コロナウイルス対策でロックダウン下のフランス・パリの現状(2020年3月30日現在)

世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス。イタリアでの感染爆発を皮切りにヨーロッパでもどんどん感染が拡大し、EU各国は次々にロックダウン(都市封鎖)措置へ。

フランスでは学校の休校、美術館や飲食店の臨時休業に次いで、一般市民にも外出禁止令が発令され、許可証なしの外出には罰金が課せられる事になりました。

ロックダウンされた首都での人々の暮らしはどうなっているのか。外出禁止令の発令から半月が過ぎたパリの住宅街の様子を、パリ在住の私N.L.Parisがお届けします。

目次

3月30日現在、フランスでの感染者数は?

フランスはヨーロッパでもイタリアに次いで新型コロナウイルスの感染者が多く、3月30日現在では、フランス全土で45,550人が感染し、うち7,923人が完治、3,024人が死亡しています。

パリ市のあるイル=ド=フランス県では、これまで9,700人が感染し、うち2,394人が完治、954人が死亡しているそうです。著名人や国会議員からも感染者が出ており亡くなった方もいます。

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<3月末に予定されていたパリ市長選も結果が出ないまま棚上げに>

外出禁止令は4月15日まで延長に

3月初旬、フランスでは国内での感染拡大をうけ、学校は休校になり集会は禁止、レストランやカフェ、美術館も全て休業となりました。

それでも感染爆発は止められず、マクロン大統領は3月16日、必要最小限以外の外出を禁止し違反者には罰金を課すことを発表。当初は3月末までの予定でしたが、数日前に4月15日まで延長に。罰金は当初135ユーロ(約16,000円)でしたが、その後200ユーロ(約24,000円)に値上げされました。再犯者への罰金は3,750ユーロ(約45万円)と、かなり高額です。

パリ16区などに住む富裕層は、この外出禁止令が実施される前に急いでパリを抜け出し、田舎の別荘に避難した人も多いそうです。

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<いつもはパリ市民の憩いの場のカフェもひっそりと門を閉ざしています>

外出は一日一回のみ、1時間、1km以内

現在フランスでは、外出は内務省のサイトからダウンロードできる外出許可証と身分証明書を持ってのみ可能です。外出許可証には名前、住所、外出の理由、外出時間、自筆のサインなど詳細に書き込む必要があります。外出が許可されるのは必要最小限の理由で、一日一回のみ。1時間以内、自宅から1km以内までです。

実際に出かけてみるとあまり遠くまで行けないとはいえ1時間以内に用事を終わらせるのはなかなか大変です。スーパーで買い物するのも感染の不安がつきまとい、許可されているとはいえあまり外出する気にはなりません。公園等もしまっているので、子供のいる家庭は親子共にかなりストレスになっているのではないかと思います。

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<普段は子供連れや学生で賑わう通りですが、今は誰もいません>

いつもの渋滞や人混みは消え、誰もいない道路

街の様子は...というと、いつもよりかなり人通りが少なく閑散としています。犬の散歩や買い物、ジョギングをしている人々がポツリポツリといる程度です(犬の散歩や運動は一人でするのに限り許されています)。

慢性的な渋滞に悩まされているパリですが、今は車の使用にも許可がいるので車もほとんど走っていません。いつもは近所のパリジャンで賑わっているカフェや公園もひっそりと扉を閉じています。

意外なのは通りに警察がいないことでしょうか。罰金と言われているので最初はビクビクしていましたが、実際にはそこまで厳しく取り締られていないようです。

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<見渡す限り車のいない大通り>

これまでパリでサージカルマスク(医療用マスク)をつけている人は見たこともありませんでしたが、今は2〜3人に一人の割合でマスクをしていたり、スカーフで口を覆っていたりする人を見かけます。

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<普段は車が渋滞し、人の行き交う通りですが、今は誰もいません>

買い占めは起こっている?スーパーの状況は...

スーパーは夕方に行くと商品がないこともあるので朝一番に行きます。開店の15分くらい前から並んでいることもしばしば。列に並ぶ時は1m以上間隔を開けて並びます。

この日、スーパーのスタッフは列に並んでいた高齢の男性を呼び寄せ、優先で店内に案内していました。万が一感染してしまった場合に重症化のリスクの高い高齢者への配慮のようです。

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<間隔を開けて並びながらスーパーの開店を待つ人々>

店内はニュースでよく見かけるように棚が空っぽのこともありますが、比較的すぐに補充されており、特に品薄になったという感覚はありません。パスタやパン、トイレットペーパー、たまごの棚がよく空になっています。

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<品切れの商品が目立つパスタの棚>

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<ちょうど棚卸しの日だったのか、次々商品が補充されています>

20時には窓を開け、医療従事者に感謝の拍手

とても不便でストレスも多いロックダウン措置ですが、これ以上医療システムを疲弊させないためには必要なことだと思います。

前述のスーパーで若いスタッフが自発的に年配の方を優先案内していたように、パリではなんとなくそういう緊急下での助け合いの空気が漂っているように感じます。

毎晩20時になると窓を開けて医療従事者に感謝の拍手を贈る、という心温まる運動も続いています。数日前からはエッフェル塔にも20時になるとライトアップと共に感謝の言葉「MERCI(ありがとう)」の言葉が表示されるようになったそうです。

フランスだけではなく世界が大変な状況ですが、一刻も早い収束を祈りながら自宅待機を頑張ろうと思います。

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N.L.Paris

パリ在住約10年。美味しいものとお酒が大好き。超B級グルメから高級店まで地道に研究しています。グルメ情報メインのブログ&インスタも。→→→ nightlifeparis.hatenablog.com
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