<その1>『船長がお目当て』のリピーターも多い「ぱしふぃっく びいなす」 由良和久船長の魅力に迫る

こんにちは。ライター久家です。

旅行会社でクルーズツアーの仕事をしていると、クルーズに関するいろいろな情報が入ってきます。

その中で、気になっていたのが「ぱしふぃっく びいなす」の由良船長のこと。なんと「船長がお目当て」で乗船するお客様もいるらしいというお話です。由良船長の、どんなところが「お目当て」になる魅力なんだろう。直接お会いして、ぜひともお話を聞いてみたい!

ということで、無理を承知でアポイントをお願いしたところ、乗務の合間に、お会いすることができました!

yura(bridge).JPG(ぱしふぃっく びぃなす 由良船長)

第一印象は、物腰が柔らかで話上手な方。経験の豊かさからか、話題の「引き出し」が多く、どんどん話に惹き込まれていくんです。お会いして数分で、すでに魅力が伝わってきました(笑)

由良船長のお話の中から、人を惹きつける船長の「引力」に迫っていきたいと思います。

<「船乗りになりたい」 夢を貫き通した学生時代>

船に乗ることを決めたのは、小学校六年生のとき。「将来の夢」について作文を書くことになったのですが、その時の夢はまだ漠然としていて。そこで、図書館で「職業」についての本を探し、その中に書いてあった「航海士」の仕事を見つけたのです。「大きな船で海外に行ける」 ・・ 一瞬で引き込まれました。「僕がやりたいのはこれだ!」と。その本には、「商船高等専門学校」に進学することが、大型船の航海士になる近道だと書いてありました。

中学生になっても、「航海士になる」という思いを持ち続け、中学卒業後には、商船高等専門学校へ進学、親元を離れ寮での生活が始まりました。

進路の相談をした時、母には大反対されましたよ・・。「普通の高校に進学して、大学を出れば、もっとたくさんの選択肢ができるのに、なぜわざわざ船に乗るのか!!」と。母にとっては、船乗りとは「危険」「厳しい」「いつ何があるかわからない」「家族と離れてしまう」など、悪いイメージしかなかったようです。今思えば、母が反対する気持ちもよくわかります・・。

しかし、海軍出身の父がそばにいたことで、「船に乗る」という仕事に全く抵抗はありませんでした。それに、父も私の夢を応援してくれましたから。

「商船高等専門学校を出ても、大学に入れるし、その時に進路を考え直せるから」と、なんとか母を説得してくれました(笑)

進学後、勉強はとても厳しかったです。高校・大学と7年かけて修得するところを、高専の5年半でやるからです。一クラス40名で、1年後に10名ほど、落第または辞めていきました。卒業するまでに、1/3近くの同級生が辞めたことになります。それに、私はテニス部に所属していたので、毎朝5時には起床・・そして、勉強は深夜まで・・と5年間ずっと睡眠不足が続きました。

学校での上下関係も厳しかったです。船は、組織で動きます。組織を乱すことは安全運航上、許されません。そのため、学生生活においても、統制が重んじられていました。今思い返しても、勉強と部活の両立は厳しくて本当にきつかった・・。その経験が今の自分の基礎となっているのは、間違いありません。

<厳しい就職難・・それでも、ひたむきな情熱と努力で引き寄せた未来>

昭和57年当時、学校を卒業し、二等航海士の資格を取っても、海運関係は不況で、「船に乗る」職に就ける会社はほとんどありませんでした。それに、貨物船ではなく、どうしても客船に乗りたかったのですが、客船自体も少なく行き詰ってしまいました。

くじけそうになっても負けないと歯を食いしばった学生時代、子供のころからの夢への情熱。そして、運やタイミングも味方してくれたのでしょう。狭き門の中、受けた海運会社に入社することができたんです。・・それが、今の会社です。

paci4credit_mrshinomoto.jpg(ぱしふぃっく びいなす船体/撮影:篠本秀人)

商船高専を卒業した同級生のうち、船に乗れたのは4名。今でも現役なのは2名だけです。その他の卒業生は、港湾関係や海運(陸での仕事)や損保会社に就職先を見つけていました。船に乗れなくても・・海に関わっていたい気持ちはみんな同じなんですね。

二等航海士の資格を持っていても、現場では三等航海士からのスタートです。無事に就職ができても、今ほど客船クルーズがメジャーではありませんから、オフの時期は稼働しない期間もあり、仕事が少ない状態でした。

「クルーズでの旅ほど魅力的なものはない。いつかはもっともっと必要とされるに違いない」、そういう未来が来ると信じ、耐え続けた時期もありました。

その2へ続く >>

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