避暑地アッター湖で、クリムトセンターと「クリムトの庭園」を訪ねる

黄金色に輝く「キス」の絵で知られるグスタフ・クリムトは、オーストリアの世紀末芸術家として世界中に知られています。女性の優美な絵画が有名な画家ですが、実は落ち着いた風景画も数多く描いていて、ファンも少なくありません。

彼が活躍したウィーンにも所縁の地は多くありますが、今回は、クリムトが恋人と16年間毎年夏を過ごした閑静な避暑地、オーストリア有数の湖水地方ザルツカンマーグートにある、アッター湖を訪れてみました。

オーストリア第二の大きさを誇るこの湖を愛したクリムトですが、彼の足跡をまとめた「クリムトセンター」(Klimt Zentrum)と、彼の絵画に登場する花が植えられた「クリムト庭園」をご紹介します。

参考記事:

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<クリムトセンターとクリムトの庭園>

目次

アッター湖とクリムト

クリムトは、1900年から1916年までの夏を、恋人エミーリエ・フレーゲと共にアッター湖畔で過ごし、50枚以上の絵画を残しました。この湖の周辺には、彼が宿泊していた建物や絵のモチーフにした教会、社交の場となったヴィラなど、様々な所縁の地が点在しています。

クリムト生誕150周年の2012年、「クリムトの散歩道」の整備が完了し、アッター湖時代のクリムトの情報が集約された「クリムトセンター」が作られ、やっと所縁の地巡りがわかりやすいものになりました。

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<アッター湖畔シェーフリングにあるクリムトセンター>

クリムトセンター

クリムトセンターは、美術館というよりも博物館に近く、オリジナルの絵画こそ少ないものの、アッター湖周辺のクリムト情報が網羅されています。

それでは、階段を上って、クリムトセンターの内部を見学してみましょう。

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<アッター湖の水面の絵をモチーフにした階段>

展示室自体はそれほど大きくはありませんが、情報量は多く、クリムトファンや、アッター湖との関わりについて知りたい人にとって、とても興味深い展示となっています。

まず目に入ってくるのが、風景画をアッター湖の地図上で示した航空写真。この地図片手にアッター湖巡りをすれば、クリムト絵画に出てきた景色が目の前に広がります。

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<アッター湖の航空写真と所縁の地>

クリムトは、広い湖の対岸を描くため、ボートに乗って湖に繰り出したり、岸から望遠鏡をのぞいたり、工夫を凝らしてスケッチしていました。そんな習慣を再現し、望遠鏡をしつらえたコーナーもあり、クリムト気分でアッター湖をのぞき込むこともできます。

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<望遠鏡からアッター湖を覗くことができるエリア>

他にも、時系列の作品説明や、素描、絵を描く姿や、友人や恋人との何気ない写真、衣装や家具などがあり、恋人や友人と過ごす普段着で気ままな避暑生活が、手に取るようにわかる展示になっています。

クリムトセンター周辺案内と庭園

クリムトセンターの一階部分はカフェになっていて、絵画にも登場するカンマー城を臨むことができます。

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<クリムトの絵画にもたびたび登場しているカンマー城>

また湖畔には、クリムトの絵画に登場する色とりどりの花が植えられた6つの花壇、「クリムトの庭園」があります。

この庭園は最近作られたもので、夏に行くと、ペチュニア、バラ、ガーベラ、カモミール、蓮の花などが咲き誇っている様子が見られます。絵画の中で見慣れた花の間を歩くと、不思議に絵の中に迷い込んだような気分になります。

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<クリムトの庭園>

湖畔には、クリムトとエミーリエ・フレーゲの顔はめ看板まであります。

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<クリムトとエミーリエ・フレーゲの顔はめ看板>

アッター湖のクリムト所縁の地巡りの目印となるのが、この立て看板。それぞれの土地でどの絵が描かれ、クリムトが何をしたのかが詳しく書かれてあります。アッター湖畔の各地にありますので、ぜひ探してみてください。

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目の前のアッター湖を覗き込むと、クリムトが描いたのとまったく同じ、青緑色にさざめく湖面に見て、驚かれることでしょう。

まとめ

アッター湖のクリムトセンターは、クリムトの風景画が好きな方や、ザルツカンマーグートの美しさを彼がどう切り取ったかに興味がある方には、ぜひ訪れていただきたい場所です。

「キス」に代表される黄金の女性像だけではない、クリムトの美しい風景画の世界に、ぜひ飛び込んでみてくださいね。

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ひょろ

オーストリア、ウィーン在住。10年以上暮らしてもまだ新しい発見の連続のウィーンの魅力を、記事執筆、現地調査、ネットショップなどを通じてお届けしています。国際機関勤務を経て、バイリンガル育児の傍ら、ミュージカル観劇が趣味。

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