新型コロナウイルスの影響は?バリ島の現状をお伝えします(2020年5月25日現在)

新型コロナウイルスが日本でも猛威を振るっていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。世界中の人々が今までになく大変な状況となっていますが、これ以上被害が拡大しないよう、皆で無事に乗り切れるよう祈るばかりです。

今回は前回の記事の続きで「バリ島からSmall Trip!癒しのレンボンガン島をリポートします!Part.2」を予定しておりましたが、予定を変更して、バリ島が新型コロナウイルスによってどの様な状況になっているかをお伝えしたいと思います。レンボンガン島の記事の続きにつきましては、次回に掲載したいと考えています(もし楽しみにしてくださっていた方がいましたら、本当に申し訳ございません!)。

目次

新型コロナウイルス、インドネシアの感染状況とインドネシア政府の対策は?

2020年5月25日現在、インドネシアの新型コロナ感染者数は22,271人(回復者は5,402人)、死者数は1,372人となっています。インドネシアの人口は日本の人口の約2倍なので、感染率は日本の約2/3程になります。インドネシアで新型コロナウイルスの感染が確認され始めたのは、日本よりも遅く3月の上旬頃になります。なので、当初は「南半球はコロナが感染しづらい環境」や「インドネシアは神に祈りを捧げているので大丈夫」という雰囲気がありました。しかしイベントや宗教行事等でクラスターが発生し、あれよあれよという間に感染が拡大、インドネシア大統領は3月31日に「公衆衛生上の緊急事態」を発令し、4月13日に「国家災害」を宣言しました。

道路の閉鎖.jpg

インドネシア政府の対応ですが、ロックダウンなどは地域の自治体の判断に任せる形で、日本とほぼ変わらない対策を行っています。しかし、日本とは違い医療体制も整っていないため、今も感染者は増加傾向にあり、現在の感染症危険レベルは「レベル3(渡航中止勧告)」になっています。また、丁度今はラマダン(イスラム教徒の断食月)でもあり、実家への帰省などで本来なら年間で一番人の移動や集まりが多い期間になります。そのため、首都圏の交通機関を制限したり、ラマダンが終わる5月31日まで国内線を全て停止するなどの帰省禁止措置に伴う移動制限の対策を行いました(現在は移動制限の例外となる対象者は利用可能)。国際空港に関しては、入国制限措置及び入国後の行動制限措置を取っていて、特別な条件が無い限り、基本的に外国人の受け入れはしていません。また、新型コロナウイルスの影響で自国に帰れなくなってしまった外国人旅行者には、無料・無条件・手続き無しでビザが延長されることになりました。日本の入国管理局と比べると、かなり柔軟な対応です。

バリ島に関しては、2020年5月25日現在、感染者数は394人(回復者は293人)、死者数は4人(内外国人2名)です。観光客が多いバリ島は、感染者の多くが旅行滞在中の外国人だと聞きましたが、インドネシア全体から見ると、バリ島の感染者数や死亡者数は少ないように感じます。バリ島はホテルやレストランだけではなく、バーやクラブなども吹き抜けの構造になっている建物が多く、3密の「密閉」されている場所が少ないからかもしれません。学校に関しては、全ての学校が休校になっていて、オンライン授業に切り替えていますが、7月1日より再開されます。バリ人は普段、人との密接なつながりをとても大切にしているのですが、今回の新型コロナウイルスについては非常に警戒をしていて、自宅で過ごす人が多くなっています。

宗教行事やバリ島最大のフェスティバルも中止に・・・

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バリ人のほとんどの人は、バリヒンドゥー教徒です。バリヒンドゥー教はオダラン(お寺の創立記念祭で1つのお寺に対し約半年に1回行われます)やガルンガン・クニンガン(迎え盆・送り盆)など宗教行事が多く、1年中どこかしらで宗教行事が行われています。その準備期間も含め、実家やお寺に人が多く集まります。また、バリ島にもイスラム教徒やキリスト教徒、仏教徒もいます。イスラム教徒なら、毎週金曜日とラマダンなどの特別な期間はモスクに集まり、キリスト教徒なら、毎週日曜日に教会のミサで集まり、その後、親族皆で集まって食事をします。インドネシア全体的に宗教に関しては信仰がとても深いのですが、宗教に関する集まりも今は禁止されていてます。信仰が深い分、「新型コロナウイルスも神に祈れば大丈夫」と考えている人も多く、インドネシア大統領は会見で「今は家で祈る時だ」と声明を発表しています。

