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【コロナウイルス第2波】アイルランドの現地情報|2度目のロックダウン(2020年11月12日現在)

記事投稿日:2020/11/22最終更新日:2020/11/22

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あれは確か、10月上旬の出来事でした。アイルランドでは、ロックダウン規制も解除されて、私たちは束の間の自由な暮らしを楽しんでいました。そんなある日、知り合いの様子がおかしいことに気づき話を聞いてみると、前日、ロンドン郊外に住むおじさんがコロナウイルスで亡くなったとのこと。気の毒なことに、感染してから亡くなるまでたったの2日でした。この頃からアイルランドでも感染者数が増え、2度目のロックダウンを覚悟するようになりました。この記事では、2度目のロックダウンに入っているアイルランドから、コロナウイルスに関する現地情報をお届けします。

目次

アイルランドがいち早くロックダウンに踏み切った背景

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アイルランドのロックダウンは、10月20日から始まりました。6週間つづく予定です。ほかのヨーロッパ諸国と比べると、アイルランドの新規感染者数は圧倒的に少ない状況です。そんな中アイルランドが、ヨーロッパで一番はやく2度目のロックダウン(一番厳しいレベル5のロックダウン)に踏み切った理由はなぜだったのでしょうか?

ロックダウンは予想されていた?

秋冬になると気温が下がり、野外での活動が減ります。その一方で、室内での人々の接触が増え、感染者も増えやすくなります。このことから、専門家のあいだでは、寒い季節に2度目のロックダウンに入ることが予想されていました。予想どおり、コロナウイルスの第2波がヨーロッパを襲い、お隣イギリスでは、新規感染者が2万人を超える日々が続いています。フランスでは6万人、イタリアでは3万人を超えるなど、予想していたとはいえ、目を疑うような数字です。

マスクの着用が義務付けられたものの、増え続ける感染者数

マスクは一定の効果があることが実証されているため、お店に行く人や、公共の乗り物を利用する人はすべてマスクの着用が義務付けられます。それにもかかわらず、過疎化地帯の小さな村で爆発的に感染者数が増えているのはなぜなのでしょうか?ここに日本にはないアイルランド特有の文化が見え隠れします。

アイルランド人は、非常に社交的な人たちなのです。パブ(居酒屋)が禁止されても、隠れてパブに行く人がいます。罰金を承知のうえで、パブを密かに開けるオーナーがいます。1,000ユーロの罰金と1ヵ月の懲役も覚悟のうえで、自宅の倉庫でひそかに飲み会を開く中年層もいます。10代ではなく中年層に感染者が多いのは、これらが大きく関係しているのです。

彼らにとっては、仕事が終わったあと居酒屋で一杯やって友人と話すのが、毎日の生きがいのようです。気持ちは分からなくもありませんが、彼らの行動はあまりにも身勝手で、楽観的です。身近に死者がでてから後悔したのでは遅いですよね。また、ダブリンなどの都市部と比べると、田舎は感染者数がずっと少なかったので、自分たちは大丈夫という油断もあったことでしょう。

2度目のロックダウンに入る前の状況

アイルランドでは、2度目のロックダウンに入るおよそ1ヵ月前からすでに、1回目のロックダウンに入った頃の新規感染者数をはるかに超える状態でした。いくつかの老人ホームではクラスター感染が発生し、ICU(集中治療室)を必要とする重篤患者数も5月の最高値を超えていました。

ロックダウンに入ると経済的損失が大きいため反対意見も多く、なかなかロックダウンに踏み切れずにいたのですが、学校を閉鎖せず、結婚式やお葬式への参加を認め、5km以内の移動を可能にするなどの緩和項目も入れることで、反対意見とのバランスをとった感があります。

また、「コロナウイルスへの対応は国がそれぞれ独自に判断し率先して行うべきで、ほかのEU諸国と足並みを揃えている場合ではない」そんな姿勢を感じました。

アイルランドでの感染者数の推移

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ロックダウンに入る前の2週間は1,000人を超える日々がつづいていましたが、ロックダウンに入ってからは、すぐに新規感染者数が減少しました。ロックダウンと同時に警察が市民に厳罰を与えられる法律が新たに作られたことも、感染者数の減少に少なからず影響しているのは確実です。ここ数日は200人台まで下がり、このままの状態が続けば、予定通りクリスマス前にはロックダウンが解除されることが予想されます。

規則をやぶれば懲役もありうる!?

