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アイルランドの新型コロナウイルス現地情報(2021年3月15日現在)
アイルランドでは、2021年3月現在、一番厳しいレベル5のロックダウンが全土で行われています。これで、レベル5のロックダウンは3度目となりました。当初は、2021年3月5日までの予定でしたが、状況があまり改善しなかったため、4月上旬まで延長されることになりました。この記事では、アイルランドのコロナウイルス現地レポートをご紹介します。
目次
アイルランドの新規感染者数の推移
<画像参考:HPSC>
一時は新規感染者数が8,000人を超える日もありましたが、少しずつ減少し3月上旬には、400人台まで下がりました。しかし、学校が再開するとまた急上昇しはじめました。学校が再開したのは3月8日でしたが、翌日の新規感染者数が300人から一気に523人まで上昇しているのが、アイルランドの公的機関HPSCが提供している新規感染者数のグラフからも分かります。
以前レベル5のロックダウンが緩和されたときは、変異種が発見される前だったこともあって死亡率が今ほど高くはありませんでした。その頃は、1日に5人も死者が出れば驚いていましたが、今では一日の死者数が30人~50人ということがしばしばあります。このことからも変異種がいかに危険であるかが分かります。
ワクチンの配布について
現在、アイルランドでは新型コロナウイルスワクチンの配布がはじまっています。しかし、全員が受けられるというわけではありません。ワクチンの量やワクチン接種を行う人員が不足しているため、緊急性の高いグループから優先的にワクチンを受けられるシステムになっています。どのタイプのワクチンを受けるかを個人が希望できるかどうかは、今のところ分かっていません。
市民に正確な情報を提供することを目的とする公的機関Citizens Informationによると、現在ワクチンを受けられるのは、以下の人たちです。
- 長期間ケア施設に入っている65歳以上のご老人
- 最前線で働くヘルスケアワーカー
- 70歳以上のご老人
町の様子
写真に写っているのはそれほど感染者が多くないアイルランド西部のとある町です。普段と比べてそれほど変わったことがないように感じますが、実は最近この町にあった銀行AIBの支店が閉鎖することが発表されました。AIBはアイルランドで唯一、セキュリティー面で世界的に評価されている銀行です。アイルランドでは一番信頼がある銀行と言っても良いでしょう。そのAIBが支店を閉鎖するということは、長引くロックダウンによりこの町や周辺地域に与える影響の大きさを計り知ることができます。
私の住む村の周辺でもう一つ大きめの町がありますが、そこは一時期アイルランド全土で3番目に危険な地域と言われていました。西部の田舎町でなぜ突発的な感染が起きるのか、誰もが不思議に思うことでしょう。3週間ほど前にその町を訪れたのですが、非常に驚きました。危険な地域だと言われているのにマスクなしで接近して話す様子を目撃しました。まるでロックダウンなどなかったかのようにお店が人で溢れています。子供にマスクをつけず、大家族でショッピングする人たちなど。。。人が親切で感じの良い町なのですが、当分の間はその町で買い物したくないと感じさせるほどでした。
スーパーの様子
ロックダウン中人々に許されている数少ないことのひとつが、食品や日用品の買出しです。スーパーでは、大人服のコーナーは入れないようになっていて一切買う事ができませんが、下着やスリッパなど生活必需品は買えます。大手スーパーTescoでは、その他に靴下やタイツ、パジャマなどの購入が可能でした。子供や赤ん坊は成長が早く、古い服を着まわすわけにもいかないのですべて購入可能です。
子供のおもちゃやDVDなど普段の生活に必ずしも必要なわけではない商品は、グリーンシートが被せられ、購入できないようになっています。また、メイク用品もすべて購入できません。これらはオンラインでは購入が可能です。
スーパーでなぜこのような対策されているかというと、これらの商品を求めてスーパーに多くの人たちが集まらないようにするためなのです。なるべくスーパーに人が集まらないような工夫はこれだけではありません。
アルコール品は以前は、スーパーの真ん中の列に堂々と構えていました。しかし、最初のロックダウン以降スーパーの一番隅の非常口付近に移動しました。また、購入できる時間帯も以前より少しだけ短くなりました。最近では、まとめ売りのセールが禁止されました。セールのアルコール品を求めて多くの人が密集するのを防ぐためだと言われています。
まとめ
今回は、現在レベル5のロックダウンが強制されているアイルランドから、最新の現地情報をレポートしました。前回のロックダウンと比べると、様々な面でルールが厳格化しているように感じます。その一方で、より情報が正確に伝わり、より多くの人たちが誤った情報にまどわされなくなりました。このまま、感染者数と死者数が下がらなければ、4月以降もロックダウンが継続される可能性がありますが、一人ひとりが気をつけることでなるべく早く解除されることを願います。
参考文献
- COVID-19 14-day Epidemilogy Reports March 2021|HPSC hpsc.ie
- Vaccines for COVID-19|Citizens Information
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Maroon
- アイルランド在住のトラベル・ライター兼YouTuber。アイルランドから「アイルランドの田舎暮らし」の面白さを発信しています。現地では、ネイリストやネイル講師としても活動しています。