パラグライダーの基礎知識まとめ!体験方法や服装、スポット紹介など

パラグライダー

年間を通して体験でき、鳥になったかのような気分を味わえるスカイスポーツが「パラグライダー」。空の上を自転車をこぐようなスピードでゆっくりと飛んでいくため、四季折々の自然美を眼下に、空中をふんわりと舞うような感覚が得られるのが魅力です。 

半日から気軽に体験できることから、旅先での非日常体験としても人気が高まっているパラグライダー。その基礎知識について、参加方法や料金から、当日の服装や持ち物、実際にパラグライダー体験ができるおすすめスポットにいたるまで、たっぷりと紹介します。

目次

<1. パラグライダーとは>

<2. パラグライダーで空を飛ぶのに許可はいる?>

<3. パラグライダーの楽しみ方・料金など>

<4. パラグライダーの年齢制限や体重制限>

<5. パラグライダーがしやすい季節・時期とは>

<6. パラグライダーの予約・申し込み方法>

<7. パラグライダーをするのに必要な準備や服装>

<8. パラグライダー当日の流れ>

<9. パラグライダーに関するQ&A>

<10. 全国のパラグライダーができる場所一覧>

1. パラグライダーとは

パラグライダーは「斜面を利用して滑空しよう」という発想から生まれたスカイスポーツの一種。空中でパラシュートを開き地面に向けて降下するスカイダイビングとは異なり、地上で滑空性能のある四角いパラシュートを開き、風に乗って空を飛ぶところに特徴があります。

パラグライダーの原型は、カナダ生まれの発明家・ドミーナ・ジャルバートが1964年に原型を考案したパラフォイルだとされています。さらに、1966年に冒険家の三浦雄一郎氏が富士山での直滑降に成功した際、ブレーキとしてパラシュートを使用したことにより、スポーツへの応用が考えられるようになったといわれています。

日本でパラグライダーが一般に普及し始めたのは1980年代後半のことで、1995年には福岡県北九州市でパラグライダーの世界選手権も開催されました。

鳥のように宙を舞う浮遊感と開放感を味わえる一方で、滑空中の速度は30~35km程度と比較的ゆったりとしているため、老若男女が幅広く楽しめるのがパラグライダーの魅力。装備が比較的軽量で、体力もあまり必要としないため、スカイスポーツのなかでも比較的チャレンジしやすいといえるでしょう。

2. パラグライダーで空を飛ぶのに許可はいる?

パラグライダーは航空法による規制の対象外となるため、パラグライダーを楽しむうえで特別な許可はいりません。

ただし、法規制の対象外だからといってどこでもフライトができるわけではなく、国土交通省が指定する航空交通管制空域や、航空交通管制圏として指定されている空港の周辺などでは、パラグライダーで空を飛ぶことはできません。

とはいえ、パラグライダースクールが管理するフライトエリアは、こうした規制エリアを避けて設定されているため、パラグライダースクール等の管理のもとパラグライダーを楽しむ限り、個人が規制の詳細を気にする必要はないでしょう。

また、国家資格ではありませんが、パラグライダーにはライセンス制度があり、ライセンスを取得することにより、参加できるコースの選択肢を増やすことができます。まずは体験フライトに参加してみて「本格的な単独飛行にチャレンジしたい」と思ったら、ライセンスの取得を検討してもいいかもしれません。

3. パラグライダーの楽しみ方・料金など

パラグライダーが初めてという人は、まずは初心者でもできる浮遊体験に参加し、パラグライダー特有の浮遊感を味わってみましょう。

自力で飛ぶことよりも上空での景色を楽しむことに重点を置きたいのであれば、経験豊富なインストラクターと2人1組でフライトする「タンデムフライト」もおすすめ。タンデムフライトなら1人でのフライトが不安な人や小さな子どもでも参加することができ、初心者でも本格的なフライトが体験できます。