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新しい法律のもとで、ロックダウン中の規則を破った人は、以下のような厳罰に処せられます。

  • 室内でイベントやパーティを開催した人は、1,000ユーロの支払いか1ヵ月の懲役、またはその両方
  • 2回目の違反者は、最高1,500ユーロまたは3か月の懲役、あるいはその両方
  • 3回目以降の違反者は、最高2,500ユーロまたは6か月の懲役、あるいはその両方
  • 特別な理由なく自宅から5km圏内を超える移動、およびに県境を超える行為は、2,500ユーロ、あるいは6ヶ月の懲役

ロックダウンの規則を破ることで、懲役を科す国は珍しく、それだけアイルランドはコロナ対策において経済的に窮地に立たされている可能性があること、そして人の命を尊重する福祉国家だということが推測できます。

ロックダウン中も学校は閉鎖しないのはなぜ?

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現在に至るまで、およそ4,000あるアイルランドの小中学校のうち、73件の突発的な発生が報告されました。現場の教師も、コロナウイルスに感染する危険をおかしながら働いているので、抱えているストレスははかりしれません。教師組合は、ロックダウン中、学校を閉鎖するように求めていますが、共働きが多いミドルクラス層からの反対は強く、政府はなかなか閉鎖には踏み切れないようです。

アイルランドのコロナウイルスに対する対策は、それぞれの学校にゆだねられています。1クラスを3人ずつの空間に仕切り、3人以上の生徒とは接触できないようなしっかりとした対策をおこなっている学校もあれば、15人以上いるクラスメートを全員同じ空間で勉強させている学校もあります。前者のような対策は、生徒数が少ないからこそできる対策でもあります。

ちなみに、筆者の娘は5歳なので、アイルランドでは小学校の低学年ですが、3人しか接触できない学校に転校させました。以前通っていた学校は、教師の数が少ないので目が行き届きにくいばかりか、教室を透明のパーテーションで仕切るなどの対策がなされていません。

学校によっては、生徒が感染しても閉鎖しない学校もあります。その一方で、すぐに閉鎖した学校もありました。政府が学校にその権限をゆだねていることで、学校側は非常に厳しい選択を迫られているのが分かります。

ロックダウン中の空港の様子

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家の近くに、地方の国際空港があるので、様子を見に行ってきました。この空港からは、以前はイタリア、イギリス、スペインなどヨーロッパ各地への便が毎日頻繁に行き来していました。

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ライアンエアーがこの空港から完全に撤退する旨を発表してから数ヶ月が経ちますが、ロックダウン中は、飛行機は一機も飛んでいない状況です。

ロックダウン中の町の様子

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1回目のロックダウンと比べると、町中は、落ち着いているようです。スーパーでの買占めは、あまり見かけません。ハンドソープや消毒液などが、陳列棚から消えるということもありませんでした。私が住んでいる場所は、小さな村なので、大きな町に行くとまた状況も違うかもしれません。

近くのテスコのスタッフが数名、コロナウイルスに感染したという情報が報道されてからは、テスコにも行かなくなりました。スタッフは私の知る限り、全員マスクしていたし、お客も全員マスクしていたので、もしかしたらパーティーやイベントなどに参加して感染した可能性もあります。

SNSなどで確認すると、以前と比べてだいぶ落ち着いているのが分かります。スーパーの前で長蛇の列ができた写真がツイッターなどによくアップされていたのですが、今回は全くそういった投稿も見かけなくなりました。

まとめ

今回は、コロナウイルスの第2波が猛威をふるっているヨーロッパから、アイルランドの現地情報をご紹介しました。アイルランドでは、近々日本など比較的感染が落ち着いている国に対して、渡航を再開する可能性があるという情報も入っています。近い将来、アイルランドに渡航する際には、マスクやフェイスカバーの着用を守り、感染しないように気をつけましょう。

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