バリアートフェスティバル.jpg

バリ島では毎年、インドネシアで最大の芸術祭「バリ・アートフェスティバル」が開催されていて、今年は第42回目、6月13日〜7月11日の予定でしたが中止になりました。この祭典はバリ島の伝統芸能はもちろんですが、インドネシア各地からトップクラスの演者が出演、外国からもゲスト出演があり、絵画や工芸品なども出展されて、とてもレベルが高い祭典です。演者はこのフェスティバルの1年に1回の出演を目標にして、日々厳しい練習を積み重ね、鍛錬をしています。また、地元の人達も在住の日本人も(私も)毎年このフェスティバルを楽しみにしています。観光地のバリ舞踊やガムランとかのレベルをはるかに超えて、本当に見事な芸能が無料で堪能できるので、渡航制限が解除される時が来たら、ぜひバリ島で「バリ・アートフェスティバル」を楽しんで下さいね♪

ビーチや公園も閉鎖しています

ビーチの閉鎖②.jpg

バリ島と言えばビーチですが、有名なビーチは全て写真の様に入口を閉鎖されています。バリ島には世界各国のサーファーが多く滞在していますが、今はサーフィンも禁止されています。

ビーチの閉鎖①.jpg

写真の右側の建物は、チャングーにあるフィンズビーチクラブ(FINNS Beach Club)です。数あるバリ島のビーチクラブの中でも人気で知名度が高いビーチクラブで、いつも外国人で賑わっているのですが・・・営業をしていないので誰もいません。こんなフィンズビーチクラブは見たことがないので、私自身ショックを受けました。また、現在、ビーチクラブに限らず、外国人観光客が主体のアクティビティやレストラン、バー、クラブなどはほとんどが営業をしていません。それにより失業をしてしまった方も多くいます。

公園.jpg

この写真はバリ島の首都、デンパサールにある大きな公園です。朝は無料でヨガを開催したり、小さな公演を行ったり、子供達が遊んでいたり、運動をしている人がいたりと、地元の人々の憩いの場だったのですが、黄色いテープが張り巡らされ入場が出来ないようになっています。手前の縁石の部分には、飲み物や食べ物を売っている屋台がいっぱいあったのですが、それも今は無くなっていて、こんな光景は初めて見ました。また、デンパサールには、未だに人出が多く、新型コロナウイルスの拡大を抑えるために5月15日~6月15日まで、10か所の検問所を設け、不要不急での立ち入りや大勢の立ち入りなどを規制することになりました。ビーチも公園も閉鎖されて、閑散としていて・・・こんなバリ島を目の当たりにするとは思いもしませんでした。何だかとても寂しい気持ちになってしまいます。

スーパーや小売店での新型コロナウイルス対策

スパーの入口②.jpg

現在バリ島では、スーパーをはじめ、どんなに小さな小売店でも、手洗いとマスク着用をしてからの入店が義務付けられています。バリ島では、バイクに乗っている人がマスクをしているのを見かける事はありましたが、普段からマスクを着用する習慣はありませんでした。

スパーの入口①.jpg

写真のスーパーは、私の自宅の近くにあるとても小さなスーパーです。こんな小さなスーパーでも、マスク着用を伝える看板や手洗い場が設置されています。

スパーの入口③.jpg

こちらは大型スーパーの駐車場に設置されている手洗い場です。ハンドソープと消毒液もあり、正しい手洗いの方法も書いてあります。

スパーの入口④.jpg

こちらは先ほどの写真と同じ大型スーパーの入り口です。このゲートを必ず通るよう書いてあります。霧状の消毒液が身体全体に噴霧されるようになっていますが・・・これはさすがにやりすぎな感じですよね(笑)今までのバリ島は日本と比べると衛生面ではかなり劣っていたのですが、新型コロナウイルスによって、衛生面においては少し向上したのではないかと思います。

バリ島の自宅周辺の様子はこんな感じです!