タンデムフライト
<出典元:写真AC

料金の相場は、単独浮遊体験の場合、半日で5,000円~8,000円程度、1日で8,000~12,000円程度。タンデムフライトの場合は9,000~13,000円程度です。

単独で本格的なフライトを楽しむには、ライセンスの取得が必須。現在日本国内では、日本ハング・パラグライディング連盟(JHF)と日本パラグライダー協会(JPA)の2団体がパラグライダーのライセンスを発行しています。ひと口に「ライセンス」といってもいくつかの段階があり、初級から上級へと徐々にステップアップしていく流れになります。

4. パラグライダーの年齢制限や体重制限

パラグライダーは幅広い年齢や体型の人が楽しめるスカイスポーツですが、スクールの方針として年齢制限や体重制限を設けているところがほとんど。

年齢制限については健康であれば特に制限を設けていないスクールが多いようですが、単独浮遊体験は6歳~70歳程度、タンデムフライトの場合は5歳~100歳程度に制限しているスクールもあります。

一方、体重制限としては、おおむね30kg~80kg(または90kg)程度の人が参加できるのが一般的です。ただし、スクールや体験の内容によっては、体重制限がないこともあります。

5. パラグライダーがしやすい季節・時期とは

パラグライダー
<出典元:写真AC

パラグライダーは通年楽しめるアクティビティですが、特におすすめなのが、空気が澄んでいてかつ寒すぎない秋。秋のパラグライダーには、上空から紅葉のじゅうたんを見下ろすという楽しみもついてきます。とりわけ風も比較的穏やかな10~11月頃は、初心者にも最適の季節です。

また寒くはなりますが、冬も空気が澄んでいるため、夏よりもずっと遠くまで景色を見渡すことができますよ。

パラグライダーに特別不向きの季節はありませんが、パラグライダーには年間を通して大気の安定した曇りの日が最適。晴れの日がパラグライダー日和と思われがちですが、晴れの日は上昇気流が発生して乱気流に遭遇する可能性が高くなるため、曇りの日がいいのです。

6. パラグライダーの予約・申し込み方法

パラグライダー体験に参加するには、原則として前日までの予約が必要になります。予約方法は、おもに電話や公式サイトでパラグライダースクールに直接申し込む方法と、旅行会社などが運営するアクティビティ予約サイトで予約する方法の2通りがあります。

アクティビティ予約サイトは、一覧で条件に合ったプランを比較検討できるほか、決済もオンラインで完結できたり、サイトによってはクーポンやポイントなどが使えたりする点がメリットです。

7. パラグライダーをするのに必要な準備や服装

パラグライダー体験にあたって、特別な装備を自分で揃える必要はないため、少ない荷物で参加できます。とはいえ、服装や持ち物についてはいくつかの注意点があるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。

自分で用意する道具や服装

体験程度であれば、パラグライダーをするにあたって特別なウェアを用意する必要はなく、手持ちのカジュアルウェアで十分対応できます。

ただし、着地時に泥がはねたり転んでしまったりする可能性もあるため、汚れても良い服・靴で参加するのが大原則。着地が乱れてしまったときのことを考え、ケガを防ぐためにも露出の多い服装は避け、長袖・長ズボンを着用するようにしましょう。

服装選びで注意したいのは、フードのついた服は避けること。フードが木の枝などに引っかかってしまうと窒息の恐れがあり、非常に危険です。また、足元はヒールのある靴、サンダル、革靴などはNG。スニーカーなど、きちんと足を保護してくれる運動靴を選んでください。

服装のほかには、手を擦りむいたり、汗で手が滑ったりするのを防ぐため、軍手やワークグローブなどの手袋を用意しておくと安心です。また、汗をかいたり、服や手が汚れてしまったりしたときのために、タオルやウェットティッシュがあるといいでしょう。

