コロナ禍でのハリラヤと、なくてはならないレンダン料理【マレーシア】

目次

今年は静かな断食月とハリラヤを過ごすマレー人

こんな事、マレーシアでは歴史上初なのでは?というような感じだった。

全人類がコロナウイルスと戦っている最中、世界では、イスラム教徒の断食月に突入した。

日中飲み食いできない上、さらに籠城生活だ。

通常だったら断食月というのは、いたるところに屋台が立ち並んで夕方になると良い匂いを醸し出し、バザールが出店して多くの人が買い物に出歩き、夜中まで家族や知人と一緒にモスクでお祈りをしたり、おしゃべりをしたりと結構たのしい月でもあるのだ。

それがぜんぶ中止になってひっそりと静まり返った。そして1カ月の断食月が終了すると、待ちに待ったハリラヤ(断食明け祭)だ。

この日の為に前日からほとんどの人が帰省し、大家族でわいわいと祭り用の食事を料理し、祭り期間にはオープンハウスや親戚や友人の訪問が連日くりかえされる。

何と言っても、こうした真の集まりがとっても大切なのだ。

それもおじゃん。ほとんどの人は何処へも出ずに、または2家族単位程の極小さな身内の集まりのみで静かなハリラヤを過ごしたのだ。

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今年は自分でお祭料理を作らねば

お祝い日にもよく作られる、人気マレー肉料理というとナンバー1がレンダン。2011年には、CNNインターナショナルで「世界で美味しい50の料理」に選ばれている。

ハリラヤには必ずと言っていいほど、必ずレンダンを作り、このとても異常なハリラヤでも各家庭で、多くの材料を使い、手間と時間をかけて作っただろう。

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このレンダンは、16世紀、マラッカ大貿易時代にインドネシアのミナンカバウの商人や移民から他東南アジア、特に一番近いマレーシアに広められていったらしい。

スマトラ海の航海は長期に渡り、調理してから常温で数週間保存がきくレンダンが最適な食べ物だった。

マレーシアに渡ってから州ごとにジョホールレンダン、ケランタンレンダン、ネギリセンビランレンダン、ペラレンダンと調理方法が分かれていった。

レンダンは、ものすごい種類のハーブを必要とする。シャロット、しょうが、ガランガル、ガーリック、乾燥チリ、ウコン、キャンドルナッツをペーストしてからターマリンドジュース、ココナッツミルク、レモングラス、ウコンの葉、ココナッツフレークペースト、、、人によってはクローブやシナモンなどの数種のインド系スパイスも入れる。

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ココナッツミルクを大量に使って弱火で何時間も煮詰めるのだが、ココナッツミルクはゆっくりと蒸発させることによってココナッツオイルへと変化する。

ハーブも肉に染み込み、肉が柔らかくなって水分が蒸発してからは、そのまま変化したココナッツオイルで炒めるような形になる。

汁が多めか、ドライにするかはその地方によって異なる。

その調理テクニックといくつかのハーブによる化学反応が、いかに保存を長くできるかにかかっているという。大量の肉を大きな中華フライパン(直径1メートル程)で調理するのが通常の方法だ。

鶏肉の場合、煮詰めるとすぐに肉が柔らかくなってしまうので、年老いた鳥、または筋肉が引き締まっている地鶏が美味しいとされている。

これまで田舎に帰っていたので、ハリラヤ料理は全部おかあさん任せだった、という人も今年は自分達で作る良い機会になったかもしれない。

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YasminYoko

マレーシア、クアラルンプールに在住。渡航して32年、ライター、リサーチ、コーディネートをはじめ翻訳通訳、日本語教師、個人輸出業を手がける。

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