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奄美大島(海中のミステリーサークル!?)
奄美大島の海底だけにしか現れない "海中のミステリーサークル"
透明度が高く、美しい海で有名な奄美大島。春から夏にかけて、水深25mの海底の砂地に"ミステリーサークル"が出現するのをご存知ですか!?世界でも奄美大島にしか現れない、謎に満ちたミステリーサークルです。
直径2mほどもあり、とても規則正しい形の幾何学模様です。上から見ると綺麗な円形をしていて、放射状の多数の溝が中心部からサークルの縁に向かって走っています。斜めから見ると平面ではなく、サークルの縁には二重の土手のような盛り上がりがあり、土手の上には貝殻の破片などが散らばっています。
実はこのミステリーサークルを作ったのは...全長わずか12cmほどのフグなんです!!全長わずか12cmほどのフグのオスが、「メスの産卵場所」として、このように複雑な形をした直径2mもの大きなサークルを作るのです。オスが砂地をヒレでかき回し、中心に向かって繰り返し溝を掘り進みます。中心付近の砂をならし、貝殻のかけらで飾りつけるように仕上げます。オスが約1週間かけて直径2mもある複雑な形をしたサークルを作ると、メスが産卵巣の中心部に卵を産みます。卵は5日後にふ化します。
このフグはシッポウフグ属の新種であることがことがわかり、「アマミホシゾラフグ」と名づけられ、2014年に新種として発表されました。米ニューヨーク州立大学国際生物種探査研究所の「世界の新種トップ10」(2015年)に選ばれました!米ニューヨーク州立大学国際生物種探査研究所では、全世界から報告される新種の中から特筆すべき10種を選考しています。全世界から報告される生物の新種は、毎年約1万8千種に達しますが、日本から報告された新種が選ばれたのは「アマミホシゾラフグ」が初めてです!
全長わずか12cmほどのアマミホシゾラフグが作る直径2mものミステリーサークル!奄美大島で実際に見てみたいですね。
なぜ複雑な図形を海底に描くのか?
産卵巣を見ると、中心部から縁に向かって多数の溝が放射状に走っています。このため、どの方角から流れが来ても、中心部に海水が集まるようになっていて、中心部の海水がよどむことなく、常に新鮮な海水が卵に供給されます。卵が成長するためには酸素を含んだ新鮮な海水が必要になるため、放射状の溝は卵にとって快適な環境を与えているのです。また変化の乏しい海底でも目立つ産卵巣の形が、効果的にメスを呼び込むのに役立っていると考えられています。アマミホシゾラフグのオスが貝殻を歯で砕いて、産卵巣の縁にある土手のような構造の上に貝殻の小片を置いて飾りつける行動も、産卵巣を目立たせるためではないかと考えられています。
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空飛ぶ地球儀 編集部
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