上空では風が吹くため、髪が長いと顔に髪の毛がまとわりついてフライトに集中できないことも。髪が長い人はヘアゴムを持参し、フライト前に髪をまとめておくといいですよ。

当日レンタルで使えるもの

パラグライダー
<出典元:写真AC

「キャノピー」と呼ばれる翼や、キャノピーを身体につなぐハーネス、ヘルメットなど、パラグライダー体験に必要な装備一式は、原則として体験料金に含まれています。

そのほか、フライトスーツやパラグライダーシューズ等の無料貸し出しを行っているスクールもあります。アウトドアアクティビティに適した服を持っておらず、ウェアのレンタルを希望する場合は、あらかじめ利用するスクールに確認しましょう。

8. パラグライダー当日の流れ

パラグライダー 体験
<出典元:写真AC

初めての人にとってはドキドキのパラグライダー体験。当日はどんなことが待ち受けているのでしょうか。イメージがしやすいよう、一般的なパラグライダー体験当日の流れをまとめました。

ただし、スクールや体験の内容によって当日の流れが異なるため、インストラクターの指示にしたがって行動してください。

1.受付

パラグライダー体験当日は、まず所定の集合場所にて受付を行います。その際、申込用紙や同意書への記入や、参加費の支払い(オンライン決済でない場合)をします。

2.講習

次に、インストラクターからフライト中の注意点や離着陸の方法などについて、簡単な講習を受けます。スクールによってはビデオを視聴する場合もあります。

3.移動・準備

続いて、テイクオフポイントに移動し、インストラクターとともに準備体操や離着陸の練習をします。ヘルメットやハーネスを身に着けた後、キャノピーを広げ、準備が整ったらいざテイクオフ。鳥になった気分を堪能しましょう。

9. パラグライダーに関するQ&A

初めての人にとって、スカイスポーツは未知の領域。「パラグライダーに興味はあるけれど、ちょっと不安」という人のために、パラグライダーに関する気になる疑問にお答えします。

高所恐怖症でも大丈夫?

高いところが苦手な人にとって一番の心配ごとは、「高所恐怖症でも大丈夫?」ということではないでしょうか。

「高所恐怖症だけどパラグライダーに挑戦した」という人は意外に多く、「全然怖くなかった。むしろ楽しい」「上空からの絶景が最高」という感想を口にしている人もいます。パラグライダーは空中を比較的ゆっくりと滑るため、「思ったほど怖くない」という意見が少なくありません。

一方で、「足元が宙ぶらりんで怖かった」という人もいるのは事実。「高所恐怖症だけど怖くなかった」という人はインストラクターと2人1組で飛ぶタンデムフライトを体験した人が多いようです。高いところが苦手な人は「インストラクターがついている」という安心感のあるタンデムフライトから始めてみてはいかがでしょうか。

パラグライダーの安全性は? 事故は起こらない?

空を飛ぶスカイスポーツにおいて、やはり誰もが気になるのが「安全性」ですよね。

残念ながらパラグライダーで死亡事故を含む事故は毎年発生しています。事故の概要は公益社団法人日本ハング・パラグライディング連盟の「事故報告」ページから確認できます。

重大事故につながってしまう原因となるものとしては、例えばベルトの付け忘れなどの人為的なミスや判断ミスによるものがあります。初心者が参加するパラグライダー体験では、経験豊富なインストラクターがしっかりとサポートしてくれるので、ベルトを付け忘れたまま飛んでしまうことや、パラグライダーに適さない環境下で無理にフライトを決行してしまうようなことはほとんどないでしょう。しかし自分でもしっかり気を付けて、おかしな点がないか注意しておく必要はあります。

強風にあおられたり、着地に失敗したりといった事故も発生しています。ベテランになるほど、高齢になるほど事故が起こりやすくなっているという傾向もあるようです。

自然を相手にするアウトドアスポーツである以上、「100%安全」とは言い切れませんが、人為的なミスをなくすことで、リスクを少なくすることができます。だからこそ、インストラクターの説明をしっかり聞き、注意点を守って行動することが大切ですね。

パラグライダー中の撮影はできる?