近所の様子②.jpg

最後に私の自宅周辺(ジンバラン地区)の様子をお伝えします!写真は私の自宅がある通り道への入り口なのですが、部外者や不要不急の人が容易に入れないように柵が設置されました。

近所の様子①.jpg

ここにはいつも屋台が3~4台は出ているのですが・・・屋台は出ておらず、人通りもすごく少なくなっています。

ワルンの様子①.jpg

こちらは食堂が数件並んでいる、日本で言うと屋台村の様な場所です。安くて美味しいので、地元の人や長期滞在をしている外国人でいつも満席です。普段は食事に来た人のバイクが所狭しと並んでいるのですが・・・閑散としています。

ワルンの様子②.jpg

良く見てみると営業はしていますが、椅子が撤去されています。

ワルンの様子③.jpg

持ち帰りのみの対応になっていました。マスク着用も必須です。観光地のレストランは休業していますが、この様な地元の食堂は持ち帰りなどで対応し、営業をしていました。自宅の近所では見かけないのですが、大きな通りで通常の営業をしている食堂もあります。日本とよく似た状況ですね!

消毒薬散布①.jpg

こちらは自宅前の通り道なのですが、新型コロナウイルス対策で消毒液を散布しています。この様な対策は、その居住区の小さな自治体の判断で行っています。

消毒薬とフォギー散布.jpg

モウモウと白い煙が散布されていますが、こちらは「フォギー」です。蚊によるデング熱対策のための殺虫剤散布になります。消毒薬と殺虫剤を撒く人が、たまたま一緒になってしまったようです。何だか身体に悪そうな感じもしますが、こんな時は致し方ないですね。実際、今バリ島ではデング熱が流行っていて、新型コロナウイルス感染者よりも圧倒的にデング熱感染者の方が多いのです。余談ですが、私の夫もついこの間、高熱をだして寝込みました。新型コロナウイルス感染なのかデング熱感染なのか区別が付かず、病院で診察を受けるまで生きた心地がしませんでした!結果、デング熱でした!

人気の観光地ウブドの様子

ウブドの様子.jpg

現在、遠出が出来ないので、ジンバランの自宅周辺以外の様子はあまり分からないのですが、友人が写真を提供してくれたので、違う地域の雰囲気もお伝えします。写真は日本人旅行者に人気の高いウブドの中心地です。普段この道は観光客で大渋滞する場所で、酷い時には車で300m進むのに1時間くらいかかったこともありますが・・・やはり閑散としています。

モンキーフォレスト.jpg

ウブドの有名な観光スポットのモンキーフォレストも閉鎖されています。市場も軒並み休業していました。また、ジンバランと同じく、観光客向けのレストランは全て休業していますが、地元の人が使っている食堂は営業している様です。

最後に

長くなってしまいましたが、現在のバリ島の状況について、今しか伝えられない事、今しか記録出来ない事だと思い、予定を変更してバリ島の現状について掲載しました。バリ島はほとんどの職業が観光と関わりがあるため、大打撃となっています。一説では、バリ島の失業率は70%とも言われています。

マスク販売.jpg

写真は新型コロナウイルスでマスク着用が義務付けられた途端に現れたマスク売りです。今では多く見かけます。休業しているホテルも多いため、ホテルで使われなくなった卵や野菜の移動販売なども多くなりました。また、失業してしまっても、自宅で料理やお菓子を作り、Facebookなどを通して販売するなど、皆工夫をしてしのいでいます。日本人の私から見ると、落ち込んだりせず、柔軟な発想の転換がすぐにできて本当にたくましさを感じます。収入が無く食べるのにも困るくらいの家庭には、地域の自治体やボランティアの方がお米を配っています。バリ島も含めインドネシアでは、困っている人がいたら、余裕のある人が施しを行う精神が根付いています。なので、お金がなくて、食事が出来ず亡くなってしまう人なんてバリ島にはいません。インドネシア人の柔軟さ、たくましさで今回の危機も乗り越えられるはずです。日本もやっと緊急事態宣言が解除される地域が出てきましたね!あともう少しの辛抱だと思います!次回「バリ島からSmall Trip!癒しのレンボンガン島をリポートします!Part.2」が掲載できる頃には、また旅行を楽しめる世界になっていることを祈っています!

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2014年に日本からバリ島へ移住。現在は夫・猫の姉妹と暮らしている主婦です。バリ島のおすすめ情報からディープなバリ島の姿まで、幅広い内容を在住者目線でお届けします!どうぞよろしくお願いします♪

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