)
飛行機で例えると、座席の窓から外を眺めて、地上スタッフが機敏に働いている姿を
見て「カッコいいな」と関心するのと同じような感覚でしょうか
入港・出港に関連して私が密かに注目しているポイントのもう一つは、
パイロット(水先案内人)の活躍です。
例えば日本の瀬戸内海のように入り組んだ海域や港では、専門の水先案内人が
客船の操舵室に乗り込んで来て、一時的に船長に代わって無線で航行の指示を出すのですが、
その水先案内人の動きを見ていると「船ならではの光景だなぁ」とワクワクするのです!
出港の場合は、指定の海域まで無事に出たら、水先案内人は客船を下りるのですが、
下りると言ってもそこは海の上。どうするのかなと観察していると...。
海面に近い下の方のデッキの特別な扉を開けて、そこに近づけるように
小さなタグボートを横付けし、水先案内人が客船からタグボートに飛び移るのです!
(タグボートを寄せて)
(水先案内人が飛び移る)
慣れているとは言え、航行中の客船から(ちょっとした波でも大きく揺れる)小さなタグボートに、
並走しながら飛び移るわけですからもちろん危険が伴います。
そんな中、水先案内人が軽い身のこなしで'ひょいっ'と飛び移ったのを見ると、
「よっ、お見事!!」と拍手を送りたくなるのです
私がプライベートで船に乗る時はそんな感じで、
港や海の景色だけではない入港・出港風景を楽しみながら船旅を堪能しています
もう一つ忘れてならないのが『橋の通過』です。
港の近くには大きな橋がかけられているところも多いですよね?
海外だとシドニーやサンフランシスコ、
国内ならレインボーブリッジやベイブリッジ、女神大橋など美しい橋が沢山あります。
通過できる船の大きさに制限はあるものの、橋の下を通過する瞬間にも
船ならではの光景があります。
(港の近くには大きな橋がかけられているところも多い)
大きな船になればなるほどぶつかるんじゃないかと思うくらい、
橋の下スレスレを通過することもあるため、
その様子をデッキから眺めるのはなかなか壮観です!
特に港の近くの橋で歩行者用通路がある橋だと、船が通過するのを地元の方が見に来ていて、
橋の上からは船を、船からは橋を、手が届きそうな距離でお互いに眺めている...面白い光景ですよ!
顔がはっきり見えるほど近いことだってあるんです
是非一度お試しください!
(橋の通過も見所の一つ)
(ぶつかりそうなほど橋の下スレスレを通過することもある)
ちょっとマニアックな話になりましたが、船旅の楽しみは尽きない!ということです
皆さんもご自分なりの船旅の楽しみを色々見つけてみて下さい!!
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クルーズ旅行編集部
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