普段なかなかできない体験だからこそ、パラグライダー中の写真や映像を残したいと考える人も多いのではないでしょうか。

インストラクターと2人1組で行うタンデムフライトの場合、フライト中は両手が使えるため、自身のスマホやカメラで写真や動画の撮影が可能。ただし、落下の危険性があるので、首掛けのストラップを付けるなど、何らかの落下防止対策が必要になります。

また、タンデムフライトの場合、インストラクターがフライト中に自撮り棒やアクションカメラなどを使って写真や動画を撮影してくれるサービスや、Go-Proなどのアクションカメラのレンタルを行っているスクールもあります。写真や動画の撮影を希望する場合、申込時または受付時に申し出ましょう。

10. 全国のパラグライダーができる場所一覧

気になる疑問が解消されたら、「パラグライダーをやってみたい!」という気持ちが高まってきたのではないでしょうか。続いて、実際に日本国内でパラグライダーが体験できるおすすめスポットを紹介します。

富津岬(千葉県)

南房総の富津岬は、都心からも近いパラグライダースポット。海風を使った、爽快感あふれるモーターパラグライダーが楽しめます。その名の通り、モーターパラグライダーには動力が備わっており、平地で離着陸ができるため、より手軽に体験できるのが魅力です。

湾に突き出た富津岬からのパラグライダー体験は、一面海の絶景フライト。東京湾が一望できるのみならず、コンディションが良ければ、スカイツリーや筑波山、富士山まで見えることもあるほどです。

朝霧高原(静岡県)

パラグライダー 富士山
<出典元:写真AC

富士山を眺めながらのパラグライダー体験が楽しめるのが、静岡県の朝霧高原。首都圏から日帰りで行けるロケーションの良さも人気の秘密です。

朝霧公園でのパラグライダーの醍醐味は、何といっても雲と同じ高さから見る富士山ビュー。目の前には日本を象徴する山が堂々と鎮座し、眼下には高原の緑のじゅうたんが広がる光景は、いつまでも忘れられません。

鳥取砂丘(鳥取県)

パラグライダー 鳥取砂丘
<出典元:写真AC

日本を代表する砂丘・鳥取砂丘は、観光だけでなくさまざまな体験ができるアウトドアアクティビティのメッカ。広大な砂丘の上空を飛べる鳥取砂丘は、日本でもほかに類を見ないパラグライダースポットです。

どこまでも続く砂地と日本海を見下ろしながらのフライトは、日本にいることを忘れてしまいそうになるほどの非日常体験。装備を運ぶスタッフが付き添ってくれるコースもあり、体力に自信がない人でもチャレンジしやすいです。

阿蘇(熊本)

パラグライダー 阿蘇
<出典元:写真AC

熊本の雄大な大自然を満喫できるパラグライダースポットといえば、阿蘇。足元にはどこまでも続く広大な草原や田んぼが広がり、その周囲を阿蘇山や北外輪山がぐるりと取り囲む360度の大パノラマは感動モノです。

パラグライダー体験としては珍しく、高低差30mのフライトにチャレンジすることができるため、半日や1日の体験でも十分な達成感と満足感が味わえます。

知念岬(沖縄)

パラグライダー 沖縄
<出典元:写真AC

真っ青な海を眺めながら空を飛びたいなら、やっぱり沖縄。沖縄本島の東南端に位置する知念岬は、三方を海に囲まれた絶好のパラグライダースポットで、エメラルドグリーンの海を真下に空中散歩が楽しめます。

海の絶景はもちろん、「神の島」と呼ばれる久高島を望むフライトは、沖縄ならではの特別感が満載。周辺の世界遺産・斎場御嶽(せーふぁうたき)の観光とあわせて楽しみましょう。

パラグライダーができるスポットは全国に点在しているので、まずは自宅から近いところでトライするもよし、旅の思い出作りとして、旅先で体験するもよし。興味のある方は、まずは基礎知識を把握しておいて、パラグライダーを楽しんでみてください。

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