なんだこりゃ!?よそじゃ見られないアマゾングルメの紹介

中南米のグルメと言えば、メキシコのタコスやトスターダといった屋台料理、ペルーの魚介マリネのセビーチェに、チリやアルゼンチンのワインが上げられるが、今回はあまり知られていないアマゾン川流域の一風変わったグルメを紹介。

目次

アマゾン悪役のピラニアとワニ

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アマゾン川を想像したとき真っ先に出てくる生き物と言えば、やはりピラニアとワニだろう。

市場を歩けば塩漬けにされたピラニアやぶつ切りにされたワニが並べられ、現地ではポピュラーな食べ物だ。

屋台では、ピラニアは素揚げや炭火焼にされて売られており、癖は無いが淡白な味わいなのでシンプルな料理よりも、餡掛け等ひと手間加えた方が美味しく食べられるだろう。

ワニは、脂が多くしっとりとしつつも弾力があって、いかにも肉食動物の肉らしい味わいだが、臭みは無く上質な鶏肉を食べているようだ。こちらも炭火で焼かれて売られており、しっぽや腹で分かれて焼かれているので好きな部位を選ぶことが出来る。

好みによって分かれるところだが、僕のおすすめは足の付け根部分だ。このあたりの肉が脂の乗りが良く、背側の皮は硬くて食べられないが、腹側は意外と柔らかいので皮ごと食べられるのだ。

パラグアイに居たとき、現地の人の案内で宿の人とワニ獲りに出掛けて捕まえたメガネカイマンを唐揚げにして食べたところ、これまた鶏肉に負けないうまさだったので、新鮮なワニが手に入ったら是非チャレンジしてほしい一品だ。

ピラニアは川幅が広く流れのある本流より、支流や湖といった流れのない場所で竿を出せば簡単に釣れるので、自分で釣った新鮮なピラニアを食べてみるのも面白い。

ナマズはウナギ味?

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アマゾン川には世界のナマズ目の半数近くが居るといわれていて、市場には様々なナマズが売られている。

日本では、熱帯魚の水槽に掃除屋として飼われているプレコから体長数メートルを超す巨大なナマズまで、水族館やペットショップよりも多くのナマズが並べられているので、見ているだけで面白い。

ナマズは川底に潜んでいるので泥臭いと思われがちだが、釣りたてのナマズでも泥臭くはなく淡白な白身魚の味だ。

ソテーやかば焼きにすればウナギと遜色は無く、絶滅しかけのウナギを食べるのは控えてもうナマズを代用すればいいんじゃないかと思えるほどだ。

ナマズは種類によって味が変わるかと聞かれると、自分で釣った中にたまに不味いのがいるくらいで味に大差はないので、料理の種類によってサイズを使い分ければいいと思われる。

長旅でウナギが恋しい人以外は、屋台のバナナの葉の包み焼きがおすすめである。

粗みじんのトマトと玉ねぎ+αで作られたソースを塗ったナマズや魚を、バナナの葉で包んで炭火で焼いているのだが、魚のうまみが閉じ込められ淡白な味にソースが絡み、ほんのりと身に移ったバナナの葉の香りが食欲を掻き立てる絶品である。

美食の要塞都市ベレン

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炭火焼や素揚げ、スープなどシンプルな料理が多いアマゾンのメニューだが、ブラジル北部にある河口の街、ベレンに行くと料理はガラリ変化する。

ベレンは年間を通して平均気温が25℃を越し、湾に面したところには1600年代に竣工したカステロ要塞があり、ゴムの輸出で成長した都市だけあり街中には立派な建物が残っている港街だ。

市場やレストランに入ると見慣れぬ文字が並び、写真がなければどんな料理か想像もつかない。ここではアマゾン川そしてブラジルの他の地域とも違う独自の料理をいくつか紹介しよう。

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痺れるほど美味しいTACACA(タカカ)

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「タカカ」は野菜とエビの入った黄色いスープで、クイアと呼ばれる木の実を半分に割ったもので作った器の中に注がれて出される。

スープはトゥクピー(キャッサバ又はマンジョカの名で呼ばれる、サツマイモのような植物の根で作った汁)で、タピオカ粉(キャッサバの根から作ったでんぷん粉)を溶いているので、卵の白身のようなとろみがある。

余談ではあるが、タピオカといえば日本では玉状に加工され、コーヒー牛乳に入れられたものがブームになっていたが、ブラジルでは粉状のものを油を引かずにフライパンでクレープのように薄く広げて焼き、ジャムを塗ったり何か挟んだりして食べるのだが、これがもちもちした触感でジュースに入れて飲むよりも上手い。

具材は、茹でエビと高菜のような長さ20cmほどに切られた深緑色の野菜が入っている。この葉っぱこそがこの料理が肝であり、今まで食べたことない料理に昇華させている。

口に入れた瞬間強烈な酸味が口いっぱいに広がり、電気が走ったかのように脳を刺激する。それは酸味というレベルではなく、文字通り舌が痺れる刺激的な味だ。

脳が危険信号を送り危うく吐き出しそうになるのをこらえ、かみ砕いて無理やり飲み込む。腐ってるのか毒物か、一体全体これはなんなんだ!?というか本当に食べてよかったのか?

この痺れを伴う葉野菜の正体はJAMBU(ジャンブー)と呼ばれるキク科の植物で、れっきとした野菜らしいが、野菜と知らずに食べたらまず毒性の植物と判断するほど強烈に舌が痺れる味だ。

しかし、食べていくうちにこの痺れが心地よく、酸味のあるトゥクピーにエビの旨味と塩気がマッチ。ベレンにいる間、他の見慣れぬ料理を試しつつも、街を歩き回り屋台で見つければちょっとした腹ごしらえ感覚で毎日食べるほど癖になる味わいだった。

>>>JAMBUなど、アマゾンの食材についてはこちら(アマゾナス日系商工会議所公式HP)

見た目は悪いが味は良いMANIÇOVA(マニソバ)

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「マニソバ」はまたまた登場のキャッサバが入っているのだが、今度は根ではなく葉っぱの部分を使っている。

細かく刻んで長時間煮込んだキャッサバの葉は、緑を越して黒ずんでおり、煮込んだ葉にモツなどの具材を入れさらに煮込んだものをご飯にかけて食べる一種のカレーのような料理だ。

正直見た目は今まで見た料理で一番悪く、トッピングのエビや米の白色がなければ手を出すのに勇気がいる色合いだ。

しかし、勇気を出して口に含むと、ソースになるまで煮込まれたキャッサバの葉に肉のエキスが染み込み、スパイスさを消して旨味だけを際立たせたグリーンカレーのような味わいで、米によく合うのでいくらでも食べられそうだ。

他にもVATAPÁ(ヴァタパ)やFRANGO NO TUCUPI(フランゴノトゥクピ)といった、マニソバのようなカレーに似た料理や、カニの爪ごと上げたカニコロッケに素揚げのエビと言った日本人にも馴染みあるような料理もあるので、気になった旅人は、あまり知られていない美食の街、ベレンと変わり種の宝庫アマゾン流域へ、未知の料理を求めて是非旅してみてほしい。

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