スペイン/サンティアゴ・デ・コンポステーラ(時を超えて祈りを集める)

世界遺産「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」 千年の歴史を持つ聖地

サンティアゴ・デ・コンポステーラ
<写真提供:スペイン政府観光局>

千年以上も前から、巡礼者たちはヨーロッパ西の果てにある「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」を目指して歩き続けました。なぜイベリア半島の端にある「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」が、エルサレムやローマに並ぶ『キリスト教の三大聖地』の一つとされたのでしょうか?それは、1世紀頃にエルサレムで殉教したキリスト十二使徒のひとり聖ヤコブ(スペイン語名・サンティアゴ)の墓が、約800年の時を経て遠く離れたこの地で発見されたからなのです。聖ヤコブの遺骸を祀る聖堂が建てられたサンティアゴ・デ・コンポステーラは聖地となり、祈りに向かう信者が各地から訪れました。特に『聖遺物崇敬』が盛んだった中世、巡礼者の列は絶え間なく続いたと言われています。

歓喜の丘
<写真提供:スペイン政府観光局>

しかし中世の巡礼では悪天候に見舞われたり、盗賊、狼などに襲われることも多く、聖地への長い旅はまさに命がけ。サンティアゴ・デ・コンポステーラの街を見渡す近郊の丘まで辿り着いた者たちは、巡礼の最終地点となる大聖堂の尖塔を眼下に望み、喜びの声を上げたと言われています。後に「歓喜の丘」と名付けられたこの丘に立つと、巡礼者たちが聖なる地を初めて目にした瞬間の喜びの想いが胸に伝わってきます。

歓喜の丘
<写真提供:スペイン政府観光局>

11世紀に建造が開始された「サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂」は、その荘厳さ、内部装飾の豪華さを含め、キリスト教三大聖地の一角に相応しい『壮大なモニュメント』。巨大なカテドラルの内部には、「聖ヤコブの墓」の上に主祭壇が造られ、祈りを捧げる礼拝者を厳かに迎えます。そして、金色に輝く彫刻装飾が施された祭壇の中央には、これこそが巡礼の象徴に他ならない『聖ヤコブ像』が鎮座。伝説に違わぬ神々しさをたたえ、巡礼者たちはこの像に背後から抱きつき、巡礼の成就を実感するのです。

サンティアゴ・デ・コンポステーラ
<写真提供:スペイン政府観光局>

注目すべきは、ドーム天井から吊るされた世界最大といわれる香炉(ボタフメイロ)。特別なミサの日には、重さ約80kgの香炉が大きな振り子のように振られ、聖堂の中がお香の匂いで満たされる荘厳な儀式が見られることも。神秘的な輝きを放つ香炉でたかれるお香は、神に捧げられるとともに、旅路を経た巡礼者たちの匂いを清める役割もあったと伝えられています。

サンティアゴ・デ・コンポステーラ
<写真提供:スペイン政府観光局>

今もなお巡礼者のシンボルである『帆立貝の殻』を下げ、多くの人が世界から訪れるサンティアゴ・デ・コンポステーラ。巡礼路を通じて文物が行き交い、芸術や文化交流の道としても利用され、ヨーロッパの形成にも大きく寄与した地域なのです。

帆立貝の殻
<写真提供:スペイン政府観光局>

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